私はシェルクちゃんの作戦通り右翼の宣戦を維持しながら兵士さんたちの援護をしてたの
「えっと、そっちはどぉ?」
「やや押されてはいますが、魔導兵隊の援護のおかげでどうにか戦線は維持できています!」
「えっと、えっとぉ…シェルクちゃんの合図が上がるまでもう少し頑張ってねぇ」
どうしよぉ
兵士さんたち、頑張ってくれてるけど、早くしてくれないとちょっと大変だなぁ
ん〜
――パァン!!
あ、花火!
やったわぁ
やっと来たぁ
えっと、えっと、
「みんなぁ〜!作戦開始ぃ〜〜!動いてねぇ!!ちゃ〜んと私たちが援護してあげるからねぇ〜」
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『バフォメット様、いい感じです!敵左翼、徐々に後退していきます!』
「『うむ、して、どれぐらいの被害を与えられたのじゃ?』」
『はい。それが…敵の魔導兵が多くて魔法で援護されちゃって、うまく逃げられちゃってます。私たちも耐魔魔法で応援してるんですけど、数が違いすぎて…』
「『うむ。仕方がないのじゃ。とにかくそのまま押し込んでいくのじゃ』」
「ふふふ。やっぱり私の策に間違いはなかったのね。どう?バフォメット?」
クリステアが自慢げに言ってきたのじゃ
はぁ…
まぁ、しかたないのじゃ
「うむ。確かにその通りじゃの。よしよし」
儂が心の中で半分馬鹿にしつつクリステアの頭を撫でてやる
すると…
「えへへ〜。わ〜いわ〜い。バフォメットも褒めてくれた〜!うふふ」
――ピクピク
ん!?
儂の“かわいいものせんさぁ”に反応が!?
いったいどこから!?
「ふふふ。もっと褒めても良いのよ。えっとね、えっとね、できればキュウってしてもいいのよ?」
「…………」
――ピクピク
いや、そんな馬鹿な…なのじゃ
こんなわがまま姫がかわいく見えるわけ…
――ピクピク
「………(キュウ)」
「えへへ〜あったか〜い」
――ピコーンピコーン
あれ?おかしいのじゃ
いや、だってこんな…
このクリステアがかわいいわけが…
「ん〜ごろごろ〜」
儂の腕の中でのどを鳴らすクリステア
――ピコーンピコーン
「儂のわがまま姫がこんなにかわいいわけがないのじゃ!!!」
認めない
認めないもんね〜
そんなはずないのじゃ
だってあのクリステアじゃぞ?
だってそんな…
「ん?どうしたの?バフォメット」
「べ、別にあんたがかわいいなんて思ってないんだからね!!」
「???」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「左面、少し下がってんぞ!気合入れやがれ!お前らの背中にゃてめぇらの家族の生活がかかってんだぞ!男見せやがれ!」
俺は中央の兵たちを指揮しつつ、捌ききれない大物の魔物たちの相手をしていた
流石にシェルクみてぇにドラゴンなんて化け物は倒せねぇが、それでも上位のサキュバス程度なら何とかなる
それに厄介な鳥共が飛んでこなくなったのはずいぶんと助かる
しかしシェルクのやつ、あのデケェ花火をあんな風に使うとはな
あんなスゲェ策があんならちゃんと言ってくれりゃあ良いものを
まぁ、しかしあいつらしいっちゃあらしいが
『私を信じろ』か…
ああ。信じてるぜ
女王様よぉ
「いいか!俺たちはけっして劣勢じゃねぇ!お前らが押して押して圧しまくれば絶対に勝てる!お前らはこの戦いに勝利して、そんでもって逃げ出しやがった腰抜けどもに言ってやれ!『俺たちは英雄だ!』俺たちは騎士王シェルクの常勝軍だ!誇りを持って戦い抜け!」
「「「「「オオオオォォォォォ!!」」」」」
兵士たちから気合の声が上がる
――パァン!
と、その時、城の方から合図の花火が上がった
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!来たぞ!野郎ども!お前らの力、見せてやれ!」
俺は喉を吐き出すほどの大声で叫ぶ
「「「「「ゥオォォォォォ!!」」」」」
兵士たちが集まり、盾を重ね合わせて巨大な壁になっていく
最前の兵が肩に盾を固定しスクラムを組み、その後ろの兵が上部に盾を重ね、護る
そして、後部の兵達がその体を両肩で押す
「行くぞぉ!斜め右へ前進!!いけぇぇぇ!!」
「「「「オォォォオオ!」」」」
――ズン
――…
――ズン
何百もの兵の足音がそろい、地響きを鳴らす
巨大な兵の壁が魔物どもをまとめて押しやっていく
――ドパーン!
と、上空で巨大な爆発音が響く
「「「キャァァァ!!」」」
魔物どもの悲鳴が上がり空から魔物が降ってくる
「ぅおっ!?空から攻撃が来てたのかよ。あっぶねぇ。ナイス援護だぜ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふふ。バラガスめ、案の
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