「うぐぐ・・・期間限定のお菓子ってどうしてこうも魅力的なんでしょうか・・・」
小難しい顔でお菓子を手に取り買い物カゴへ入れるか迷うクロバ。別に予算はまだまだ余裕はありそうだがら買えばいいのに、とか言ったらついつい食べ過ぎてしまうからダメと返された。他人がうらやむ整ったスタイルをしているのに努力家だよなあ・・・あ、結局カゴに入れたようだ。
今日は二人で近所のスーパーへと買い出しに来ている、といっても食料品というよりもお菓子やジュース狙いなのだが。いくらカードの中の世界でも食物・・・特にお菓子を1から生み出すのはそれなりに面倒な魔法らしく、何よりも二人で買い物デートを楽しみたいというのが本当のところであったわけである。
「・・・そうだ
#9829;」
意味深な呟きと共にクロバが手にしているのは細長く棒状でサクサクな食感のビスケットにチョコレートがコーティングされている例のアレ。思い当たることはあるが・・・うーむあまり詮索しないのが吉、帰ってからのお楽しみだ。
「あとはジュースを選んだら終わりですね、先輩」
あれこれ1.5リットルのボトルをポイポイ放り込まれ一気にずっしりと重くなるカゴを待ちながらレジ前に並ぶ。世間は日曜日の昼過ぎ、買い物連れの家族でそれなりに込み合い模様、その中でも比較的短めな列へと並び床へと重たいカゴを下ろして軽くしびれた手のひらをプラプラ振って一息深呼吸。
「先輩、何時もの事ながらカゴ重たくなかったです?」
「なんのこれしきだよ」
荷物持ちの任務は大変ではあるが、仕方がない。魅力的なお菓子やジュースが多すぎるのがいけないのだ。
やがて自分たちの順番が回ってきてお会計、袋詰めして一旦店の外まで持ち運ぶ。いきなり店内でカードの世界へと入るのは万引きなどに疑われるからだ。
「ただいまーー」
二人そろってカードの世界、我らが愛の巣へと帰宅、徒歩1分もかからない。こういう時にカードの世界に家があってよかったなと思ったりする。ジュースを冷蔵庫へ、お菓子を棚へとしまい込みリビングの3人掛けでゆったりとしたソファへ腰を落ち着ける。
ふいい・・・ちょっとくたびれた。
「せんぱーい紅茶とコーヒーどっちがいいですかーー?」
「・・・紅茶でよろしくーー」
キッチンから聞こえる可愛らしい声、何気ない日常の幸せな1ページである。
やがて二人分のお揃いのマグカップをお盆に載せてクロバがやってきた、アプリコットのいい香りがする何時もの紅茶だ。おっとよく見ると細長くサクサクでチョコレートがコーティングされている例のアレも載っている。
「今日は荷物持ちありがとうございました、とっても助かっているんですよ
#9829;」
右隣へクロバが座ってこちらへと甘えるようにしなだれかかってきた。右腕にむにゅりとクロバのおっぱいが押し付けられて思わず顔がだらしなく歪んでしまうのは許してほしい。
例のチョコ菓子を見て見ぬ振りをしながら緩んだ顔を引き締めるように渾身のポーカーフェイスで紅茶を一口、クロバはニマニマ淫靡な笑みを浮かべている・・・ダメだ顔が全然引き締まらない。
「うふふ・・・お待ちかね・・・先輩、ゲームをしませんか
#9829;
#9829;」
いよいよクロバからのゲームの提案だ・・・!!いつ聞いてもそわそわドキドキいてもたってもいられなくなるが、今度こそ渾身のポーカーフェイスで気を引き締める。
「いいよ、どんなゲームかな?」
例のアレの菓子箱から目が離せない、声も若干震えたような気がする
「今日は、ポッ〇ーゲームをしましょう!〇ッキーゲームですよ?知っていますよね??」
せっかくうまい事はぐらかしてきたのに・・・。
「いいよ、やろう。でも・・・ただのポ〇キーゲームじゃないんだよね?」
今日はいったいどんなにエッチでスケベな特別ルールが付与されるのだろうか・・・高鳴る胸が少しだけうるさく感じる。
「ええ、基本的には1本ずつ口にくわえてお互いが端から食べ始めるのですが・・・唇がくっついちゃったら先輩の勝ち、3回戦までやりますからね
#9829;
#9829;」
相変わらずクロバの勝利条件などハナから提示されていない出来レース、何時ものエッチなゲームなのだろうがこれでは一味足りないような?。
「じゃあ先輩、口を開けてくださいな、そして・・・じっとしていてくださいね
#9829;」
口にポ〇キーを1本突っ込まれこちらは動くな・・・?おっとこれはどういうことだろうか。
「じゃあ、一回戦・・・行きますね
#9829;」
そう告げるとクロバがサクサクと小気味いい音を立てて少しずつお菓子を食べ進んできた。止まるつもりなど微塵もないクロバの顔がどんどん近づいて・・・あっキス顔で近づいてくるの反則だろ・・・あ
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