恐怖の30分こちょこちょの刑

「あぁ待って先輩!!脇の下に手を差し込まないで!まだくすぐっちゃダメです!心の準備がまだ出来てませんからぁ!!!!お願いします待ってぇ!!!!!」
「今更ゴネてもやめてはあげないよクロバ・・・こちょこちょ30分の刑だ・・・早く覚悟の準備をして欲しいな」

「ぐり」と「ぐら」

どこぞの絵本の登場人物の事ではなく、「くすぐりをする側」の人と「くすぐられる側」の人を指す言葉だ。

当然、僕は生粋の「ぐり」気質。僕の恋人でトランパートのクローバースートに属する彼女・・・フォリア・クロバは生粋の「ぐら」気質である。

例によってテーブルの上にある3つのプリンの空き容器、僕の分までのプリンを食べきった事によるオシオキ待ちの状態。彼女がこちょこちょして欲しい「ぐら」としての欲求不満を、僕に訴えかけるための回りくどい意思表示だ。

が、クロバが本気で命乞いをしているのには訳がある・・・何せ今回のオシオキこちょこちょの時間は・・・30分だからだ。

どうしてこんなことになってしまったのかは・・・遡ること10分前の事になる。


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「ふぅん・・・ゲームねぇ・・・それじゃあルールを聞かせてもらえるかな?」
「あっちょっ・・・
#10084;くひっははっ・・・
#10084;くすぐったいですからやめてっ
#10084;んぅひっひっひっ・・・グリグリ食い込ませるのダメっ
#10084;ちょっとほんとに・・・
#10084;そっそれ以上は・・・ダメですからね・・・フリじゃないですからね・・・?」

脇の下の手は人差し指だけを脇肉を揉みほぐすようにうごめかせる。両手合わせて2本の指先だけでクロバは歯を食いしばって今にもくすぐったさで綻びそうになる顔を必死に堪えている。

今はちょうど、プリン全部食べたオシオキをする前の軽い嫌だ許さないのフェーズ・・・クロバの心の準備待ちと言ったところか。

しかし何やら今日は新しいゲームとしての提案があるそうだ。

「きょっふふっ・・・あの、んひひっ説明できひひっ・・・お願いしますからひひっ・・・人差し指止めてください」
「人差し指1本に負けちゃダメだよクロバ・・・」
「いつも私のおまんこに負けて!メロメロになって!マトモに腰を振れないくせあっはっはっはっ
#10084;ダメっ
#10084;んひははっっ
#10084;ゴメンなさい!言いすぎましたから!!・・・ね?・・・一旦ストップ・・・ね?」

不毛な争い、泥沼の争いならぬイチャつきはゲームをすっ飛ばしてクロバを押し倒しかねない。それはそれで構わないのだろうが、僕らは生粋のゲーマーでもあるのだ。ここはひとまずグッと、堪えてルール説明だ。

「ふぅ、ルールは簡単です!1つの大きなサイコロと、小さなサイコロを5個個同時に振って、大きなサイコロの出た目掛ける10秒と小さいサイコロの出た目にそれをかけた時間の分だけ・・・こちょこちょされちゃうという訳ですね!」

ドヤ顔で語り終えた愛しの伴侶。何だか感覚的ではあるが7、8分程度の出目になりそうな予感しかしない。

もしかしてじゃなくともだけれど・・・5分くらいのこちょこちょでは物足りなく感じ始めているのだが・・・10分なんて言ってしまうのはちょっとまだ心の準備がってやつかも知れない。

「ふむふむ・・・つまり最大30分のこちょこちょの刑になる訳だね」
「っっアッヤッパリイイスギタカモ・・・そそそそんな簡単に出る訳がないじゃないですか!何せサイコロ全部6の目なんて!」

どうやら考えは的を得ていたようだ。

「ふっふっふっ・・・しかし今日はラッキースケベの魔法は掛けてあげません!むしろアンラッキースケベの魔法を掛けちゃいますもんね!」

二言程度の詠唱が終わり、アンラッキースケベなる魔法が掛けられてしまったようだ。しかしなんだよアンラッキースケベって・・・

その時脳裏に一筋の光が迸る。逆転の一手、逆転の発想の極みである。

「さぁ先輩!サイコロをお振り下さい♪そんなに大きな目は出ませんからね♪」
「クロバ、つまり僕は今クロバにスケベな事をしようとしても魔法の力で邪魔されるってことだよね?」
「ええ!何時もは先輩に都合の良い、スケベな出来事が起こるようになりますが、今回は先輩の都合の悪いようになっちゃいます!」
「ふむふむ、ところでクロバ?くすぐりって・・・ちょっとスケベな行為だよね」
「へ・・・?まぁ・・・身体を触っていることに変わりはありませんから、ある意味そうかもしれませんね」
「つまりクロバをくすぐろうとしてはダメってだね・・・ふふふ、見切ったよクロバ・・・つまり、こう念じればいいんだ・・・」
「んん・・・?何を念じ・・・ねぇ先輩?私・・・私ってば何かやらかしたヤツですよね
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