約0.27パーセント・・・この確率に覚えがある人は雑学に詳しい人か、この確率に当てはまる人でスマホなどで興味がわいて検索した人達なのだろう。
この確率は・・・夫婦の誕生日が同じである確率の事を指す。
そう、僕の誕生日とコーデリアがキャンドルガイストとして誕生した日は奇跡的にも同じ日付だったのだ。
そんな奇跡を知った日は僕の・・・いや、二人の誕生日の1か月前の事だった。思わず二人で笑い合いながら、誕生日のケーキは一度しか食べられないだとかプレゼントをどうしようだとかで盛り上がり、そのままなし崩し的にセックスまでもつれ込んだ後・・・何かを思い付いたコーデリアが二人分のプレゼントを用意するから任せてくれないかと提案してきたのだ。
何だか面白そうな予感を感じた僕は二つ返事で了解し・・・そのあとでお金を出そうとするもちょっと高い買い物・・・十数万くらいの予定で・・・貯金は2億あるのだからお金は気にしないでくれとコーデリアにたしなめられたのだった。
そして誕生日の1週間前、我が家に大きな段ボールが届いた。大きさ的に何かの家具だと思われるそれがどうも二人の誕生日プレゼントらしい。
「開封いたしますが、せっかくですので誕生日当日になるまで中身は秘密にしては如何でしょうか?」
「ええ!?・・・ちょっと気になる・・・」
「魔物娘からの贈り物といえば、とてもスケベで・・・エッチな・・・素敵な贈り物と相場が決まっておりますから・・・どうぞお楽しみにくださいませ」
そう説き伏せられて一旦寝室へと退避した僕はその後リビングに鎮座するベールが掛けられた謎のプレゼントをとてもスケベでエッチな贈り物って何だろうと期待に胸を膨らませ、未練がましくチラチラと見ながら誕生日までを過ごすことになる。
そして誕生日当日、その日はちょうど金曜日だった。放課後の帰り道に近所のケーキ屋で母さんたちが前もってお金を払って予約してくれていた誕生日ケーキを受け取り、ご機嫌な帰り道を歩く。
「母さんってばこんなに大きいケーキだと二人だと食べきるのに大変そうだよ」
「夕食も御馳走にするのですが・・・たまには食べ過ぎるくらいでも良いのでしょう」
そう微笑みかけられながら家に帰り着いて手洗いうがい、コーデリアがごちそうを作ってくれるのをあれこれ手伝いながらお互いにご機嫌は最高潮・・・このままではコーデリアを押し倒してしまいそうだったから仕方なしにリビングで待つこと数分、唐揚げ、エビフライ、ハンバーグにポテトサラダ、チキンライスといったごちそうメニューがテーブルに所狭しと並び始めた。
「結局のところ・・・お子様ランチがご馳走のオールスターだもんね」
「ケーキも後ほどお持ちします・・・では」
―――――いただきます!
隣に座ってお互いにごちそうを食べさせ合う。柔らかくジューシーな唐揚げに大振りなエビフライ、チキンライスも甘酸っぱくて美味しい。僕好みに荒めに潰されているポテトサラダもホクホクとして堪らないし、ハンバーグも肉汁が口の中で噛み締める度に肉汁が溢れだしてきて・・・本当に全部のご馳走が最高に美味しかった。
これだけでも最高な夕食なのに満を持して持ってきてくれたケーキはひとしおに甘く・・・美味しかった。
何だか申し訳なさが否めないほどにコーデリアに尽くされている。そう思う心が食器を洗うコーデリアを手伝おうとするも、大丈夫・・・どちらかといえばこれからが本番なのですから・・・と意味深な笑みの元でリビングへと追い返されてしまった。
「お待たせしました私の伴侶様・・・満腹だったお腹も少しは落ち着きましたでしょうか?」
「うん、それがどうかしたの?」
「ええ、ではいよいよ・・・二人の誕生日プレゼントを・・・そのベールを取っていただけますか?」
プレゼントを開ける瞬間、心がどうしてもドキドキわくわくしてしまう・・・こんなの子供の頃以来だろう。ゆっくりとベールへ手を伸ばし、一思いにばさりと取り去ったその中身は・・・大きな木製フレームの安楽椅子だろうか?
「これは・・・安楽椅子かな?」
「ええ、2人掛けの安楽椅子ですが・・・ただの安楽椅子ではございませんよ?腰痛防止にも効果が高いのですが・・・ふふ、とにかくお座りくださいませ」
そう促されるがまま安楽椅子へと腰かけてみる。確かに深く腰掛けてみると背筋が自然と伸びて余裕たっぷりにくつろげる。クッションはフカフカで座り心地も抜群、その上肘置きも広々として右側の肘置きの横にはボトルホルダーにスマホやテレビのリモコン、ティッシュなどの小物を置けるサイドポケットも完備されていた。
「うん・・・なかなか居心地のいい安楽椅子だね・・・ありがとうコーデ・・・?!」
僕が言葉に詰まったのはいつの間にかコーデリアが上半身の衣服をすべ
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