『本日、体調不良により休講です』
講師からのシンプルな文面のメールがスマホに届いていたのに気づかず、大学の校門まで来てしまった俺は
「ふぅ……」
と嘆息して天を仰いだ。
見上げた空は、見事に曇天。
まるで今の俺の心境を表しているかの様な、モワモワとした雲が太陽を覆い隠していた。
「マジかぁ……」
足代と時間を無駄にした徒労感に打ちひしがれている俺の顔に、追い討ちをかけるかの如くポツリと当たる水滴の感触。
雨が、降ってきたのだ。
おいおい、俺傘持ってねーよ?
朝寝坊して講義に遅刻すると思って慌てて出てきたから、天気予報とか見てる余裕なかったし、ほんとツイてねーな……
などとぼんやりしてるうちにも、ポツポツと顔に当たる水滴の数が増えてくる。
おっと!
今は雨宿りする場所探すのが先か。
何となく大学の構内に行くのは恥ずかしいな……
いや、何つーか休講なのに間違えて来た、って誰も分かんねーだろうけどさ、俺の気持ちの問題ってヤツ?
という訳で校門に背を向けて、周囲を見回す。
どこか時間潰せそうな場所、無いかな?
漫喫とかネカフェとか。
ん……?
視界の隅に、気になる店が映った。
『ミルクカフェ ほるほる♪』
デカデカと丸文字が書かれた看板にデフォルメされた乳牛? と思しきキャラが『キミもこのミルクにモー夢中
#10084;
#65039;』と吹き出しつきで喋っている。
こんなところに、カフェなんてあったっけ……?
建物も看板もそれなりに年季入ってる様に見えるし、俺が見落としてただけかな?
しかし、この店……
“何か”を感じる。
何つーの?
『入れ入れ、この店に入れ!
でなきゃ後悔するぞ!
良いのか?
今入らないで、いつ入るんだ、もう知らんぞどうなっても!』
みたいな?
義務感と焦燥感が入り混じったような不思議な感情。
不意に湧き上がった正体不明の感情に戸惑っていると、いよいよ雨が本降りになってきた。
いけね!
思い悩んでる暇なんて無い。
今はとりあえず雨を凌がねば!
そんな訳で俺はそのカフェに駆け足で向かった。
◇
カラン、カランッ!
カフェの扉を開けるとベルの音と共に
「いらっしゃいませーっ♪
ミルクカフェほるほるにようこそーっ
#10084;
#65039;」
ばるん、ばるんっ
#10084;
#65039;
ぽよん、ぽよんっ
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
たぷっ、たぷぷっ……
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
柔らかそうな膨らみと、甘ったるい声。
激しく弾む美しい曲線と、元気で明るい表情。
あまりにも大きすぎる双丘と、深すぎる谷間と、オーソドックスな白黒ウェイトレス制服の胸元のフリルから溢れ落ちそうになる魅惑の肉感。
ごちゃごちゃとして、要領を得ない所感が続いたが、まぁ分かりやすく言うと。
すっっっっごい、おっぱい大きいウェイトレスさんが俺を出迎えてくれた。
すっげ……
何これ?
こんな大きいおっぱい、見たことない。
これって現実?
「お客様?」
甘い声に現実に引き戻される。
……っ!
いかんいかん!
おっぱいに見惚れてた俺は視線を上げてウェイトレスさんの顔を見る。
その顔をはっきり見た瞬間、ドキリと。
胸が高鳴った。
長いまつ毛、くりくりとした緑色のひとみ、やや吊り目気味になってる目尻、高い鼻と美しい鼻筋、濡れてて艶のある唇……
青みがかったグレーに紺色に近いメッシュが入った髪。
髪型はロングのポニーテール。
牛娘のコスプレかな?
こめかみくらいにつけたツノともふもふのイヤーマフ? みたいなのも似合いすぎてる。
きょとんとした表情で俺をじっと見るその瞳から目が逸らせない。
めっっっっちゃ、好みだ、この娘……!
信じられないくらい、俺の理想にぴったり!
彼女と視線を絡み合わせてると、心臓の音がバクバクとうるさいし、身体中が熱くなってきて汗がじんわり出てくる。
特に顔、やばい。
多分、いや間違いなく今の俺の顔、真っ赤っか。
あと!
ほんとにやばいのは、やっぱり……
おちんちんっ!!!
もう、カチンコチンになってる!
これ、絶対バレたらダメなやつだ……
この娘に嫌われたくない、変態だと思われたくない、というか下手したら警察沙汰じゃん、嫌だよそんなのっ……!
「あっ、ううっ……!
あの、そのっ……」
俺は前屈みになり上目遣いでウェイトレスさんを見上げながら、持っていた手提げ鞄で下腹部を隠す。
しどろもどろになってる俺をじっと見下ろしていた彼女は不意に目を細めて
「……かわいいっ
#10084;
#65039;」
と呟き、ペロリと舌舐めずりしたのだ。
……っ!!!
なんだコレ
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