「ほらほらっ、もっと喘いでいいのよシノブちゃん?」
「あら
#12316;あなたそんな顔も出来るの?…ゾクゾクするわ♪」
「良いわよ
#12316;私の尻尾で何回もイっちゃいなさい!」
「あぁんっだめぇ…もう無理ぃぃっ、ぎもちすぎるぅぅぅぅ。」
「耳に毒だな…おい誰か耳栓くれねえか?」
扉の向こうから惨劇?の声を聞きながらグリムが呟いた。
傍にいたハンスも同じような面持ちで苦笑いする。
「流石アレスさんの妻というか…色々とすごいですね。」
「いや、どちらかというと彼女達三人が特殊なだけだ…。」
二人の話を聞いていたヴェンが複雑な表情でそう付け加えた。
もっとも、その三人を呼んだのは他ならぬヴェン自身なのだが彼もここまでなるとは思いもよらなかったようだ。
「よぅ、魔王の旦那じゃねえか。」
「あ、魔王様!」
「ヴェンで構わないよ二人共、君たちからそう呼ばれるのは何か変な気がするからね。」
「そうか?なら好きに呼ばせてもらうぜ、ヴェン。」
「ありがとうございます、ヴェンさん。」
少し照れくさそうに顔をポリポリと掻きながらヴェンはそう言った。
二人もそう思っていたのか特に驚きもせず自然と彼の名前を呼んだ。
「ところでどうかな、ここの住み心地は?」
「一言で言うなら最高だな…俺も今までこんな良い暮らしはしたことねぇよ。」
「ここにいると不自由はしませんね、アレスさんがたまに話してくれるんですが想像以上ですよ。」
「そう言ってもらえると何よりだ、私に出来ることと言ったらこれぐらいだからね。」
「これぐらいねぇ…そう言えるってのが魔王の器ってか?」
「…残念ながら私なんてまだまだだよ。」
「?」
一瞬、ヴェンが少し暗い顔をしたのを二人は少し気になった。
だが二人はそれ以上は詮索せず流すように話を続けた。
「ところでよ、アレスはまだ戻ってこないのか?」
「彼なら向こうで少し休むと言っていたよ、まぁいつでも戻れるようにしているから勝手に戻ってくるとは思うが。」
「大丈夫なんでしょうか、アレスさん。」
「彼なら心配いらないさ、一緒だった君なら一番わかるんじゃないか?」
「それもそうでした。」
「おい、あいつそんなに強いのか?」
「あ…そっか、グリムさんはあの時は一緒にいませんでしたよね?…フーゲルの町の事。」
「彼のことだから想像はつくがな…また無茶をしたんだろう?」
「無茶なんてものじゃ…あれは―」
「魔王様!!」
ハンスがその時のことを詳しく話そうとしたとき、どこからかヴェンを呼ぶ声がした。
振り返るとセイレーンのセーレが慌てた様子でこちらへと飛んできた。
「どうしたのかな、セーレ?そんなに慌てて。」
「はい、ちょっとややこしいことになりまして…。」
「ややこしいこと?」
「来てもらえればわかります、玄関まで来ていただけませんか?」
「ふむ…わかった、二人共悪いが失礼するよ?」
そう言ってヴェンはセーレに連れられて足早に玄関へと向かった。
「なんだろうな?」
「さぁ…?」
――――――――。
「会わせてよぉ!!」
「―だからここにはいないと言っているだろう!!」
私が玄関に近づくと、何やら口論しているような騒ぎが聞こえてきた。
到着するとそこにレイとリザ、リルルの背中が見えた。
面子からして物々しい雰囲気だ、何があったのだ?
私は脅かさないようにそっと声をかけた。
「みんな、どうしたんだね?」
「あ、魔王様。」
「魔王様、こんなことでお呼びだてして申し訳ありません、この娘が―」
「だから、アレスの知り合いだって言ってるじゃんっ!!」
彼女たちの向こうから少女の声が聞こえた。
彼女たちの姿で見えなかったがどうやら向こう側に誰かいるらしい。
「私が代わろう、通してくれ。」
「…御意。」
私が前へと出るとそこにはワーキャットの少女が仁王立ちしていた。
「…ワーキャット?」
「ん?お兄さんは誰?アレスの知り合い?」
少女は私を見つけるとキョトンとした顔で尋ねてきた。
歳はエルザくらいだろうか…しかし彼から送るという連絡はなかったはずだが?
ん、待て…お兄さん?
「お嬢さん、お兄さんって私のことかい?」
「そうだよ、黒いマントのお兄さん。」
「貴様っ、このお方は―!!」
「待つんだリザ、…良いんだ。」
「魔王様…?」
怒鳴ろうとしたリザを私は制した。
別に私も失礼だと気になったわけじゃない、しかし私のことを魔王様と呼ばない魔物は知る限りでは二つしかない。
私に敵対しているか、私より”強い”かだ。
…両者でないことを祈ろう。
「お嬢さん、名前は?」
「マイちゃんだよ。」
「じゃあマイ、君はアレスを知っているのかい?」
「うん、アレスとは昔からね。」
「どうして彼がここにいると?…そも
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