それは仕事帰りのこと。いつものように、ユウくんとお喋りしながら帰り、ユウくんをマンションへ送り届ける。そこで簡単なご飯を作ってあげて、私が家に帰ろうと夜道を歩いているとき、道の真ん中にそいつはいた。
闇に浮かぶ、白の存在。
全てを塗り潰すかのような、圧倒的な存在感。
呼吸するのも忘れてしまいそうな、畏怖すらしてしまいかねない、至高の存在。
宵闇を切り裂く真っ白な長い髪。
艶かしく捻れて突き出た黒き角。
舐めたい衝動を駆らせる尖った耳。
全てを射抜く妖しき赤い瞳。
吸血鬼を思わせる髪と同じ色の翼。
先がハート型の艶やかな光沢を放つ尻尾。
胸元と股間が露になった淫靡な服。
コスプレ?
いや違う。
こいつは、コスプレなんかじゃない。
人間じゃ、ない。
私の本能は最大の危険信号を発していた。これまで闘ってきたどんな悪漢でも感じたことのない、強烈な危険信号。本能が逃げろも叫ぶ。こいつと闘ってはいけない。それどころか関わってもいけない。とにかく逃げろ。逃げて逃げて逃げまくって、こいつのいないところに行け。そう、本能が私に命令する。
だけど。
身体が動かない。本能の命令を無視し、動いてくれない。あの女の瞳を見た瞬間から、私の身体は私のものじゃなくなっていた。
「おいで」
人外の女が言う。私の身体はその言葉を聞き入れ、歩き始めた。
どうして?私の本能は女に近づくことを嫌がっている。なのに。
私の身体はどうしてこんなに喜んでいるの?女に近づくことにどうしてこんなにも興奮しているの?
「ふふ。いい子ね」
女の前に立つ。女としては私は背が高い方だけど、この女も私と同じくらいだった。目線がまた混じりあい、私の身体は言葉にできない快感に包まれる。
ああ、私の身体、どうしたっていうの?
どうしてこんなにも期待してしまっているというの?
女が私に近寄る。その一歩で私のアソコはびしょびしょになった。いやらしい液でいっぱいになった。女は私の首に腕を回す。彼女に触れられたところから甘い痺れが走って、私はさらにアソコを濡らしてしまう。だけど、これから起こることに比べたら微々たるものだった。
女は、首に腕を回し終えると優しく微笑んだ。聖母よりも慈愛を含んだ微笑で言う。
「いっぱい気持ちよくなってね」
彼女の唇が近づき、私の唇に触れた。
その瞬間だった。
頭の先から足先まで走る電流。
全身を雷のごとき快感が貫いた。
ガクガクと身体が痙攣する。立っていられないけど彼女に掴まれているので倒れられない。私は彼女に身体を委ねるほかない。
同時に視界が歪む。私の目はぐるんと上を向き、白目になっていた。
全身からは濁流のような汗。
「ンンンンンンンンー!!」
そして、股間。私は彼女にキスされた瞬間、白濁した愛液を出し、潮を噴き出し、そして、おしっこを漏らしていた。
ジョボボボボボボボボボ!!
いやらしい卑猥な音を立てて私の股間から、ありとあらゆる汁が出ていく。
ガクガクガクガクガクガク!
快感による痙攣が私の身体を襲う。それはキスが終わるまでずっと続いた。
彼女とのキスはたっぷり三分。
その間、私のアソコからは愛液も潮もおしっこもで続けた。お漏らしするのはすごく気持ちよかった。これまで味わったことのない、壊れてしまいそうなほどの快楽だった。
「ぷはぁ……ふふ、ごちそうさま」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
私は快楽による虚脱で、なにも言えなかった。ただ肩で息するばかり。
ああ、きもちいい。ここちいい。
彼女の身体は柔らかくて、甘い匂いがして、まるでお母さんの胸の中にいるよう。全てを委ねたい気分になる。
ああ、眠い。
「ふふ、ゆっくりおねんねしなさい。起きたとき、もう寝られないくらい気持ちよくなるのだから」
彼女の子守唄のような優しい声に、私は抵抗する意思すら抱かず、眠りに堕ちた。
―∞―
私が目を覚ますと見慣れない天井が広がっていた。天井までが高く蛍光灯はなく、薄暗い。ここはどこだ、と首を振ると、多色なステンドグラスが壁一面にあり、その前に巨大なマリア像があった。ここは教会らしい。
「ん……」
私は起き上がる。どうやら私は、仮設された小さな祭壇の上に寝かされていたようだ。柔らかい布が敷かれていたせいか身体の節々は痛くない。
私は辺りを見渡す。人は、いない。誰もいない。
どうして私はここに?思い当たる節は一つ。あの女だ。あのコスプレみたいな人外女が私をここへ連れてきた。私は誘拐されたのか。
にしてもどこに。いないなら今のうちに逃げてしまうか?
「うふふ、こっちよ」
そんなことを思っていたら声が教会内で反響した。
どこで声がしたのかわからず周りを見るが、誰もいない。
「こっちよ、こっち。あなたのう・え」
「えっ?」
言わ
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