「美味い!!!!!!!!!おかわり!!!!!!!!!!!!!!!」

ヴィンセント・グレイには、至福の秘密があった。

彼は世界中の美食家がその名を知る、一流のワイン評論家である。彼の舌は「神の天秤」と称され、複雑極まるアロマ、繊細なタンニン、テロワールの深淵・・・・・・彼はその全てを解き明かすことができる。

そんな彼のワインセラーにはいったいどんなヴィンテージが横たわっているのか・・・人々はあの手この手で問いかける。

だが、そんな彼が独り占めしている唯一無二のヴィンテージ。それはワインなどではなく――――――――――








「ただいま、ベルタ・・・・・・。喉が、焼けるようだ・・・・・・」

愛しき我が家の扉を開け、ヴィンセントはネクタイを緩めた。今日の仕事は五大シャトーの垂直試飲会。神経を極限まで研ぎ澄まし、一滴の雫を解析し続けた後の喉は、砂漠のように渇ききっていた。

「あら、おかえりなさい、あなた!お疲れ様」

ドスン、ドスン、と愛らしい重量感のある足音。現れたのは、愛妻のベルタだ。ホルスタウロスという種族特有の豊満な肢体は、エプロンの紐が悲鳴を上げるほどにたわわで、彼女が歩くたびに幸福な揺れを見せる。

「すぐに用意するわね。待っていて!」

ベルタはキッチンから巨大な金属製のミルク缶を片手に提げて戻ってきた。そしてもう片手に彼女は分厚いガラスの特大ジョッキをテーブルへと置く。

ドボドボドボッ!!

注がれるのは、とろりと濃厚な特濃の液体。なみなみと満たされたジョッキが、ゴトン!!と重量感たっぷりの音を立てて差し出される。ヴィンセントは生唾を飲み下し、本能のままにジョッキを掴んだ。

「いただきますッ!」

――ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ!

喉が鳴る。その瞬間、彼の脳内では職業病とも言える「批評」が勝手に紡ぎ出される。

(・・・・・・芳醇なバニラのトップノート。シルクのように滑らかなアタック。圧倒的なボディ感・・・・・・。ああ、シャトー・ディケムの最良年ですら、この複雑な甘美さには届かない・・・・・・)

「美味い!!!おかわり!!!」

空になったジョッキを叩きつけ、ヴィンセントは即座に叫んだ。ベルタは弾んだ声で「はい、喜んで!」と答え、二杯目を注ぐ。

――ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ!

(・・・・・・二杯目にして、より鮮明なテロワールが見える。春の野花のような可憐なアロマ。乳脂肪分のキレが完璧で、後味には野生の蜂蜜のような高貴な甘みが残る。これほどまでにエレガントな構造が、愛妻から生まれているとは・・・・・・!)

「美味すぎる!!!おかわりだ、ベルタ!!!」

三杯目。注ぐそばからヴィンセントはジョッキを奪うように持ち上げる。

――ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ!

(・・・・・・重厚なミネラル。喉を通るたびに、味蕾が歓喜に震えている。ヴィンテージワインの持つ「熟成」という概念を、この搾りたての鮮度が容易く超越していく・・・・・・。これに比べれば、ピュリニー・モンラッシェでさえ水に等しい!)

「最高だ!!!もっと飲ませろ!!!!!!!」

四杯目。ヴィンセントの瞳からは冷静な知性が消え、情熱だけが渦巻いていた。

――ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ!

もう、味の解説を紡ぐ余裕などない。思考は「美味い」という原始的な感情に塗り潰される。飲む手が止まらない。美味しすぎて理性が悲鳴を上げている。全身がベルタのミルクで満たされていく充足感に、魂が震えた。

「ベルタ・・・・・・おかわりだ!まだ、まだ足りない!」

五杯目。ヴィンセントの渇望は限界を知らなかった。

――ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ、ゴキュッ!

飲めば飲むほど、さらに深い渇きが彼を襲う。それはインキュバスの本能。ベルタという「生命」そのものを飲み干したいという、終わりのない飢え。何十リットル近い白濁が胃に消えても、腹が膨れる感覚など微塵もない。身体はもっと熱く、もっと濃いものを求め、細胞一つ一つが叫び声を上げていた。

そして六杯目、ついにミルク缶が空になった。空のジョッキを置き、なおもお代わりを求めるヴィンセントの瞳は、完全に理性を失った夢魔のそれだった。

「うふふふ、もう缶が空っぽになっちゃった・・・
#10084;」

「なら・・・・・・源泉から直接いただくまでだ!」

ヴィンセントはベルタの懐へと飛び込んだ。エプロンを跳ね除け、視界を真っ白に染め上げる巨大な双丘。溢れ出す「搾りたて」に唇を寄せ、熱い液体を舌先で転がすようにして味わった。

(ああ、なんて濃厚な・・・・・・。体温と同化した糖分が、舌の細胞一つ一つに染み込んでいく・・・・・・最高だ・・・・・・これ以上のヴィンテージはこの世に存在しない・・・・・・!)

吸い上げるほどに、インキュバスの魔力が爆
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