穏やかな日差し 暖かい春風が吹く ここ現代の明緑魔界都市
そこに一人のホルスタウロスがいた
新品の制服に身を包み 新品の鞄を嬉しそうに振り回しながら 楽しそうに歩く女の子
新入生だろう 期待と希望を その大きな胸に秘め 瞳は輝いている_____
こんにちは〜! 私 乳田 ももこって言いま〜すっ!今年から魔立淫乱女子学園に通う女子校生〜!
これから〜お勉強に部活に…それから…それから……恋
#9829;
みんな みーんな頑張って 楽しい学園生活を送るんだ〜るんるるーん
#9835;
「ももちゃん バイバーイ また明日ー」
「バイバーイ」
校門の前でインプの友達のカナ子ちゃんと別れる
学校生活も はや一ヶ月 段々と生活にも慣れてきた
勉強はちょっとむずかしいけれど〜友達も出来たので今 とても楽しいです〜部活はまだ決めれてないけれど焦
一人トコトコと家路に着く 今日は学校がお昼までの日、 一旦家に帰ってご飯を食べてから 街に遊びに行くんだぁ〜!
「るっるる〜ん
#9835; るっるる〜ん
#9835;」
いつも通りの帰り道を鼻歌混じりに 尻尾と胸を揺らしながら ご機嫌で歩く
その途中
「あれ?」
後ろ向きに歩いてバックすると
「こんな道あったかなぁ?」
いつも通りの帰り道の傍に ふと見慣れない路地が通っていた
「う〜ん 気づかなかっただけかなぁ? う〜ん う〜ん」
尻尾をブンブン振り回しながら考え中
「一体どこに通じているんだろう? よぉし たんけんだぁ!」
ももこは 機嫌良く その路地に足を踏み入れる
…しかし ももこは知らなかった そこは二度と戻れない道だと言うことを…
「わぁ〜 ここってこんなになってたんだぁ
#9835;」
路地を通っていくと、どことなく懐かしい 昭和の匂いがする昔の日本家屋が並んでいた
「ふわぁ〜 すごいすごい
#9835;」
木でできた塀と塀に挟まれた狭い道を進んで行く
途中 ブランコと滑り台のある小さな公園やタイムスリップしてきたかのような古ぼけた駄菓子屋さん など
目に映るもの全てが 好奇心旺盛なももこにとって宝物の様に映っていた
「わぁい ずっとこの街に住んでるけど こんな場所があったってはじめて知っちゃった! 楽しいなぁ ルンルン
#9835; …あれ?」
ももこは立ち止まった ももこの目の前には 今まで見てきた中でも とても大きな木造の日本家屋
築何十年だろう ボロボロだが広さは他と段違いにあり 大きな庭までついている
「ふえぇ 大きなおうち〜」
ももこはマジマジとその家を眺めていた
そしてその塀に一つ穴が空いているのを発見した
「あぁ〜覗き穴だ〜」
穴が空いていたら覗いてしまうのが人の性 それはももこもおなじだった
「う〜んどうしよぅ 気になるけど〜 覗いちゃったら “ぷらいばしー”を侵害しゃうんだよなぁ」
腕を組み 頭を捻りながら悩むももこ
「う〜ん ちょっちょっとだけなら〜」
そして、欲望に負けももこは 覗き穴を覗いてしまった…
「わぁ 広いお庭〜」
覗き穴からは 一本の木が生えている大きな庭
「いったいどんな人が住んでるのだろ〜?」
すると
「あっ 誰か来た! えっ?あの人は…?」
庭の奥から二人の人物が現れた
一人は透き通る様な白い肌に 赤い目プラチナの様に繊細に輝くロングの髪 そして ももこと同じ学校の制服に三年の証の青いリボンをつけていた
「天上院先輩…?」
天上院沙輝、ヴァンパイアで淫乱学園の3年生で生徒会長である 容姿端麗成績優秀でありながら ヴァンパイア特有のプライドからくる傲慢さもなく誰にでも優しくみんなに慕われている
ももこも沙輝に憧れ 沙輝の様になりたいと思っている
もっとも夜の月の様な沙輝の美しさと 昼の太陽の様なももこの可憐さもどちらも また別の魅力があると思うのだが
「なんで天上院先輩がこんな所に… そしてあのおじさんは誰なんだろう…?」
沙輝の隣には一人の男がいた ランニングシャツに短パン 背は沙輝よりも低く 太っていて腹は醜く出ている、頭はバーコードの様に禿げ上がり 全体的に脂ぎっている 中年
ただ目だけは鋭かった
「ん〜 親戚のおじさんなのかなぁ? 」
ももこの呑気な考えをよそに
沙輝は俯きながら 男の後をついていった
日傘もなく太陽の光を浴び続ける
夜の貴族であるヴァンパイアは月に映える美しさをもっている
春の日差しの中にいる沙輝は どこか不釣り合いで 日の光に晒された白い肌はどことなく頼りなさげに感じる
そうして 2人は庭の中央までくると立ち止まった
向き合う二人 だが沙輝はいまだ俯いたまま
(あれ? もしかして先輩とお
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