はぁ ひとりぼっちでつまんないなぁ 誰かいないかなぁ
ガサッガサガサ
ねぇ誰かいるの?
ガサガサ
ねぇ僕と一緒にサンドイッチ食べない?!
―
――
―――
森の中を青年が歩いていました
年は24、5くらいで、旅人らしくマントを羽織り、手には杖が握られていた
勇者でもなければ魔法使いでもない一見普通の青年 しかし彼には主神ですらわからない、不思議な力をもっていました
「さぁて、みんなそろそろ休憩にしようか」
青年が振り返ったその先には
『ブモォー!』
『キィキィ』
『ピキィー!』
『ワカリマシタゼ、主人』
ミノタウロス、ワーバット、スライム、ゲイザー等、何種類もの不気味なモンスター達が後ろを歩いていました
旧魔王時代そんな光景を見れば、普通の人間ならば恐怖で逃げ出そうとするか諦めるか、勇者であれば即殲滅しようとするでしょう
しかし、彼は違いました
「は〜いみんなご飯だよぉ
#9829; 」
彼は朝早く起きて作ったサンドイッチを魔物たちに配っていきました
『ピキィーピキィー
#9829; 』
『ブモォーォォン
#9829; 』
『キィーキィ
#9829; 』
『今日モ、イイ味ツケシテマスゼ!主人!♪』
喜ぶ魔物達の顔をホクホク顔で嬉しそうに眺める青年
「やっぱりみんなで仲良くご飯を食べてる時は一番幸せだねぇ」
青年にはある力を持っていました
それは幼い頃から魔物の言葉がわかり、心を通わせることができたのです
なぜ彼にそんな力があるのかわかりません
そして、青年はこう思うのでした
「お互い殺し、殺される、こんな悲しいのはもうごめんだ!人間と魔物が仲良く暮らせるようになるように、その為僕は生まれてきたんだ!!」
青年は志を一緒にしてくれる仲間を探し色んな場所を旅をして今、魔王と話をする為に魔王城目指して王魔界まであと一歩手前という所まで来ました
「うーん、美味しいサンドイッチを知ったらきっと魔王も争いなんてしないとおもうんだよねぇ」
ゲイザー
『主人、サスガニソレハネェッテ…今ノ魔王ハ人間ヲ滅ボスコトシカ考エテネェ昔ノ俺モソウダッタシ』
「じゃあ大丈夫じゃないか♪君は今ここにいてくれてる」
ゲイザー
『ウグッ!イヤ、イツカ主人ノ甘サガ命取リニナルンジャナイカッテ心配デ…』
「きゃーーーーー!!!」
その時、遠くで女の人の悲鳴が聞こえました
「今のは!急がないと!!!」
青年は風のように声のする方へ走って行きました
ゲイザー
『アッ!主人、待ッテ!一人ジャ危ナイ!ッテ速ェェエ!!オイ、オマエラ!イツマデ食ッテンダ!追ウゾ!』
『『『グオォォン!』』』
青年の後を追い魔物たちもまた走り去っていきました
森の奥で若い女の人が魔物に襲われていました
背は人間より低く頭から角を生やし醜い顔をしたゴブリンが二匹 さらに体格がよく角が大きいホブゴブリンが女の人を囲んでいました
『ゴブッ!ゴブゴブ!人間ダァ殺セ、人間喰ウ!』
ホブゴブリン達は、ジリジリと女の人に近づいていきます
「ひっ!ひぃ!だ、誰かぁーー!!」
女の人が悲鳴を上げたその時!青年が風のような速さでホブゴブリン達の前に立ちふさがります
そして、
「君達!やめるんだ、お腹が空いてるなら、ほらサンドイッチをお食べ!」
と、力強く優しくホブゴブリン達にサンドイッチを差し出します
ホブゴブリン達は目を点にした後、しばらくして立ち直り
『ゴブゴブ!ナニ訳ノワカラネェコト言ッテヤガル、ヘヘッ餌ガ増エヤガッタ♪ラッキー♪ゲゲゲ!』
ホブゴブリンは青年に襲いかかろうと近づきます
「しょうがない、言ってわからないなら…」
『ゴブゥ?親分、俺コイツノ言ッテル言葉ワカルンダケド?ソレニコイツモ俺達ノ言ッテルコトガ…』
手下のゴブリンが言い終わる前に
ガン! ゴン! バキッ!
青年は杖でホブゴブリン達の頭を叩きノックアウトしてしまいました
『ゴブゥ…』
恐怖で震えていた女の人は青年の手を取り涙を浮かべながらお礼をいいます
「ありがとう!本当にありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか!」
「いっいえっ! とっ当然の事をしたたまでですよ、えっと人間と魔物の―」
『ゴ、ゴブゥ…』
気絶していたゴブリンの一匹がうめき声を上げました
「!!あっ!モンスターがまだ生きてますよ!早くっ!早く殺さないと!穢らわしい!」
女の人はヒステリックに喚きます
「い、いや、あのですねっ!魔物相手でも命を奪うのは…あのっ!人間と魔物いつか仲良く暮らせるようになりますからっ!あ、あのっえぇと」
青年はしどろもどろ女の人をな
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