後輩デビルちゃんに逆レされたい!

勉強、勉強、勉強……
寝ても覚めてもひたすら勉強。
それが僕、細川 汰一(ほそかわ たいち)の日常だった。
皆が話題の漫画やアニメで盛り上がっている中、僕に与えられたのは参考書と問題集だった。
皆がスマホやゲームに夢中になっている中、僕に与えられたのは電子辞書と電子メモパッドだった。
皆がカラオケやゲームセンターで遊んでいる中、僕は高名な大学教授が主催する講演会に参加していた。
その事に不満や疑問を感じた事は無かった。
だって僕にはそれしか無かったから。
育ててくれた両親の期待に応える。
それが僕の全てだった。
……彼女と出会うまでは。
彼女は僕に色々な事を教えてくれた。
愛し合う喜びと幸福、……そしてめくるめく欲望と快楽。
そんなモノ知らなかったんだ、僕は。
しかしながら、僕を壊し救ってくれたその娘は人では無かった。
彼女はそう、
 ーーーーーー悪魔だ。



昼休み、食事を手早く済ませて図書室で参考書と問題集に向き合う。
無駄に出来る時間なんて1秒だって無い。
少しでも知識を詰め込まないと……
集中して勉強していると、隣の席に誰かが腰を降ろした。
他に空いてる席なんて幾らでも有るだろうに、一体誰だろう?
怪訝に思って顔を上げると、そこには小柄な女生徒が座っていた。
目が合った瞬間、心臓が跳ねる。
大きな目につぶらな瞳、髪型は左右で束ねた髪を肩まで垂らしている。確かツインテールだかツーテールだか、そんな名前の髪型だ。
整った目鼻立ちに、ふっくらと柔らかそうな唇。
幼い顔つきだが、どこか退廃的で妖艶な魅力を放っている。
体格は非常に小柄で中学生……いや小学生と言われても信じてしまうかも知れない。黒いニーソックスを履いており、短いスカートとの合間に見える太ももの存在を強調している。
彼女は紙パックのイチゴミルクのジュースを手にして、ストローを咥えながらこちらを見ていた。
何が可笑しいのか、口元にうっすら笑みを浮かべて脚をブラブラと動かしている。

「こんにちは、センパイ。随分熱心に勉強してるんですね?」

彼女はストローから口を離して、幼く甘ったるい声で僕に向けて話しかけて来た。

「うっ……あぁ……えっ、ええっと……」

狼狽えて、しどろもどろになってしまう僕。
ああ、まただ……
僕のこれまでの人生には勉強しか無かった。
だから他人と上手くコミュニケーションが取れない。
何を話して良いのかも分からないし、話すタイミングも分からない。
頭の中が真っ白になって、体は緊張で全く動かなくなってしまう。
何か話さなきゃ、と思えば思うほど口から出るのは呻き声や接続詞ばかり。
……これまでも僕に話しかけてくれる人は居たが、こんな調子の僕に親しくしてくれる人は居なかった。
大抵の人は、そんな僕に呆れて立ち去ってしまう。
中には、「ハッキリ話せよ!」と言って怒り出す人も居た。
今回もそうなるだろうな……そんな風に考えていたのだが、彼女の反応は僕の想像とは大きく違った。

彼女は……笑った。
声を上げて笑った訳では無い。
ただ笑顔を浮かべただけ。
その顔を見た瞬間、僕の背筋に何かゾクゾクした物が走った。
口角を吊り上げ、目元を緩ませたその表情はとても蠱惑的だった。
彼女はおもむろに椅子から降り、僕のすぐそばに立つと身体を寄せて来た。

「センパイ、口ベタなんだね? 可愛い……
#9829;」

チュッと言う音と共に、耳に湿った感触。

「ひあっ……!」

思わず変な声が出てしまう。

「耳キスで感じちゃった?
くふふ……センパイマジ可愛いね
#9829;
直接触ったらどんな声出してくれるのかナ〜?」

彼女はいやらしい手つきで、僕の身体を撫で回し始める。
脇腹や太もも、お尻を彼女の小さな手が這い回る。

「あっ……ひぃっ……!止めっ……!」

「くふふ……センパイあんまり大きな声出しちゃうと周りの人に気づかれちゃうよ?
声、しっかり我慢しててね♪」

そう言われてハッとする。慌てて周りを見渡す。
……良かった。とりあえず僕達の様子に気付いた生徒は居ないみたいだ。
いや……良くない! 何で僕が我慢するみたいな流れになってるんだ?
僕が言い返そうとすると

「はむっ
#9829;」「むぐぅっ
#8265;」

彼女に耳を甘噛みされると同時に、右手で口を塞がれる。

「ちゅるるっ、れろぉっ……」

彼女の舌が耳の中に入ってきて、丹念に舐め回される。
僕は生まれて初めての異性との性的な接触に、振り回される事しか出来なかった。

「センパイ……ちょっと遅れちゃいましたけどぉ、自己紹介させてもらいますねぇ、んちゅうぅっ
#9829;」

彼女は最後に耳たぶに強く吸い付くと、僕から離れて自己紹介を始める。

「私、一之瀬 優映(いちのせ ゆえ)って言います。学
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