幸せの尻尾

幸せの尻尾


注;このお話は基本的にツッコミ不在です。セルフで突っ込みを入れると2倍(当社比)楽しめます。




「…喉が渇いたわ」
「…はぁ、はぁ。…そ、そうですね」
「(ムカ)ねぇ、タイラ。あたいは喉が渇いたのよ」
「…ボクもです。…ふぅ」
「………(プツン)。てめぇ、いい加減にしろよ、“ヘタイラ”っ!あたいが「喉渇いた」って言ったらあんたは「はいわかりました。ルイザ様」つって水を持ってくるのが常識だろうが!叩き潰すぞヘタイラ!」
「はひぃぃっ!す、すみませんでございますでございますルイザ様っ!!」
「3分間だけ待ってやる」
「30秒で支度します!」


「はぁ…」

なんてボクってばこんなにダメなんだろう…。
ルイザ様の手下になって6年も経つのに未だにこんなことにも気付けないなんて。
え?あ、あぁども。はじめまして。
ボクはタイラ=ドフエフスキーと言います。
セカンドネームはよく舌を噛まれるので、タイラと呼んでください。
なるべく“ヘタイラ”とは呼ばないでください。
ボクは生まれて7年で孤児になりました。
はい。あの戦争で、です。
それ以来靴磨きや物乞いをして生き延びていたのですが…。
ある時、どうしても食べるものが無くてついやっちゃったんです。
あ、強盗です。
道に落ちてた鉄の板きれを持って旅人を襲ったんです。
夜だからナイフか剣に見えるかも、って思いました。
はい、甘かったです。
相手はオークの盗賊団の元大頭のルイザ様でした。
ボクはルイザ様がバールの様な物を振り上げた段階で気絶しました。
もうすぐで天国の両親の所へ行くところでした。
それ以来僕はルイザ様の手下として手となり脚とな…れる日が来ることを目指して頑張っています。
え?あ?あぁ…ボクなんかの過去なんて知りたくもないですよね。はい。
ルイザ様は怖いけど時々優しいんです。
だから大好きです。
あ、あとこれは内緒ですけど、ルイザ様の笑顔ってとってもかわいいんですよ。
まるでぺ○ちゃんみたいで。はい。ミル○―はママの味です。
え?それはかわいいのかって?
はい。すっごくかわいいです。
道の端でたむろってるのに咥えてるのがタバコじゃなくてチュッパ○ャップスな不良ぐらいかわいいです。
え?例えがわかりにくいですか?
あわわわわ…。
ま、まぁたぶん見てもらった方がいいのです。
あ、ボクは見なくてもいいのです。ルイザ様を見てください。
え?元からボクを見る気がないですか?ですよね〜w
あ、お話戻りますね。

ボクは水を探して森の中を歩いていました。
広い森です。迷子になりそうでした。
はい。なりました。
水も見つかりませんでした。

「あわわわわわ!ピンチです!」

あ、そうだ。こう言うときは切り株を見れば方向が分かるのです。
…切り株がないです。
周りを見ても同じような景色ばかりです。
あわわわわ。
いや、待て待て。こんな事も在ろうかと切り株を切った物を持ち歩いているのです(キラン)。
……あれ?これどっちが正しい向きなんだろう…。
役に立たないのです!?こんな切り株はいらないのです。

「右見たり、左見たり、ラジバンダリー」

あ、別に好きじゃないです。
あれの残念なツッコミは元は福井○レビのローカルニュース番組でスクラッチ田中という芸名でいろいろなコーナーに出ていたのです。
あ、そうでした。今はそんな話してる場合じゃありませんでした。
どうしよう。
ボク、野宿、実は苦手なんですよね。

「………タイラくん。君はこんな所で何をやっているのかね?」

ビクビク!
あわわわわわわわわわわわわ……。
こ、この声は聞き覚えがあるのです。
ルイザ様にそっくりなのです。
いや、この背中からひしひしと伝わる殺気。間違い無くルイザ様なのです。

「ああ、天国のお父様お母様。ボクは今からそちらへ逝きます」
「祈ってる暇があったらまず返事をしろっ!」
「はひぃぃぃぃ!!ルイザさmあwせdrftgyルミこlp;@」

ガゴンッ!!

鈍い音と共にボクの意識は4時間の空の旅へ旅立ったのです。


(4時間後)


「……あれ?ここは誰?私はどこ?」
「ふん。やっと目が覚めたのね、ヘタイラ」
「あうう。ヘタイラ言わないでくださいよぅ」
「はぁ…。水探すだけで何で迷子になるの?…」
「さぁ。なんででしょうねぇ?」
「…その頭の中には綿でも詰まってるの?」
「あはは。馬鹿だなぁルイザ様。綿なんて入ってるわけ無いですよ」
「…………………もう一回空を飛ばせてやろうか?」
「はひぃぃぃぃぃ!!や、ヤですもう飛びたくないです!ってかなんで真顔なんですか!?やめましょうよ。せめてひきつった笑顔とかにしましょうよ。マジっぽいから。真顔だとマジっぽいからぁぁぁ!!」

ボクはズザザザザと下がり、頭を抑えて
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