新たなる力を求めて、ハロルドはミシェーラの胸に挟まれる

Tips・・・蜃気楼の町ユメハツカ

美しい湖畔の傍にひっそりと佇む町。主神教団が交付する公式地図に記載されている魔王の城に最も直近に位置する町のため、旅人の間では最後の町とも呼ばれている。

湖畔から採れる海藻を加工した海藻灰を原料に、昔ながらの製法で作り上げるユメハツカ石鹸が特産品。


Tips・・・ユメハツカ石鹸

蜃気楼の町ユメハツカの特産品の石鹸。その石鹸は素肌に数回擦り付けるだけでも驚くほどよく滑り、水と合わさると驚くほどよく泡立つ。きめ細やかでもっちりとした、ぬめりの良い泡で洗われる感触は、まさに夢見心地にさせる至福の感触である。

しかしこの石鹸の真価は、ペニスを洗う専用の石鹸であることである。この泡でペニスを洗われてしまった伴侶はすべからくこの石鹸の虜になってしまう。

汚れが落ちてゆく心地良さと、精が込み上げる1歩手前の感覚が精巣をヒクヒクと甘く疼かせ続ける・・・そんな夢見心地の泡手淫が伴侶の心を鷲掴みにして離さないのだ。


Tips・・・房中術と魔力の掛け合わせ

結論は修行にかこつけたハロルドとミシェーラが日々の交わりを熱心に行うための方便。

霧の大陸に言い伝えられる、夫婦の営みにおける教義の1つ。交わりを通じて2人の陰と陽の力がバランスよく釣りあうことにより、より健康的で幸福な人生を歩むことが出来るとされている。

この交わりの際に互いの身体に魔力を通しあうことで、互いの身体に本人由来ではない魔力が少しずつ染み込んでゆく。この異なる魔力が適合しなければ通常少しずつ体外へと発散されてゆくが、魔力同士が適合し混ざり合った場合は本人の体内に新たなる力として定着してゆく。

その力は今までとは比べ物にならない程に強大なものになるだろう。


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勇者レベル77、魔界勇者レベル23、状態:心身ともに絶好調


勇者ハロルドは、特に断りが無ければ夜明けの少し前に目覚める。目覚めると同時に体操を行い、汗ばまない程度に剣の素振りを行い、余計な消耗に注意しながら魔法の鍛錬を行う・・・それがハロルドの日課だった。

全ての日課を終えてから、昇る朝日を眺めながら飲むコーヒーが、旅の最中のちょっとした贅沢だった。

しかし勇者ハロルドは、さっそく朝寝坊をしてしまっていた。いや、正確に言うのならば既にハロルドは目覚めている。だが寝床から起き上がることが出来ず、身じろぎをすることが出来ずにいるというのが正しい表現だろう。何故ならば・・・ハロルドの右腕は同じベッドで眠る愛しい人、ミシェーラの腕枕としての大任を務めていたのだから。

もうハロルドがミシェーラと共に同じベッドで眠るようになってから、早くも3日の時が過ぎていた。後述するが、魔王の城の幻惑の霧が晴れる気配が無かったから・・・この宿に滞在し続けているのだ。

ミシェーラは特に断りが無ければ、朝日が昇ると同時に目覚める。夜明け前のわずかな時間に愛しいミシェーラの寝顔を眺めることが、勇者ハロルドの新たな日課となっていた。

朝日が昇りきった頃、ハロルドとミシェーラは宿の厨房にて朝食の時間を迎えていた。今日のメニューは色とりどりの野菜が美しく彩るポテトサラダ、二人前の大きさでありながら半熟ふわふわに仕上がっているチーズオムレツ、プリっとはじける皮が堪らない肉汁たっぷりボイルドソーセージ、主食は掻き込む手が止まらない甘じょっぱさが最高の匙加減なミルク粥・・・どれもハロルドのお気に入りメニューである。

「では、いただきましょうか」
「今日もありがとうミシェーラ、いただこう」

食事への感謝の祈りを捧げ、食器を手にハロルドは空腹を満たし始める。ポテトサラダは今日も程よい滑らかな歯触りの裏ごし加減。ふわふわのオムレツの優しい味わいと中に仕込まれたチーズの塩味が美味しさを引き立て合っていて、ミルク粥を続けざまに口いっぱいに頬張る。

料理を掻き込む手が止まらない。ミシェーラの作る料理はどれもこれもが美味しすぎて、少々はしたなくも食べ進める手が一向に止まらない。気が付けばハロルドは、最初に盛られた量の朝食を・・・それでもかなりの大盛りではあったのだが、すっかりと平らげてしまった。

勇者ハロルドは、特に断りが無ければ食事を腹八分に留めることを心掛けている。日々満腹になるまで食べてしまえば、いざ不測の事態で空腹に苛まれた時に耐えられなくなるから。今までの旅路の最中、国を挙げての宴の席に呼ばれた時でさえもハロルドはその自戒の心得を破ることなどなかったというのに・・・・・・

「・・・ミシェーラ・・・お代わりを貰えるだろうか」

しかし勇者ハロルドは、朝食を早速お代わりしてしまっていた。

はい、遠慮なく・・・とミシェーラが嬉しそうに微笑みながら、
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