あぁ、暖かった。
エイミーちゃんとカイトくんの快楽に蕩けた表情。同類を増やす目的以上に、これを見るために私は彼女たちを魔物娘へと堕としたのだ。
胸の中が満たされ、甘いものを口の中で反芻しているときのように、煩わしいことの全てを忘れられる。
この時間こそが私の求めてやまないときだった。
だけど、それももうおしまい。
エイミーちゃんたちの楽しい時間はこれからも悠久と続くだろう。だけど、私は彼女たちの時間に少しの間、間借りさせてもらっていただけ。時が来れば去らないといけない。
私とエイミーちゃんたちの生きる時間はもう違う。私はもう発たねばならない。我が主の眷属を増やさねばならない。そしてまた、新たな同族に、ひとときの安息を借り、この空虚な胸の内を満たすのだ。
「エイミーちゃん、カイトくん。あなたたちの混沌と悦楽に満ちた実りある日々を、我が主に祈っているわ」
さようなら、と言い残して私は洞窟の外へと向かう。もうしばらくはこの洞窟で二人とも愉しむだろう。洞窟の触手たちも、私と同族となったエイミーちゃんなら上手く使いこなせるはずだ。
さぁ行こう。私の新しい借宿を探しに。
「スーメルお姉さま」
「……? エイミーちゃ」
音もなく、気配もなく、まさしく獲物を見据える触手のごとく、エイミーちゃんは私の背後に這い寄っていた。
油断なんてなかった。する必要がなかった。カイトくんという伴侶を得たエイミーちゃんが、ある種用済みとも言える私に何かをする必要性なんてなかったから。
だから、真後ろにまで接近されたことに対する疑問はあっても、それを警戒することはなかった。
私の両耳に、エイミーちゃんの触手を挿入れられるなんて、脳の片隅にも置いていなかった。
「っ!? ぅぁあ……」
振り向いた先のエイミーちゃんは、元の彼女に似つかわしくない、そしてマインドフレイアとしてはあまりにも似つかわしい、狂気と凄惨と淫靡に満ち満ちた笑みを浮かべていた。
「スーメルお姉さま、つーかまえーたァ……」
「エ、イミーちゃん、な、にを?」
どうして私の脳に触手を、と私は言葉を紡ごうとする。
プツッ。
「んひぃ!」
しかし、聞き慣れた……聞かせ慣れた鼓膜を破る音を聞かせられ、その快楽に喉が震えた。
脳をグチュグチュと抉っていく音が頭に鳴り響く。私の全ての中枢神経に彼女の枝分かれした触手が侵入し、支配していくのがわかる。
歯がカチカチと震えて、肌に尋常じゃないほどの汗が浮き出るのがわかる。焦点が上手く合わない。エイミーちゃんに詰問したくても、彼女の方へ顔を向き続けるのがやっと。
「うふふ、ギューッとしてあげますねぇ」
エイミーちゃんに触手を絡められる。私の身体は、全身の触手たちは、無抵抗にエイミーちゃんの触手に捕らえられてしまった。私の身体が自分のものじゃないみたい。
「ふふふ、これでスーメルお姉さまの身体は私のもの。お姉さま、今どんな気持ちですか?」
「っ! あなた、こん、なことして……なん、のつもり!?」
これは許されざる行為だ。すでに同族とはいえ、我が眷属とも言える彼女が、私に牙を向けるなど。
「牙を向ける? ふふ、とんでもない。私がお姉さまに手向かうなんてあるわけないじゃないですか」
「言っていることと、やっていることの区別がつかない、ようね、エイミー!」
「いえ、私はただお姉さまに幸せになっていただきたいだけです。私たちが幸せになるために」
「……なにを」
「寂しがり屋のお姉さま。あなたが本当に欲しがっているものに、一緒にご奉仕しようと言っているのですよ」
そういって、エイミーは視線の先を私の前へ向ける。釣られて私も顔を正面へと向き直った。
そこにいたのは、カイトくんだった。裸一貫の彼が、私の前に回り込むのに気づかないくらい、私はエイミーに意識を奪われていたのか。
しかし、今はその意識は別のものに移った。
大きく屹立した、カイトくんのペニス。
人間だった頃の彼のものとは似ても似つかない、腹部に亀頭が当たるほど、猛々しく反り返った極太のペニス。
鼻腔をこれでもかと犯してくる、芳醇な香り。
渇いた口の中を一瞬で涎で満たすほどに、そのペニスは魅力的だった。
そして魅力的に思えたことに違和感を覚えた。
「っ、エイミー、あなた、まさか!」
「すごく、美味しそうでしょう? ああ、私も食べたくてたまりません……口の中で自由に泳がして転がして、頬肉に擦らせたり、鈴口を舌先で舐めたり、喉奥まで咥え込んだり。そんなことをしたら、もう頭が蕩けちゃいますよね」
「あな、た……私の脳みそを」
「はい。カイトくんのオチンポが欲しくて欲しくてたまらなくなるようにしてあげましたぁ」
この娘の目的は。
「そうで
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