それなりに人物紹介
・堕落の乙女達=この物語の主人公である「あなた」のハーレムを構成する
魔物娘達の総称で、幼女から大人の女性まで色とりどりの九人。
フラグが立つための条件が異常にゆるい。
・デルエラ=魔界の第四王女。「あなた」と出会うことで暴力的になっていった。
レズっ気があるためなのかは不明だが、彼女のフラグは立たない。
あなた=狡猾で往生際の悪い性格の下っ端兵士だったが
いくつもの偶然と機転によりチートインキュバスとなる。嫁達は好き。お酒は大好き。
武器トーナメントでのマリナのひどい優勝により
一応は主催国の面子が首の皮一枚で保たれたこの大会も、いよいよ
大詰めとなっていた。
「ついに団体戦か」
俺は今後とるべきいくつかの案を、脳内で吟味していた。
厳密にいうと、おおまかなルートはデルエラとの話し合いでできているので
予想外の事態をいくつも思いついてはそれぞれに対応を練っているのだ。
今の俺ならいきあたりばったりでも何とかできるが
それは生来の性分が許さないわけである。
「ほとんど結果が見えてるトーナメントだから…
…勝敗では、そんなに盛り上がらないんじゃないかな………
乱戦の目まぐるしさに観客が沸くことはあってもね」
「トーナメントはな」
もうマリナにも今の流れを教えてもいいかもしれん。
「む、もしかして、また何かしでかすつもり?」
俺の胸に顔をうずめていたマリナが、口をへの字にして睨みつけてきた。
「おにーちゃんったらだめだよー」「デルエラさまに煮て食べられちゃうよー?」
「しないわよ!」
白いロングヘアを逆立てて魔王の娘がロリロリシスターズを怒鳴りつけた。
その魔性全開なキレっぷりを見た俺たちは『今のあんたはやりそう』と
心の中で思考を一致させていた。
こんなんでも心酔してくれてる部下が山ほどいるというのだから
魔物ってのはどいつもこいつもイカれてるぜ。
「けど、いまのデルエラさまなら、やりむぐっ!?」
今宵が血相変えてミミルの口を塞いだ。危なっ!
「それはともかくだ」
俺は話を元に戻すことにした。
「何が言いたいかというとだ、団体戦にエントリーしてる
『名誉の五人』ってチームが怪しい。どのくらい怪しいかというと
俺の感覚では魔物に化けた人間じゃないかって思えるくらい怪しい。
デルエラによると、あいつらなぜか敵意や殺意とか憎悪といった感情を孕んで
こんな呑気な大会に臨んでるそうなんでさらに怪しい。誰か殺したいのかもしれない。
直接そいつを狙わないでわざわざ大会に出るということは
優勝トロフィーを贈与するお偉いさんがターゲットの確立断トツでやばい。
以上で推測終わり」
「ちなみに、そのお偉いさんは私だけど、贈与役は彼にバトンタッチしたから」
「なんでですかぁ!」
おいマリナ、至近距離ででかい声出すなっつーの。
「そんな、この人にもし何かあったら、わたし、わたしっ……
…もう、生きていけないよぉ…」
「…それは、わ、わたくし達も、同じですわよ………ちゅむっ…」
心配するのか指しゃぶるのかどっちだ。
「大丈夫でしょ」
あっけらかんとデルエラは言ってのけた。
「こう見えても、彼は私に食い下がるくらいの実力あるんだし、
たかだか五人くらい、何とでもなるんじゃない?勇者とかいなければ」
「いたらお仕舞いやないですか」
不安に震えるミミルを抱きしめる今宵が、気丈にそんな反論を返した。
「そこで諸君らの出番なわけだよ」
俺は不安がるマリナ達に今後の計画を話し始めたのだった。
団体戦はアクシデントもなく順調に進んでいった。
やはりというか何というか、あの『名誉の五人』は苦もなく勝ち進み、
優勝候補である『雨の旅団』との決勝戦へと駒を進めた。
「…ねえ、ニンゲン達が魔物娘に化けてるとしてもさ、なんであいつらは
ここの魔力の影響をうけないの?
本場じゃないとはいっても、ここだって魔界には違いないでしょ?」
もっともな意見をプリメーラが口にした。
「対抗策を練っているんだろう。魔力を遮断する魔法かアイテムか
あるいは加護を与えられているか……仮に手遅れになっても
完全に魔物になる前に自決すればいい、そう考えてるのかもな」
「形振り構わない手に出てきたものね。
やっぱり、教団が裏で糸を引いているのかな」
おいおいマリナ、主神の信徒たちを悪の組織みたいに言うか普通。
「…人々をどれだけ犠牲をしても構わずに、魔物を殺戮していくなんて
もう………絶対にしたくないし誰にもやらせないよ。主神なんて関係ない、そんなの
正しい行いじゃないんだから………!」
俺から言わせれば、それも、魔物の価値観に蝕まれた『正しくない』思考なんだがな。
魔物を悪と断じて一方的に殺戮していくのが正義でないなら、
人間を一方的に捕獲し虜にすることが正義だというのか?
それ
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