第十章 蒼い炎に浸って:竜泉窟

―1―

 番いの儀を終えてから四年。ぼくたちの周りも色々と変わった。
 何から話したらいいかな。うーん、とりあえず、クイーンスライムのリゼラさんから。
 リゼラさんはぼくたちが番いの儀を行って数か月の後に、番いの儀を行った。ぼくももちろん参加して祝わせてもらったよ。
 クイーンスライムさんだからかドラゴニア城がリゼラさんの妹? 姉? お母さん? でいっぱいになって大変だったけど無事、リゼラさんたちが見染めた男の人と永遠の愛を誓い合った。
 ぎゅーぎゅーで皆スライムさんに溺れそうになったけどね、ふふ。
「いまになってわかったが、我らが夫を襲うことを決められたのは呈の魔力のおかげだろうな。感謝するぞ、呈」
 あのときは全然龍の魔力は持っていなかったけど、リゼラさんはぼくの魔力が夫さんにアタックするきっかけを作ってくれたと思ってるみたい。本当のところどうかわからないけど、そうだったら嬉しいな。
 モエニアさんは番いの儀以降色々と大変だったみたいだよ。ドラグリンデ城の自室に一週間以上も引きこもっちゃったみたい。天の柱を思い切り壊したこと、ぼくたちに容赦なく襲い掛かったこと、それがドラゴニア中に放送されたこと、そして、最後にあんな醜態(本人曰く)を晒してしまったことで部屋から出られなくなったみたい。
 ぼく的には最後のあの可愛らしいモエニアさんで許されたと思うけどなぁ。
 そして引きこもりから脱したモエニアさんにぼくたちが会いに行ったら、思い切り逃げられた。追いかけまくった。隠れられてしまったので夫のランパートさんに頼んでみたら一発で見つけてもらった。さすが夫さんです。
 モエニアさん曰く、ぼくたちの番いの儀にも参列できずに行為に浸っていたことがとてもショックで合わせる顔がなかったんだって。あれはしょうがないと思うけどな。
 一応、ぼくの手元にあのときの番いの儀の記録映像がある。だからせめて見せてあげようと思ったのだけど。
「くぅ! 生で呈とスワローのちゅーが見れるはずだったのに! 私としたことがっ!!」
 悔しそうに泣くモエニアさんの言葉にぼくは冷笑を浮かべて、記録映像は心の内側で握りつぶすことにしたよ。まぁ何年かしたら見せてあげないこともない。
 まぁ、それ以来、モエニアさんとは頻繁に会っている。ドラゲイ時代から生きているモエニアさん。竜と人の両側面からドラゲイとドラゴニアを知っているのが彼女なので、ぼくたちは時間があるときはモエニアさんにドラゴニアの深い場所まで案内してもらった。
 気高いモエニアさんも気弱なモエニアさんも、なんだかんだ面倒見が良いのだとそのときに再確認できた。
 いつかお二人の子供が見たいな、と言うと顔を真っ赤にして怒られた。やっぱり可愛い。
 それからモエニアさんに紹介されてぼくたちはドラグリンデ様ともお会いした。デオノーラ様の妹様という噂は本当みたいで、デオノーラ様にそっくり。でもモエニアさんに聞いていたよりもずっと気さくで、お話しやすい方だった。
 夫のユリウス様も圧政を敷いていたなんて信じられないくらい優しいお方だった。きっとこっちが本当のユリウス様なのだろう。身分とは良くも悪くもその個の在り方をおかしくしてしまうものだと思う。ぼくとスワローがそうだったように。
 そして、ドラグリンデ様からはあの可愛らしいデフォルメ竜の絵を頂いた! やった! これは一生の宝物にしないと!
 ふふふ、この子に見られながらのセックスも悪くないかもしれない。スワローがすごく嫌そうな顔をしていたけれどきっと気のせい気のせい。
 そして、メッダーさん。
 ブーケを受け取ってくれたメッダーさんだったけど、残念ながら番いの儀をすぐに行えるような相手を見つけることは叶わなかった。
 すぐには、だけどね。うん。あの日から四年経ったいま、メッダーさんはついにお相手を見つけることができていた。その相手というのが実は……。ふふ、これはスワローから話してもらおうかな。
 その彼とメッダーさんはもうすぐ番いの儀を執り行うことが決まっている。四年に一度の天の柱の大規模修繕、その直後の第一号番いの儀がメッダーさんの式だ。
 その緋色の鱗よりも紅く顔を染めて、うっとりと夫となる男性に寄りかかるメッダーさんは、とても可愛らしかった。ぼくらに見られていることに気づいてすごく慌ててたけどそこがまたね、可愛いんだ。
 その男性もメッダーさんみたいに酒豪で、飲み比べの席で知り合い、酔った勢いのままベッドに同伴したらしい。
 そして、目が覚めた直後、ベッドの上で正座した男性から「責任を取らせて欲しい。自分と結婚してくれ」と突然プロポーズされたとか。
 寝ぼけ眼だったメッダーさんは一瞬で目が覚めて、同じように正座(?)になって「不束者ですが」と答えたんだって。
 そ
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