ハロルドの新たなる旅立ち、そして新たなる剣

Tips・・・ハロルド・カーライル(インキュバス)

27歳男性、ミシェーラと心から結ばれている、種族:インキュバス

主神教団から主神の名のもとに祝福を受けた勇者であり、その実力は誰もが魔王を討てるだろうと疑わぬ強さを持っている・・・無論、彼ですらも魔王には敵うはずもないのだが。

そして魔王を討つ使命の旅の最中、蜃気楼の町ユメハツカにてミシェーラと出会い、短い時の中で深く心を通わせ合い・・・そして結ばれた。

ミシェーラとの度重なる修行と言う名の御奉仕と御褒美によって、彼の勇者の力と子種は日々熱心に・・・心地良く搾り取られ続けている。その事実は今後も彼の表面意識に上ることはない。彼自身の身体が既に魔物の男性・・・インキュバスへと変わり果てていようとも。


Tips・・・ミシェーラ

人間換算で20代半ば ハロルドと心から結ばれている 種族:リリム

蜃気楼の町ユメハツカ唯一の宿屋を営む女主人。最上級の魅力と魔力を持ったリリムであるが故に、勇者ハロルドの存在にいち早く目をつけ、この宿で出会うように因果すらも容易く操って、彼と出会う日を心待ちにしていた。

当初彼女の計画では己の魅力を存分に活かし、一目見るだけで彼を腑抜けの骨抜きにして、そのままこの宿で自分の伴侶として甘やかし続けるはずだった。

しかしハロルドは心を奪われるまでは行ったものの、腑抜けにも骨抜きにもならず踏みとどまって見せた。彼は自身と精魂尽き果てるまでの交わりを経てなお、勇者としての使命を果たしてから自分と添い遂げて見せると誓って見せたのだ。それは決して口先だけでなく、本懐こそ遂げられずとも、実際に自らの元を旅立っても見せたのだ。

彼女にとってそれは驚嘆以外の何物でもなく、彼に心から敬意と愛慕の感情を抱くことになり、計画の大幅な修正が余儀なくされる。

新しい計画・・・それはハロルドを自らの夫として共に手を取り合い歩んでゆくものとなった。

勇者と魔王の夫婦のように、父と母がそうであったように。魔王の娘と結ばれるにふさわしい魔界勇者としてハロルドを鍛えなおし、いつか父と母の居る魔王の城へと・・・結婚の挨拶へ行く旅へと共に出るのだと。

Tips・・・勇者の剣と聖なる鎧

その昔、上質な鉄を下地に主神教団によって祝福を受けた銀を混ぜ込むように打たれた長剣。主神教団の倉庫で後生大事に保管されたまま長い長い時を経て、勇者ハロルドの旅立ちの際に貸し与えられた。書面上も主神教団のれっきとした備品資産であり、その価値は23,000,00ゴールド相当。

その外観は両手でしっかりと握りしめるにふさわしい、堂々とした重みのある白刃の長剣で、その刀身は一切の装飾を排した純粋な銀白色の輝きを今なお放っている。

刀身の中央には、ごく薄く、しかしはっきりと、古代の文字が浮き彫りにされている。現在ではその文字を解読できる者は誰もいないが、それが勇者の剣に秘められた強大な力を示唆する唯一の装飾となっている。

また、聖なる鎧はハロルドが旅の最中に助けたドワーフに礼として譲り受けた逸品であり、こちらはれっきとしたハロルドの所有物である。

なお、その価値は30,000,000ゴールド相当である。

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勇者レベル0、魔界勇者レベル100、状態:心身ともに絶好調


朝日も登りきって暫くたった蜃気楼の町ユメハツカ、今日もこの町は薄桃色の幻惑の霧が立ち込めている。その町の外周を勇者ハロルドは走っていた。これは身体づくりも兼ねたハロルドの修業の一環である。

ただ1つ、通常と違う点があるとしたら・・・その左腕に、お姫様抱っこの恰好でミシェーラを抱きかかえながら、ハロルドは走っていた。

「ふふふ・・・本当に逞しいハロルド様・・・初日はかなり揺さぶられたというのに、もう今は全然揺さぶられませんね」
「はぁっ・・・はあっ・・・当然さっ・・・君を抱えたまま・・・走れるだけじゃ・・・意味がないからな・・・!」

既にハロルドは、ミシェーラを護りながら戦う術を見出していた。

その術は至ってシンプルな帰結にして、理想論の極地のような答え・・・それはミシェーラを左腕で抱きかかえながら、右腕で剣を振るうというものだった。

つまりハロルドはミシェーラをお姫様抱っこしながら相手と激しい剣閃を繰り広げ、自身は勿論ミシェーラにも傷1つさえも付けさせない神業にも等しい技量が求められる。それでもハロルドはそれが実現可能であると、日々の鍛錬を積み重ね続ければ、必ずや己が技として身に付けるとこが出来ると確信していたのだ。

今日まで毎日ミシェーラを抱きかかえたまま、ユメハツカの外周を息が切れるまで走ってみたが、こと今日においては体幹が一切ブレることが無かった。まだミシェーラ
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