後編

目覚めるといつもの見慣れた天井と違い、少しパニックになる。
しかし、そうだ。真白の家に泊まらせてもらったんだとすぐに気づいた。
さほど広くない寝室。ここにいるのは俺だけのようだ。襖を挟んだ隣は台所だが、誰かいる気配はない。
少しばかりぼぅっと考えて、浮かぶのは昨夜のこと。真白の手料理を食べて、寝室に案内されてそれから。

「っ!」

そうだ。俺は、俺は。
犯された。真白に襲われ、犯された。
記憶が曖昧ではあるがだいたい覚えている。犯されたのち俺がなにをしたか。犯されているのに自分がなにを望んだのか。全て思い出した。
俺は、魔物娘と性交したのだ。しかも人間とやるような理性的なものじゃない。
まるで獣同士の交わり。
快楽を求めるがまま互いが互いを貪り、浅ましくよがり狂う獣のごとき性交。
俺は昨日それをしたのだ。真白に犯され、正気を失い、理性を失い、人間性を失い、一匹の獣になって俺は昨日真白と性交、いや交尾したのだ。
思い出すと俺の逸物が敏感に反応し、そそり勃つ。あの快感をもう一度味わいたいと俺の理性へと訴えかける。
しかし、同時に恐怖する。もしここで快楽に負け、それを享受すれば、俺はただの獣になって人間としての尊厳は失われてしまうのではないか。ただ交尾するだけの畜生に成り下がってしまうのではないか。そんな恐怖があった。
いやだ。そんなものにはなりたくない。俺は、人間でいたい。昨日のような快楽に溺れる浅ましい存在になどなりたくない!
ここは昨日、情事があった場所。畳をよく見れば、黒い染みが布団のまわりに沢山飛び散ったようについている。それだけでない。布団の匂いをよくよく嗅げば、これはあの真白のオマンコ汁の匂いをではないだろうか。甘酸っぱいずっと嗅いでいたくなる匂いだ。ああ。たまらない。

「…………いや!駄目だ!俺は、俺は何を!」

布団に鼻を擦り付けていたがふと我に帰る。このままではいけない。ここにいてはいけない。早く、ここから出ないといけない。ここにいれば俺は間違いなくおかしくなる。
枕元に置かれた綺麗に畳まれた俺の服を手に取る――真白がしてくれたのかもしれない。俺はそれを素早く来て、寝室を出る。そして迷うことなく家を飛び出した。
神社。境内に真白の姿はない。本殿だろうか。ならば好都合だ。今のうちに。真白のいない今のうちに村へと戻ろう。そしてもう森へは二度と近づかないでおこう。村のみんなにもそう伝えるのだ。やはり魔物娘は危険な存在だった。人間を襲い犯し惑わしたぶらかし、人間としての尊厳を無茶苦茶にする魔のものなのだ。
そして、石畳の境内を抜け、山を下ろうとするときだった。

「どこへ、行かれるんですか?」

真白の声が俺の耳に届いたのは。
振り向くと、俺から少し離れて真白がいる。昨日と同じ巫女姿。朝日に輝く真白い髪を携え、それだけで人間の背丈ほどの長さの白い鱗の蛇の尾を持つ。白蛇の魔物娘。
手には箒を持っている境内を掃除中だったのかもしれない。表情は慎ましやかそうな柔和な表情で初対面ならその笑顔に騙されることだろう。しかし、それに騙されては気づけない。真白の青い瞳は、どす黒く濁っていることを。正気などどこにも見当たらない、狂ったような瞳を。もう俺は騙されない。彼女は魔物娘。危険な存在だ。人間とは相容れない存在なのだ。

「家へ、帰る」

「あらそうなのですか?家はこちらですよ」

「そこはお前の家だろう」

「聖さまの家でもありますよ」

目が蛇のごとく細められ、口角をつりあげて笑みを浮かべる。柔和な表情すらなくなった。

「そこは俺の家ではない」

「なにをおっしゃいますか。ここが私と聖さまの家。愛の巣でございますよ。そう、私達が交尾するところなのです。聖さまのオチンポを私のオマンコに挿入れる神聖な場所なのですよ」

昨日ことを思い出しているのか、真白はうっとりと表情を蕩けさせる。

「ふざけるな。俺はもうここへは来ない。もうお前とは会いたくもない」

「うふふ、そんなに強がらないでください。聖さまも思い出しているんでしょう?昨日の交尾のこと。すごくすごく気持ちよかったですよねえ」

「……………………」

「ああ、オチンポそんなに勃てて。うふふ、また私のオマンコにぶちこんで精液注ぎ込んで、気持ちよくなりたいんですかぁ?いいですよ。いつでもどこでも何度でも私のオマンコは聖さま専用の淫乱マンコです。好きなだけお使いください。なんでしたら今からどうですか?」

真白は巫女服の裾をまくりあげ、その秘所を俺に見せつける。朝日にテカテカと輝き濡れた真白のそれはなによりも美しくおいしそうに思えた。俺の逸物は硬さを増し、早くあそこに、オマンコに突っ込んで精子を吐き出したいと訴える。
少しでも気を抜けば、俺は今にも真白に飛びかかっていってしま
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