春空を見上げ、舞い踊る花弁を掴む。
並木道は薄桃色に包まれ。
遠くの山から雪解け水の流れる小川のせせらぎをも塗り替えて行く。
彼らは何十幾百と、何重幾拍の波を流れ。
その美しい色で、冷え切ったせせらぎの水を、春の温もりで染めていく。
嗚呼。彼らは何と美しいのだろう。
私達はそれを見ながら、互いに笑いあい、彼女の腕に抱かれた我が子へ目を向ける。
この子は何と愛らしいのだろう。
そんな私の微笑みを彼女がほっと見下ろしてくれた。
私達の小さな幸せを、彼女は共に喜んでくれた。
嗚呼。私は何と幸せなのだろう。
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