司会バフォメット(以下司会バフォ)「さぁさぁ!今週も始まりました!激運!どんなもんでも鑑定団!」
助手サキュバス(以下司会サキュ)「我々どんなもんでも鑑定団は、その名前通り『どんなもの』でも鑑定します!」
司会バフォ「今日はどんなお宝が現れるのでしょうか!」
助手サキュ「ええ、私!ワクワクしちゃいますっ!」
司会バフォ「それでは…」
助手サキュ「オープンザプライス!」
依頼人1人目 沙悟清(さご きよ) 河童(34) 職業:農家
司会バフォ「こんにちは!ようこそどんなもんでも鑑定団へ!」
沙悟「はい、初めて上京してきた身故に不束者ですがよろしくお願いします。」
助手サキュ「それでは沙悟さん、貴方のお宝を拝見させていただきましょうか。」
沙悟「はい、こちらになります。」
〜本日のお宝No.1 宿李杏祐(やりあんすけ)の武者山羊娘屏風図〜
司会バフォ「これは…屏風ですね。」
助手サキュ「描かれているのは甲冑を着たバフォメットみたいですが…今にも屏風から飛び出してきそうな迫力と、本当に生きているかのような繊細さがあります。」
沙悟「お褒め頂きありがとうございます。この屏風は実家にあったもので、なんでも私の家に代々受け継がれているモノなんですよ。しかも、あの水墨画の巨匠である宿李杏祐の描いたものだと思うんです。ほら、隅にハンコが押してあるでしょう?」
助手サキュ「確かにしっかりと押されていますね。」
沙悟「あまりにも綺麗すぎるので最初はニセモノかと思っていましたが、昔のハンコはインクが残りやすいというの聞き、本物じゃないかと思うようになったんです。」
司会バフォ「なるほどぉ!昔のハンコは実際インクが滲みやすい魔界象の象牙が使われていましたからね!」
〜本日のお宝No.1ナレーションタイム〜
ナレーション(種族不明)「宿李杏祐は、オオエド時代のジパングで一時絶大な人気を誇った水墨画界の大家である。」
ナレーション「20歳から32歳の青年時代におおよそ1万もの作品を残すほど精力的な彼だったが…35歳になってからは画家を引退し、以降は90歳で病に倒れるまで細々と匿名で活動し続けたという。」
ナレーション「今回の依頼品は、そんな彼の作品である武者山羊娘屏風図だ。甲冑を着けたバフォメットという異色の作品だ。」
ナレーション「新魔王歴899年の博覧会に出品された際は、斬新さで多くの人だかりができた名画だが果たして本物なのだろうか?」
〜本日のお宝No.1鑑定タイム〜
司会バフォ「それでは鑑定結果がでました!沙悟さん、ご自分での評価額をお願いします!」
沙悟「えーと、普通に100万ゴールドで。」
ジャラジャラジャラジャラ…………
ジャキーンッ!
1000,100(100万100)ゴールド
沙悟「予想価値より高かったのは嬉しいんですが、100ゴールドだけとはなんだか微妙ですね。アハハ…」
司会バフォ「鑑定人さん、解説をお願いします。」
鑑定人ぬらりひょん「単刀直入に言わせて頂きますと、ニセモノですね。もし本物であれば2000万ゴールドの価値があります。」
沙悟「ニセモノですか……」
鑑定人ぬらりひょん「ですが、沙悟浄さん。そう気を落とさないでください。ニセモノといっても、屏風そのものには金箔や高級な和紙が使われている上、この絵を描いたのは後に浮世絵師として世を風靡することになる厳陀羅斎(がんだらさい)なのです。」
助手サキュ「厳陀羅斎というと、あの文化遺産の蛮岳四九景(ばんがくよんじゅうきゅうけい)を描いたあの!?」
鑑定人ぬらりひょん「ご明察です。そんな彼なんですが素行は悪く、若い頃は高名な絵師の作品の贋作(がんさく)を売り捌いて回っていたんですね。しかも作者の名義を示す押印も複製するという徹底ぶり。この屏風もその一つです。」
助手サキュ「それって犯罪じゃないですか!」
鑑定人ぬらりひょん「肝心の出来栄えはあまりにも本家とはかけ離れており、絵の描き方どころか画材の材質や大きさも違うので本物を一目見れば、素人も1発で見抜けるほど違いがありすぎる…それどころか別物です。しかし、彼のスタイリッシュな作風のおかげでニセモノと分かっていてわざと買う人が居たり、政府も「これはこれでカッコいい」と取り締まらずに見逃していた訳なんですよ。」
沙悟「良くも悪くもいい加減ですね…当時の方々。」
鑑定人ぬらりひょん「芸術的価値こそあるのですが、流通量が多い為価値は低めとなっております。」
沙悟「そうなんですか、解説ありがとうございました。」
司会バフォ「沙悟さんのお宝の鑑定は以上となります!次の依頼人にいってみましょう!」
依頼人2人目 リース・グリド
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