あの悪魔のハンマー投げを喰らってからかなり気を失っていたのか、周りが夜になっていた。
「初日から野営とは災厄だな。」
そう言いながら森の中から出るために歩き出した。
おっと、自己紹介がまだだったな。
俺の名は、ザック・バレルゲイナー。
徒手空拳の武術「鋼心銃拳」の使い手だ。まだ一人前に成ったばっかりだが。
それで一応悪魔と揶揄するやつが師匠だ。
人をシゴク事に関して間違いなく勝てる者がいないほど人でなしである。
弟子に技をぶちかまして殺し掛けるなんて事は当たり前、生死の境目を何度行き来したことか。
だから人目につかない田舎の森の奥で修業をしている。
側から見れば計画的殺人を行っていると思われるほど。だから弟子が俺一人なんだがな。
そんなこんな言いながら森を抜けたようだ。
「何年ぶりかな、外に出て来たのは。」
偶に酒を買わされに行かされたとき以来だからな。
ついでに買う酒の量は、近くにある村にある分全部だ。
それを一人で運ばなければ成らない、いじめ以外なんでもない行為だ。
しかし村まで4時間はかかるから野営できる所に行くか。
森を出て20分ほど歩いていたら煙が見えた。
「誰か野営してる人がいるのかな?」
旅は道ずれ世は情けと言うし、一緒に野営させてもらえるかな。
と思い、そこに行ってみれば。
「おや、旅人かい。」
そこに居たのはリザードマンだった。
「あ、どうもすみませんが一緒に野営させてもらえませんでしょうか。」
「ああ、かまわないよ。」
「ありがとうございます。」
「だがその前に。」
「え。」
「私と勝負をしろ。」
「な、何で。」
「お前旅人だろ、なら腕には自信があるだろ。」
と言い剣を抜いた。
「いや、別に戦う必要は無いんじゃ・・」
「なら別の所で野営しな。」
「わかりました、やりますよ。」
しぶしぶ言いながら戦闘体制に入る。
「おい、武器を持たないのか?」
「俺は拳が武器なんだ。」
「お前馬鹿にしているのか、リザードマン相手に素手で相手するとは。」
「馬鹿にしてないさ、正真正銘徒手空拳の使い手さ。」
「なら後悔することになるぞ。」
凄まじい殺気とともに構えを取る。形は図鑑に載っている姿と同じ右足を前に出しやや下に剣を構えている。
対してこちらは仁王立ち。ただ、拳が変色している以外ただ立っているような姿勢。
そして、リザードマンから先に動いた。剣を右下に構え切り上げ、逆方向に下ろし再度切り上げ、横一文字を入れる。
動きに無駄が無く隙が生じにくい、かなりの修練者だった。
だが彼の師匠のシゴキに比べたらまだまだだった。
「動きはいいですけど、私から見て遅いですね。」
「く、だが先ほどから攻撃するそぶりが無いが余裕が無いんじゃないか。」
「いいえ、ただ少しやるからには相手の戦い方を学びたいと思いましてね。」
「だいぶわかった気がしますので、終わりにさせてもらいますよ。」
「な・」
彼女が横一文字を入れようとした瞬間、左手で剣の先端の下を持ち右手で根元近くを上から押さえ、彼女の振る力と端と端を持つ手に力をこめると。
ガキィーーーン
「馬鹿な。」
彼女の剣が折れた。と同時に空中で剣の向きを変え先端を彼女に向けた状態にし右手の甲に根元の断面を当て思いっきり裏拳を振り抜く。
一瞬の出来事に反応が遅れ避けることが出来ずに剣が腹に突き刺さる。
そして
「即席型ブレードパイルバンカーショット、ファイヤーーー!!」
刺さると同時に右手から衝撃波を打ち出す。剣が衝撃波に押され彼女を空へと飛ばす。
「何・・・なん・・だ、この・・・技・・・は」
地面に落ちると同時に気を失った。
「手加減はしたからそんなに傷は深くないはずだな。」
「剣はそこまで刺さってないな、衝撃波で内臓の損傷もしてないし。」
「これなら簡単な縫合と治癒促進の秘孔で十分だな。」
「傷を残すのも不味いしな女である以上は。」
荷物から道具を取り出し、手当てをする。
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