くすぐりなんかにぜったいにまけない!

「……」

「……」

「何か言うことはあるかい?」

「ぁ……ぅ……」

私は今床に正座させられていた。木の板は冷え切っていて、どんどん私の体温を奪ってゆく。

「今回ばかりは、見過ごせないな……わかっているよね?」

「はぅ……」

仁王立ちするコイツが、いつもよりでっかく、怖く見える、でも負けないもん!

「な、な、なによ、本の一冊や二冊……」

「ん?」

「ごめんなさい」

言ノ葉で抵抗を試みたが、コイツが睨みを強くするもんだからそれもできない、うぅー

「……あのね?エアー……コーヒーを本にこぼしちゃって、本がダメになったのはまぁ仕方がない。夜更かししたせいでそんなことになったのも大目に見よう。でもそれを隠そうとしたことは、許せないな」

「うく、ううぅぅぅ……」

悔しいがコイツの言うとおりだ。私はコイツに嫌われるのが……間違えた、怒られるのが怖くて、コーヒーまみれの本を暖炉の中に放り込んで燃やしたのだ。まぁ片隅に残った焦げた紙片で結局ばれちゃったんだけど

「それでも、今謝れば許す気でいた、それもできないんじゃあ仕方がない」

すると突然コイツは傍から縄を取り出した

「椅子に座りなさいエアー。オシオキだ」

「え、え……?」



「……何をするつもりなの」

私はコイツにされるがままにされ、椅子に手首と足首を、緩くではあるが縛り付けられてしまった。奇妙な縛り方のせいで縄抜けもできそうにない。

「オシオキするっていっただろ?オシオキは……これだ」

するとそいつは、普段は閉じっぱなしの金庫の中から奇妙なガラス瓶を取り出した。
なにやら青色のもので満たされている。

「これはちょっときついかもしれないけど、まぁ自業自得だからね」

コルクのような蓋が抜かれると、その瓶を私の方へと向けて……

「きゃあん!?」

なんとそれをかけてきた!肩口から体全体に満遍なくかけられた青い液体は、ぬめぬめとした感触ですごく気持ち悪い!

「な、なにこれ!?」

「よし、この液体なら風邪もひかないね……じゃあエアー、3時間くらい出かけてくるから、帰ってきたらまた君に謝罪の言葉を求めるよ」

「ばかー!こんなことされて謝るもんかー!チビー!野獣の目ー!」

「じゃあ、いってくるよ」

そう言うとアイツ、本当にどこかに行ってしまった。残されたのは、椅子に固定され、生暖かい滑る液体に覆われた私……

「ううー、なにがオシオキよー……」

もうこうなったら意地だ!絶対に謝ってやるもんか!オシオキなんかに絶対に負けない!


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「はひゃ……はひゃ……」

それから30分ほど経ったころ、わたしはもう息も絶え絶えだった……

「んくっ……くひゃ……」

わたしのからだにかかったえきは一向にかわかず、それどころか少しずつりょうをましているようにすら思える。

「あふっ……んふふ……ひゃあ、はひゃあんっ!」

しかもそのえきは、ぬるぬるとわたしのからだをずっとはいまわってなでてくるのだ。アイツの手とは違うかんしょくがからだじゅうをつつみこんで、おへそをくびすじを、わきばらを、ひざを、あしのうらをヌチュヌチュと優しく、いやらしく擦ってくるのだ。

はっきり言うと、すごくくすぐったい。

「くあんっ!?はひゃひゃ!それらめ!やめへぇ!!」

がた、がた、と椅子が揺れるほど暴れてもじょーきょーは良くならない……
そんなことをしてるうちに、えきはみょうなうごきをはじめた。ただ肌を這い回っていただけのはずが、揉むようにむにゅむにゅと動き始めたのだ

「くっ!?く、くうぅぅぅん……!くひゃっ!やらぁ!やらやらやらぁぁぁ!!んひゃああああああーー!!」

おなかをやさしくつつみこまれて、もみもみとほぐされる。
わきのくぼみをほじる様に強くひっかいてくる。
おしりをいやらしくナデナデしてくる。
あしのうらをグリグリとらんぼうに弄ってくる。
うなじを削り取るようにザリザリとなめてくる。

「ふぁっ!やらよぉ!がまんできっ……ないいぃん……!」

歯をくいしばってものどからせり上がってくる声を抑えることができない。
心地よさとくすぐったさの混じった感覚にだんだんと抵抗心が削られてゆく。

「ああ、ふぁ、ふあぁぁぁぁぁぁ……は、はやくかえってきてよぉぉぉ……」

もはやわたしはそのえきたいに身をまかせて、あいつが帰ってくるのを待つことしかできなかった……



数日後

「……」

「……エアー、なんだか最近、叱られることが増えてる、とか思わないかい?」

「ア、アンタが短
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