エロ魔物絵画展

僕の名前はパトリック、絵描きで生計を立てている。妻の名はオルレア、キキーモラ族の魔物娘だ。

 僕たちの馴れ初めを簡潔に書くと、当時絵描きとしてはそれなりに当たっていた自分は日々の生活における掃除だとか洗濯だとか食事だとかそれら一切が煩わしくて仕方がなかった。

 そう、家政婦を雇ったのだ。そうしてやってきたのがオルレアだった。彼女の仕事ぶりは優秀なんて言葉では言い表せられないほどの出来栄えで、たちまち僕の生活環境は快適過ぎるほどに改善されてしまった。

 オルレアも魔物娘であるからには心の琴線に触れた相手にアプローチを仕掛けてくるわけで、最初はクラシックスタイルなロングタイプのエプロンスカートだったオルレアが、気がついたら膝上を攻めに攻めたミニスカートタイプのメイド服で仕事を行うものだから・・・この話はここまでにしておこう。

 とにかくオルレアと結ばれてからより一層に仕事が捗り、小さいながらもアトリエ付きのマイホームまでもが建てられたのだ。

そんな私は現在とある美術館で個展を開くという大役を仰せつかっている。

個展のタイトルは・・・「エロ魔物絵画展」

 今回の個展の出資者のオーダーは・・・美術館のガイド役に扮した様々な魔物娘達達の旦那様探しの場を設けたいとのことだった。だから展示する絵は全て欲望を駆り立てるような煽情的な物にしてほしいと要望された。

 納品された絵のモデルとなった魔物娘達は裸婦画に始まる様々な構図の春画たちとなった。美術館をガイドするにあたってターゲットとなった男性たちがモデルとなった魔物娘の絵の前で結ばれる・・・といった寸法らしい。

誓って言うが僕はプロフェッショナルの絵描きだ、そして何よりも僕には最愛の妻たるオルレアがいる。妻も、モデルの娘さんたちもそれを了解の上で芸術として描かせていただいた。

 そして今日、僕はその個展へと納品する最後の一枚である我が妻オルレアの春画を描くのだ。

「オルレア、最後の一枚を・・・君の絵を描きたい・・・いいかな?」
「かしこまりました、では・・・参りましょう」

 僕は興奮さめやらぬ足取りで、オルレアは優雅な足取りでアトリエへと向かう。

 アトリエには当然ながらイーゼル(キャンパスを乗せる台)に絵の具に鉛筆・・・といった絵を描くための道具だけでなく2人掛けのソファーが置かれている。後述するがこのソファーは休憩する為だけのものだけでは無い。

 僕はキャンパスの前に、オルレアはソファーへと座る。ただソファーへ腰掛けているだけなのに優雅さと気品さを感じるのはオルレアの外面だけでなく内面の美しさもあるのだろう。

 白紙のキャンパスへ鉛筆が舞い降りる、カリカリと静まり返ったアトリエ内に鉛筆が走る音だけが鳴り響く。

 オルレアの亜麻色の髪、この間休暇で花畑にピクニックに行った時も咲き誇る花々よりも美しく風にそよめいた髪。

オルレアの瑠璃色の瞳、どんなに美しく輝く海の青よりも吸い込まれそうになる神秘的な瞳。

オルレアの桜色の頬、薄く化粧されている色白の肌合いにうっすらと浮かび上がる血色の良い頬。

オルレアの淫靡に艷めく唇、この口紅はディオールバームというらしい。僕は化粧品に詳しくは無いのだが、オルレアの唇をここまでもエロティックに引き立てるとは化粧という力の侮れなさを痛感する。

オルレアの首元、肩筋、両腕の健康的な肉付き。やせ細ってるでもなく太り過ぎでもない、抱き心地の良い男好きのしそうな黄金比のようなバランス、他の誰にも指一本たりとも触れさせはしないが。

 オルレアの乳房、その豊満さは重力に逆らいメイド服の胸元を力強く押し上げているのに歩くたびにフルリフルリと柔らかそうに重量感のある揺れ方で目を誘惑してくる。劣情のままに揉みしだけばとハリと弾力と柔らかさが指先と手の平を楽しませ、時を忘れてこの乳房をいじくり倒すことだけしか考えられなくなる魔性の乳房だ・・・その魔力に取りつかれて昨日も一昨日も、おそらく今日もその豊かな双丘に包まれて果てるのだろう。

 オルレアの腹部、無駄な贅肉のないスラリとしたウエストはキュッと引き締まって女性たちの羨む視線を一点に引き受けている。胸や尻にあれ程豊満で柔らかな肉が付いているというのにここだけはしっかりと芸術的なまでにくびれている。

 次はいよいよオルレアの下半身を・・・独占欲とエロスのはざまで思いついた最高の構図を描く時だ。

「オルレア、片膝を立ててくれる?」
「ええ、どうぞ心行くまでご覧下さい旦那様」

 ソファーへ優雅に座るオルレアが右足を立てるように足を崩した。あえてここにおさらいしておこう、オルレアはミニスカートタイプのメイド服を着ている。当然スカートはあられもなくめくれ上がって・・・

―――――レースに
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