私の名前はシャル。
ご主人様のくれた大好きな名前なの。
ご主人様っていうのは私を生み出してくれた魔女、サビエリ様。
私はキマイラって言って、いろんな魔物から作られた魔物らしい。
だから私の中にはたくさんの私達がいる。
太古に滅んだドラゴンのシュム、
氷河期に冬眠したまま凍りづけになった魔獣のロドヴィア、
数百年前に魔女狩りで滅ぼされたバフォメットのジル、
そして、こうしてしゃべっている私は人間のシャルロッテ。
みんなご主人様に救われて、私になった。
どうやって私達がひとつになったのかはよくわからないけど、何百年も生きるご主人様は、とても長い時間をかけて、みんなの体の一部を集めて作ってくれたんだって。
今の私の姿は、顔や身体はシャルロッテが元になってるんだけど、
この紫の右目と短めの角がジルちゃんのもので、
銀色の左目と両足、右腕、そしてもふもふの尻尾と三角のたれ耳がロドちゃんの、
右腕と翼がシュムさんのもので出来てる。
「なぁ〜んかロッテとロドのパーツ多くてずるいのじゃ」
「はは…。私とロドちゃんはほとんど全身が残ってたからねぇ」
「いいじゃないのさ〜。あたしなんて爪と翼の化石しか残ってなかったんだよ?そっからここまで復元してくれただけでもすごいと思うよ。すごいすご〜い」
「あ、でも、ほら。ジルちゃんの魔眼のお陰で、みんなすごく助かってるし、それにほら、お馬鹿だった私がご主人様のお手伝いできるぐらい賢くなれたのもジルちゃんのおかげだし。ね?」
「えへへ。そ、そうかなぁ。うむ。わしに感謝するのじゃ」
「ふぁ〜…zzz」
「あ、こら!ロド、お主寝るでないのじゃ!わしらまで眠く…zzz」
「うみゅ…私も…zzz」
ありゃりゃ、
みんな寝ちゃったねぇ。
仕方ないよね、そうだよね。
ここからはあたし、シュムが代わってあげよう。
まぁ、こんな感じでだらぁ〜っと生まれたあたしらだけどね、
ご主人には感謝感激雨あられなんだよ。
ご主人は一度ドジっ子ロッテちゃんがぶっさり殺しちゃったわけだけど、ちゃ〜んと軽箱に魂は預けてたから無事だったってわけだね。さすがご主人。リッチ、リッチ、マジリッチ。
え?軽い箱じゃない?似てるしいいんじゃない?誤差誤差w
え?ドラゴンなのにノリが軽い?
じゃあ、あ〜たは日本人らしく勤勉で真面目なの? ねぇ?
ステレオタイプに騙されちゃダメダメ絶対。ダメ、ゼッタイ。
とりゃ〜ず、言いたいのはさ、
こんな感じであたしらはのほほぉ〜んと幸せに生きてるってことだよ。
しかもほら、魔界は今やサキュバス先生の天下なわけじゃん?
お陰であたしら魔物的にはのんびり気楽に生きやすくなったし、世はまさに大乱交時代?
前振りのロッテの話でもチラぁ〜〜と、ぬるぅ〜っと、エロぉ〜っと出てきたけど、晴れてご主人のヘンタイ研究が活かされる時代が来たってことだよね、そうだよね。
しかも、ご主人の作った魔薬が金になること、なること。
正直、笑いが止まりませんwサーセンww
そんなこんなで、ほぼずっとのんびりしてたあたしらも、サキュバス天下になってからはご主人の研究のお手伝いをしてるってことなんだよね。
まぁ、あたしはほとんど役に立たないし、ロドといっしょに寝てたりするんだけどね。
いやいや。果報は寝て待てって言うじゃん。ね?
「ふあ〜ぁ。そんなこと言ってたらあたしも眠くなってきちゃったよね。じゃ、おやすみぃ〜」
ハッピーバースデイ
――チュンチュン
「んみゅ…」
窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる。
「ふぁ…ぁ〜…」
私は大きく伸びをした。
部屋を見渡して、
――フォン…
右目の魔眼でご主人様のお城の周囲を見渡す。
うん。今日も異常なし。
魔眼に込めた魔力を抜いて、視界を戻す。
窓から差し込むおひさまの光で照らされた部屋。
100年近く住んでいる私の部屋。
私はベッドから出て、毛皮のじゅうたんの上で朝の体操をする。
寝るときは何も着てないから裸のまま。
私の身体が元になっている私達の身体はとても敏感で、するするのシーツで眠るととても気持ちいいので、私達はいつも裸で寝ている。
「うんしょ、こらしょ…」
柔軟運動。
ペタンって、足開いて、身体をゆっくり倒す。
――ムギュ
「ん…」
敏感なおっぱいが床にあたって潰れる。
うん。
今日も元気に張ってる。
私は柔軟運動を終えると、立ち上がって、キッチンに向かった。
――パァ…
歩きながら魔法で服を呼び出す。
私はご主人様のペットなんだし、服なんて要らないって思うんだけど、ご主人様が私の肌を自分以外に見せたくないって言うから、一応着てる。
そして、なぜかメイド服。
これもご主人様の趣味だ。
でも、パンツは苦手なので履かない。
ご主人様は 「
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