ここは魔王城。いつもはちょっと不気味だがのんびりしている雰囲気なのだが、今日はかなりピリピリとしている。それもそのはずだ。人間軍が、正確には教会軍が攻め込んできたのだ。
「偵察より報告!敵軍は騎馬隊を筆頭に、弓兵部隊、魔術部隊等かなりの戦力となっており、数はおよそ十万以上!」
「了解、ではこれより迎撃作戦を開始する!」
おっと、紹介が遅れたな。俺の名はキース。数年程前までは勇者をやっていたが、魔王が代替わりした際に魔物が女性化して、それを殺しにくくなったときに今の嫁と出会って、結婚してここにいる。ああ、ちなみに俺の嫁はデュラハン、魔王騎士団の第二騎士団団長。俺は勇者部隊第二隊長だ。
デュラハンとの生活
「第一騎士団は城の守りにつくため、我ら第二騎士団が敵軍に攻撃を仕掛ける!まずは砲撃と弓、火炎系魔法で牽制する、準備を始めろ!!」
『イエッサー!』
彼女が命令すると部下達が各々の部隊へ命令を遂行するために戻っていく。
「ようマリッサ。」
「ぬ、キースか。なんの用だ?」
「いやさ、俺達に手伝えることはないかな〜、と思ったのでね。」
「問題無い。相手はただの人間、我々だけで十分だ!」
おー、さすが騎士団長、凄いプライドだ。
「だけどさ、その人間に負けたよな、お前。」
「あ、あの時は、その・・・首がうっかりと・・・ぬ、敵が見えたぞ。」
「ちっ、タイミング悪いな・・・お?」
「どうした?」
「いや、あの旗には見覚えが・・・。」
テントが張ってある本部の1キロほど先にある丘に見えた教会軍。そこにちらほらと見える旗。
「あぁ・・・確か、教会南部支部の・・・ということは!」
「ん?」
「・・・マリッサ、ちょっとこの戦、俺も出るぜ。」
「なぜだ?」
「あの部隊には・・・後輩が居る。」
「後輩が?だがそれだけなら・・・。」
「いや、それだからこそだ。だって、あいつは俺が直々に稽古をつけてた弟子みたいなもんだ。しかも、元から才能があったのかびっくりするようなスピードで成長していった。もし、俺が居なくなってからも鍛錬を続けていたら・・・お前じゃ勝てない。」
「貴様!私を愚弄するか!」
「そうじゃない!・・・ただ・・・心配なだけだ。あいつは根っからの反魔物派だから。」
「キース・・・。」
そうやって彼女が微かに潤んだ目で俺を見つめてくる。そのまま、俺達の距離は近づいていき・・・。
「団長!攻撃の用意が出来ました!ご指示を!」
連絡係が入ってきて、俺達は一瞬で離れた。
(わ、私はキースと何を・・・戦場なのに。気を引き締めろ!)
「わ、分かった。では・・・開始!!」
彼女の号令と共に、弓矢やら魔法やら砲弾やらが教会軍に向かって飛んでいく。そして数瞬の後に耳に届く、轟音。ここが、戦場となった瞬間だった。
簡単に言おう。俺達は劣勢だった。こちらも結構頑張っているが、向こうは洗礼された武具防具を身に纏い、恐らく隊長であろう後輩、イアンが一騎当千の力を見せ、ガンガン攻めてきているのだ。
「報告!第三騎馬部隊と第二魔法部隊が戦線を維持出来なくなり撤退、第二騎馬部隊も押されています!!」
「ぬぅ・・・第三騎馬部隊と第二魔法部隊は連携して第二騎馬部隊の援護に回るように!あと、ハーピー部隊に空襲作戦を!」
「はっ!」
「・・・クソッ!相手はたかだか人間・・・それに押されるなぞ!」
マリッサが悔しそうに顔を歪める。自身の指揮官としてのプライドを傷つけられた為だろう。
「・・・やっぱり、俺出るわ。」
「キース!・・・良いのか?相手は・・・。」
「平気さ。それに、俺はもう、散々魔界にいてインキュバス化してるんでね。あいつらからしたら静粛範囲内さ。」
「キース・・・。」
「んじゃ、行って来る。」
そういって、俺は彼女に軽くキスをする。
「ん・・・無事で帰ってこいよ。」
「イエッサ!」
さて、この混戦・・・一番手っ取り早いのは頭を潰す事だが・・・よし。
「えーと・・・あ、そこのハーピーの君!」
「は、はい!何でしょうか?」
「俺をさ、最前線まで連れてってくれないか?」
「え・・・なぜですか?」
「頭を潰す。そうすれば相手は統率が取れなくなり、その隙に巻き返せる。」
「か、頭を潰す!?そんなことが・・・。」
「出来るかどうかはやってみないと分からない。とりあえず、俺を運んでくれ。すぐに離脱していいから。あと、空襲作戦はもう少し待ってくれと他のハーピーに伝えてくれ。」
「い、イエッサー!」
おー、空から戦場を見ると感動するな。・・・ん?あれは第一騎馬部隊長、ケンタウロスのウリアじゃないか。うわ、長い槍で剣士5人まとめてふっ飛ばしやがった。あっ
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