ニューイヤー・スノー

新年雪女ショタSS


「今年も後僅かですねぇ・・・」

「そうだねー。 今年もいろいろあったよねぇ」

「恭弥くん、家族と一緒に年越さなくていいの?」

「うん。今年は冬美ねーちゃんと一緒に年越しするんだー♪」


 今年もまた、一年が過ぎ、新しい一年を迎えようとしていた。ボク、恭也は隣に住んでいる雪女の冬美ねーちゃんと大晦日を過ごしていた。
普通は家族と一緒に年を越すはず。ボクも去年まではお父さんやお母さんと一緒に年を越してたけど、今年は違う。
 冬美ねーちゃんは今年、ボクが小学六年生に上がる頃に隣に引っ越してきた。なんでも近くの会社に入社したとかで、
北海道から引っ越してきたんだそうだ。ボクが小学校に登校する時、大体冬美ねーちゃんも会社に行くから、ほぼ毎朝冬美ねーちゃんと登校してた。


「恭弥くん、学校楽しい?」

「うん、楽しいよ! 友達といつも昼休みドッジボールしたり、ケイドロしたり! あ、お茶もらうねー」

「ふーん・・・ねぇ、彼女とかいるの?」

「ぶふぉっ!?  ゲホッ、ゴホ・・・い、いきなりなんなのさ!?」

「んー? ちょっと気になってねー。  で、いるの? 彼女」

「い、居ないってば!   ボクが好きなのは・・・ボソボソ」

「ん? なんか言った?」

「な、なんでもない!!」


 突然の出来事にボクは恥ずかしくなって、冬美ねーちゃんにそっぽを向いた。顔が真っ赤になって熱くなって・・・ああ、もう!


「あ、恭弥くん」

「な、何? 冬美ねーちゃん」

「年越しそば、食べる?」

「あ、えと・・・うん、食べる」




 つるつると、冬美ねーちゃんが作ってくれた年越しざるそばを啜っていく。良くスーパーとかで売ってる大量生産品だけど・・・


「恭弥くん、どう? 美味しい?」

「・・・うん、美味しい!」

「良かった♪  でも、ごめんねー。冬なのに冷たいお蕎麦で。 私熱いの苦手で・・・」

「ううん、ボクもざる蕎麦好きだから大丈夫! 美味しいよ!」

「クスッ・・・ありがと♪」


 ボクがざる蕎麦美味しいというと冬美ねーちゃんが小さく笑ってくれる。本当に冬美ねーちゃんの笑った顔が可愛くて、綺麗で・・・

 
ゴーン 

「あ、除夜の鐘始まったよ」

「本当だ・・・ねぇ、これ食べて片付けたら、一緒に鐘つきに行かない? ちょっと外寒いけど・・・」
 
「寒くたって平気だよ。 一緒に行こうよ!」

「ふふ、子供は風の子、かぁ。 よし、じゃあ早く食べちゃおっか♪」

「うん!」  





  ゴーン

 一年が終わる頃にお寺の鐘でつかれる除夜の鐘。 おばあちゃんから、人間には一〇八つの煩悩があって、それを祓うために鐘を一〇八回つくと
聞いたけど、難しい話でボクにはちょっと理解できなかった。



「うぅ・・・寒い・・・」

「恭弥くん大丈夫?」

「うん・・・」


 ウチの近くにあるお寺は、ちょっとした山の頂上にあるから、鐘を突くためには軽く登山しなきゃいけない。しかも、山を登ればそれだけ気温が下がるから・・・。


「冬美ねーちゃんは大丈夫? 寒くない?」

「恭弥くん、私雪女だよ? 寒いのはへっちゃらですよー♪」


 家を出る前はへっちゃらと言ったけど、やっぱり寒いものは寒い。雪女である冬美ねーちゃんはむしろ元気になってるような気がするけど、
ボクは寒さに震えていた。


「ねぇ、恭弥くん」

「な、何ー?」

「手、繋ごっか♪」

「い、いきなり何!?」

「ほら、手を繋げば人肌で暖かくなるかなーって。   あ、でも私雪女だし・・・あんまり暖かくないかも・・・」

「・・・ううん。そんなことないよ!」

 ボクはつけていた手袋を外し、冬美ねーちゃんの手をつないだ。雪女だからか冬美ねーちゃんは手袋をつけてなくて、繋いだ手はちょっと
ひんやりしてたけど、なんか、暖かい気がした。


「きょ、恭弥くん!?」

「へへ・・・冬美ねーちゃんの手、暖かいよ」

「・・・恭弥くんの手も、暖かいわ・・・♪」




そんなこんなで山を登りきり、お寺にたどり着いた。幸い他に人はいなく、お寺のお坊さんがまた一つ、鐘を鳴らした。


ゴーン


「きゃっ・・・近くで聞くと、やっぱり音大きいねー」

「うん・・・じゃ、行こうよ」

「うん。   すみませーん!」

「おや、こんばんは。 君たち、除夜の鐘をつきにきたのかね?」


 冬美ねーちゃんがお坊さんに声をかけた。お坊さんは70歳くらいの、長いヒゲを生やしたおじいさんだった。


「そうなんです・・・鐘、ついてもいいですか?」

「今鳴らしたばかりじゃから・・・一分待ってくれるかね?」

「分かりました。ありがとうございます」


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