ダーリン≒だぁりん

−−−−−−レスカティエ教国。
今は魔界国家「レスカティエ」となっていて、クイーンローパーであるフランツィスカ・ミステル・レスカティエが治める国だ。
私は今、魔界からこの国の王国騎士団試験に来ている。
本来、魔界となった国や土地には人間は変人、または変態の類でもない限りは近寄らないし踏み込まない。
しかし、この国は別格だ。なぜなら宗教国家の中では2番目に大きな勢力を持つ国であったこのレスカティエ。教団にとっては大きな戦力であり、また重要な戦略拠点だったのだ。
しかし、今となってはかつての忌々しい光溢れる勇者の国ではなく、美しい魔界の光や瘴気に満ち溢れている、間違いなく人間界一の魔界国家である。
そのように、詰まるところ「教団の大きな汚点」になるこの国を奪還、もしくは殲滅しようとしてもおかしくはない。なので、この国には国直属の騎士団が置かれることになっている。

さて、前置きが長くなってしまったがなぜ私がこの国の騎士団に入ろうとしているのか。
それは、自らを高める理由と共に、母への憧れもあった。
私は母と同じ【デュラハン】だ。母もレスカティエ直属の騎士団であり、騎士団一の騎士だった。私はそんな母に憧れてこのレスカティエに来た。
・・・もう一つ、あまり重要ではないが理由がある。それは、なぜ母が打ち倒した男性と結婚をしたのか、であった。
確かに、打ち負かした男性は勝った者が所有権・・・つまり、自由にしても言いという権利を持つ。
しかし、私は『自分よりも弱い相手と結婚しなければならないのか。』という疑問が残る。
なので、私はその疑問を解決するべく、母と同じ舞台に立とうと思ったのだ。
「・・・よし。行こう。」
私は気持ちを改めて引き締めてレスカティエの城下町に入っていった。




−−−−−−レスカティエ教国。
私が知る限りでは、世界第二位の宗教国家。
しかし、最近になってとある淫魔に陥落させられ、魔界へと変貌した国家だ。
人間の私にとっては恐ろしい話に聞こえた。なぜなら私は幼い頃から多くの書物を読み、世界について勉強してきたからだ。
私は将来、魔物研究学者になりたかった。おじいさんの話や学んで得た知識を役に立てたかったのだ。
おじいさんからも魔物の恐ろしさについて、多くの話を聞いてきた。
軟体生物、凶暴な大熊、巨大な毒蜂、恐ろしい植物、巨大なイカ、空を飛ぶ鳥獣、そして、強大な火竜。どれも恐ろしい力を持っていた。
しかし、私はある時興味本位で今の魔物について聞いてみた。すると、今までの考え方を覆すような驚きの言葉が返ってきたのだ。

『魔物娘は、今までの魔物と違って優しい子がたくさんいたのう。何よりも、人間を愛し、共に歩む考え方を持っているのじゃよ。』

初めて聞いた、おじいさんの魔物への考え方。私はそれが信じられなかった。
いや、それは書物の中でしか見たことも聞いたこともないような世界を中心に考えていたからだった。私はその魔物娘にとても興味を持った。

『ではおじいさん。魔物娘と仲良くするにはどうすればいいですか?』
私は好奇心を抑えられずに聞いた。おじいさんはこう答えた。

『レスカティエに行ってみなさい。そこで王国騎士団の採用試験がある。騎士団には魔物娘やインキュバスが多く居て、そこでさまざまな話を聞けるじゃろう。』

その話を聞いて、私は好奇心に負けて学者にはならずに騎士を目指すことにした。

そして私は今、レスカティエ城下町の門の前に来ている。
「・・・すごい瘴気ですね。」
魔界になって、はじめて来たレスカティエ。とてつもなく濃い瘴気だ。サキュバスの魔力が辺り一面に充満している。人間がこんな所にきて大丈夫なのか、と不安になったが身体に異常はない。
「とりあえず、中央広場に行ってみましょう。」
まずは情報収集をして、入団試験について調べてみよう。そう思った。





−−−−−−死ぬかと思った。
いや、相手には殺す意思はない。むしろ、あれは劣情だろう。しかし、そこかしこに魔物娘が居る。そして手段を問わずに誘惑、襲ってくる。
私は全力で逃げてきた。
「・・・いや、嫌いなわけではないのですが・・・。」
やはり、そういった行為をする場合は互いに愛し合った者同士が一番いいと思っている。なので、私は道行く魔物娘の襲撃(?)には全て逃げてきた。
「・・・とりあえず・・・急いでレスカティエ城の兵士の詰め所に行きましょう・・・。」
中央の掲示板によると、そこで入団説明があるらしい。私はそこに向かって歩き出した。
・・・身を隠しながら。





−−−−−−「・・・結構ほかの魔物やインキュバスが居るのね・・・。」
私は兵士の詰め所にやってきていた。
あれから街に入って中央広場で情報を集めたところ、兵士の詰め所で説明があると聞いたので、詰め所
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