お嬢様のしもべ「職業選択オワタ」

世界が昼から夜へと緩やかに移り変わる一時…黄昏れ時。
それは、大抵の家庭では夕食への準備にとりかかる時なのですが、
僕の仕える『お嬢様』にとっては、目覚めの時になります。

さて、そろそろ、起こしにいくことにしましょうか。

「……もう、晩ですよ、メルフラーゼ様。
目覚めの紅茶もちゃんと用意してありますので、さっさと夢から
覚めてくれませんか」
「言われなくても、現実に戻ってきてるわよ…」
いつもなら透き通るような声も、この時だけは気だるげなんですよね。
「だったら寝返りを打たずにベッドから降りてください」
「はいはい……………
…んっ、ふわぁあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
とてつもなく長い銀髪に覆われた頭をワシャワシャとかきながら、
お嬢様はようやく半身を起こしてくれました。
目ぼけ眼でこちらを見るその姿は、とても夜の貴族であるヴァンパイアの一人とは思えない
だらけっぷりです。他の魔物と変わらないであろうグダグダさです。
僕がいなかったら今頃はどんな生活をしていたのか
想像するだけで恐ろしくなります。

〜〜〜〜〜〜
『我が娘が、その少年を欲している。
我らが不興を買いたくなければ、今回はその少年を差し出すのだ。よいか?』

僕の住むこの街は、魔物や野盗などに襲われることが多々ありましたが、
ある時から街外れに屋敷に構え、この街を縄張りにするようになった
ヴァンパイアさん達のおかげでそんな脅威から逃れることができました。
ところが今度は、そのヴァンパイアさん達が
人間の男性を要求してきて、街の人達を悩ませるようになりました。
しかし、それは十数年に一度あるかないかという要求だし、選ばれた男性も
別に命を落とすこともなく、単に住み込みの使用人に近い生活を送ってるようなので
街の人達も「ならいいか」と納得することになり、今回は
この僕――ウィット・アルバス――がお嬢様に選ばれたというわけです。
最初は「僕の未来へ羽ばたく可能性オワタ」と思いましたが「考えてみれば
無条件で勤め先が決まったようなものだしむしろハジマタ」と妥協して、
ヴァンパイアさん達の住むお屋敷の門を叩いたのです。
そして、奥様はこの屋敷をお嬢様に譲ると、旦那様と共に
この街を去っていきました。
ときどき、お嬢様のお姉さんがここを尋ねてきたり、街の人達が
ワインや食料などを差し出しにくることがありますが、基本的にはこのお屋敷には
僕とお嬢様しかいません。
14歳の世話焼き少年と17歳のダメ魔物娘の二人きりなのです。
〜〜〜〜〜〜

「どうせやることないんだから、ゴロゴロしててもいいじゃない」
「お姉様のように武術をたしなんだりしてはいかがですか?」
「あんな蝙蝠マニアの真似なんかしたくないわよ」
蝶マニアのあなたが言えることじゃないですけどね。
「それより、小腹が空いたわ。ホットケーキでも焼きなさい
いいわね、ホットケーキよ、ホットケーキ」
お嬢様が舌舐めすりして僕と目を合わせてきました。
「………かしこまりました」
またかと思いながら、僕は嘆息して台所へ向かうことにしました。

「んんっ、ちゅうううううっ、んちゅっんちゅっ、ちゅっ。
こんなにおいしいオチンチンを持つなんて、生意気なんだから…」
テーブルの上の皿に盛られた、出来立てのホットケーキを無視して、
お嬢様は僕の性器にむしゃぶりついていました。
食事の前に喉を湿らせるといって僕の血を吸ったせいもあり
お嬢様はいつにも増してヤる気まんまんになっています。
僕も、お嬢様のこのいやらしい注文をもう何度も受けたり、たまに
事前に血を吸われたりもするのは、よくあることなので、こんな展開になるのは
わかっていましたが、やはり吸血されてると興奮が普段と段違いになります。
「さ、先っぽばかり、吸うの駄目ですよっ」
「こら、しもべが主人に命令しないの。
ちゅぶっ、ちゅ、んぶちゅっ。ああ美味しい、オチンチン美味しいっ。
んぶ、ウィットのオチンチンは…ちゅちゅちゅっ…臭くて、はむっ、美味しいぃ……
オス臭いの、好きっんちゅっ、好きっ、はあっ…くっさいオチンチン好き、ちゅぶぶぶぶっ」
臭いとか言われるの嫌なんですけど。
お風呂にはきちんと入ってるのに、これ、そんなに臭うのかな?

はむっ

「ああああっ!」

僕はつい叫んでしまいました。
お嬢様が亀頭を甘噛みしてきたのです。なんてことを…!
「ふふ、お前はこうやってカミカミされるのにホント弱いわねぇ」
それに強い男の人っていないと思いますけど。
「いい顔するんだから、もう……
…ああ、ウィットのその顔、たまらないわ…はみゅっ、まむっ、れろれろっ……
ちゅ、れろっ、かぷうぅっ…ちゅろっれろっれりゅりゅっ……」
僕を仕留めるためにお嬢様が総攻撃をかけてきました。
それにしても、こんな
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