とある親魔物領の軍の訓練場に大勢の魔物娘達が集まっていた
皆、キレイに整列して真剣な眼差しで壇上にいる誰かの話を聞いている
いつもエロエロで、どちらかと言えば個人主義が多い魔物娘達が真面目に話を聞く
とても珍しいことだ
そして、それをさせている壇上に登っている“誰か”
それは、一切の露出のない重厚な漆黒の鎧で身を固めた女騎士 デュラハン
名をファントムといった
「いいか! 先日、偵察隊が、隣の反魔物領の教団がこの街に攻め込むと言う情報を掴んだ! 」
その言葉にざわめく魔物娘たち
「今まで、我が軍は何度もあの街を堕とそうとしたが、強固な守りに阻まれ断念せざるをえなかった 今まで守りに徹してきた教団が急に攻め込むときた! これは何かあるはず! 全員 注意してこの街の警備にあたれ! 以上、今日の朝礼を終了する!」
そう言ってファントムは訓練場を後にした
「ねぇねぇ将軍行った?」
「行った
#9833;行った
#9833;」
「ほんとに行った?」
「行ったってば!」
「………………………………………」
「「「「「「イェーーーーーーーーーーーイ!」」」」」」
「男!男の子に会えるよぉ!!!」
「思えば長い道のりであった… 旦那がすぐ見つかると気軽に入った軍隊 なのに相手は全く表に出てこず 毎日毎日将軍の厳しい訓練… 無駄に強くなってしまった…」
「ふひひ、どんな服着てこうかなぁ? すぐに欲情してもらえるように とっておきのアブナイ水着を着て行こう」
「馬鹿め、男は清純派が好きなの、この様なフワフワの綺麗なのが良いの!ビッチなんて相手されないの!」
「あぁ? 清純派(笑)のくせに」
「なにをぉ!?」
「旦那GETしたらぁ
#9829; 尻尾でぇ
#9829;いっぱい絞りとってぇ
#9829; 恐怖と快感で困惑する顔を見てぇ
#9829; 体が彼色に染まったらぁ
#9829;
あげるの処女
#9829;」
魔物娘達が 思い思いに素敵な未来を想像する一方
「ふんっ!教団め!何を考えているか わからないが絶対にこの街、シャルロッテ様には指一本触れさせんぞ!」
私は悩んでいた 守ってばかりいた教団が一転 謎の攻めの姿勢
なんだ?一体なにがあると言うのだ! やつらが攻めに転じさせる なにか これがわかれば…
「ファントムちゃん
#9833;」
背後から声がかかる 振り返ると美しき白い悪魔 私が使えるべき主
魔界の王女 リリムのシャルロッテ様が立っていた
「シャルロッテ様」
私は膝をつき 頭を下げる
「もう!ファントムちゃん やめてよ! 幼馴染じゃない!」
臣下の礼をとる私にシャルロッテ様は頬を膨らませて怒った
しかし、
「申し訳ありません 私はシャルロッテ様の一臣下として、この命を捧げると決めました故」
「もう、昔から頭が固いの治らないわねぇ それでファントムちゃん… 教団が攻めてくるのよねぇ… どうしたらいいのかしら… 大丈夫かな?…」
シャルロッテ様が不安な顔をしている 私は不安を吹き飛ばすように キッパリと言った
「大!大!大丈夫でございます! シャルロッテ様にも街にも教団の輩には指一本触れさせません!」
シャルロッテ様の手を取り
「ご安心下さい! 」
「うん、でも無茶しちゃだめよ 」
そうしてシャルロッテ様の顔にパァッと笑顔の花が咲き、尻尾をくねくねと振りながら廊下をスキップしていった
人間、魔物にも向き不向きがある
シャルロッテ様は心お優しいお方だ 人の心の機微に細かに感じ取り支えになれる
そこからみんなに慕われ纏められる そこ辺りのカリスマはやはりリリム様と言うべきか
現に領主の仕事はとても上手くやれている
しかし、こと戦闘と言うにおいては向いていないと言えよう
小さい頃からホント泣き虫だったし…
そんな 優しくて可愛くてエッチな事に興味津々なシャルロッテ様を教団の手で泣き顔などにさせるものか!
…何があろうと守りきってみせるっ!
その夜
シャルロッテ軍は教団軍を迎え撃つ為に親魔と反魔の間にある森に陣を張っていた
空にはぽっかりと大きな月が輝いていた
「今夜は満月か…流石に夜襲はないだろうが 油断は禁物だな……」
森の中の闇を睨む 、奴らは今もそこに潜み、我が主の命を狙っているやもしれぬ
しかし、絶対にそれはさせない 私の命にかえても
ファントムの周りに暗黒闘気がジワジワと溢れてくる
そんな時に森の静寂を断ち切る叫び声が聞こえた!
「ファントム将軍っ! ファントム将軍っ! たったいへんですっ!」
キチッと軍服に帽子を被り眼帯をつけた副官ゴブリンが慌てながら走ってきた
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