今日こそは必ず…。
「…。」
今日こそは必ず勝つんだ、そのためにジパングから来た武芸者から必勝法も授かったんだ。
今に見てろ、あの魔物めぇ!!
ある一人の青年が洞窟の前で活きこんでいました。
中は暗い世界が広がり、地面すらも見えないほどの闇が広がっています。
そこへ青年は明かりもなしに入っていきました。
一人の魔物を求めて…。
「おらぁ、出て来い!!今日こそ決着をつけてやる!!」
洞窟の中で大声をあげた。
耳が痛てぇ、声が響きすぎだ。もっと小さく言えばよかった…。
「うるさいな〜もぅ。」
痛みに奮闘しているとパタパタと音がして奴が来た、俺の憎き相手だ。
「あんたも懲りないね〜、他にもっとやる事無いの?」
「うるせぇ、俺には重要なことなんだよ!」
逆さづりになりながらも奴は俺を挑発する。
ちくしょう、いつもいつも俺を馬鹿にしやがって!
だがそれも今のうちだ、今日はいつもとは違うぞ?
「ふふふ、今日はとっておきの秘策を用意したんだ、これでお前も終わりだ。」
「前回もそういって出したのが確か『マタタビ』だったわよね?どうせ今回も馬鹿みたいな物出すんでしょ?」
「違う!今回は物は一切使わない、この身体一つで戦ってやる!!」
「へぇ〜、今日は変に趣向が凝ってるわね、ネタ切れでもした?」
「ほざきやがれぇ!」
あいつはああ言ってるが今回の俺は一味違う、今まで何度も挑戦したが返り討ちにあってしまった。
その原因は何か…?俺は気づいてしまったのだ。
物に頼っていたからだ!
昔の拳法の達人もこう言った、「武器や火薬を使って何が拳法だ!」とな。
ならば俺は武器を捨て正々堂々と戦ってやる!
「じゃあ今日もコテンパンに…、何してるの?」
「ふふふ、これがお前の必勝法だ、恐れ戦くがいい!」
そして俺は敵を前にして目を瞑った。
「この技は目で見るのではなく心の目で見る、心眼によりお前の位置は手に取る様に分かってしまう!これぞ無我の境地!!」
「多分、それ間違ってると思うけど…?」
「やかましい!どっからでもかかって来い!!」
「じゃあお言葉に甘えて…。」
そうしてパタパタという音がして奴は飛び始めた。
俺は全ての神経を研ぎ澄ます。
水の滴る音(うるせぇ。)、外から吹く風の匂い(カレー臭い。)、肌に触れる空気(蚊が止まってる!!)
そして全ての事柄は一つに収縮される。
「!!」
見えた!
その時俺は全てを理解した。
駆け巡る脳内物質っ。
β−エンドルフィン…!チロシン…!エンケファリン…!バリン…!リジン…!ロイシン…!イソロイシン…!
俺から吹き出されるは神の息吹、迸るは今朝食べた麻婆春雨!!
生きとしいけるものの全ての頂点に立ち、もはや何もおそるるに足らず!!
そして今、俺は導き出す!
そうこの技は…!
「真っ暗で何も見えないぃ!」
「えい♪」
「あべしっ」
見事に後頭部を蹴られ俺は大の字に倒れてしまう。
その上に奴は跨り勝ち誇ったかのようにうきうきとする。
「後ろからとは卑怯だぞ!」
「どっからでも良いっていたのはあんたでしょう?責任持ちなさいよね。」
「ちくしょう、さっさと退きやがれ!お前をカブトムシにするぞ!!」
「どんな脅しよ、それ…。」
俺が必死に暴れるもまったくの効果なし。
じたばたしていると奴はズボンを脱がし始めた。
「おい、何してる!?馬鹿な真似はやめろっ!」
「ふふん、敗者は素直に犯されてね♪」
「ああん、やめて!お尻舐めないで、ひぃやっ!!」
「あんた馬鹿だけどここだけは立派なのよね〜、いただきまーす☆」
「お助けぇぇぇ!」
そうして洞窟内で青年の卑猥な叫び声が響いた。
30分経過。
「はぁ…堪んない。ご馳走様♪」
「ひっく、ひく、ぢくしょう…。」
辱めを受けた俺は泣き腫らしながら洞窟を出る。
ズボンを履いた後、洞窟を振り返り睨み付けた。
一部から見ればお楽しみかもしれないがとんでもない。
あいつは悪魔だ、奴は大変なものを盗んで行きました。
俺は泣きながら家路へと走る。
そして一言。
「パンツ返せぇぇっ!!」
こうして俺のパンツ62号は無残な最期を遂げた。
良いもん、まだ63号がいるもん。
「ぷはぁ…ちくしょう、また負けた…。」
「まったく、ロイドはほんと懲りないよな?」
行きつけの酒場で俺は酒を飲みながらやさぐれる。
いつも負けた日にはここでマスターに愚痴を聞いてもらっているが、いつも負けてるから常連になってしまったのは内緒の話。
「でもよ魔物といやぁ、とびきりの美人だって聞くじゃないか。そんな娘とヤれるなんてお前さんが羨ましいぜ?」
「そんなの暗くてわかんねぇよ、それに俺はそんな事の為に挑みに行ってるじゃねぇよ。」
「またまた〜、お前もそういうのが好
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