『コツッ、コツッ、コツッ・・・』
とある地にそびえる古城。
石造りの冷えた古城を地下に下る螺旋階段を、ランタンを持った執事と、主である美女が下りていた。
「彼女はどんな様子?」
金髪ショートの美女がマントと自分の羽をはためかせて歩く。言葉を放った口からは、大きな犬歯が覗く。
彼女はヴァンパイアの『キュリー・D・イルミナス』である。ヴァンパイアの中でも傲慢な性格であり、人を強く見下す女性だった。
「はい、キュリー様。現在、地下牢に繋いでおります。手枷と足枷には魔法がかけてありますし、首輪に力を吸わせる仕組みをちょこっとしかけてありますゆえ、逃亡は不可能。さらに、二、三日ほど、ほとんど食糧を与えていないため、だいぶ衰弱しているかと。しかし、やはり『吸血鬼』の血か、まったく見た目と精神の衰退は見られません」
執事の名前は『アトラス』。幼いころからキュリーに仕えて十数年になる、30近い執事である。
「よくやったわ。珍しく役に立ったわね」
「お褒めに預かり、光栄です」
ニコリと笑って返すアトラスに、キュリーは鼻で返した。
「キュリー様、こちらにございます」
微笑んだアトラスが地下牢の扉を開けると、中には銀髪ロングの髪を垂らして、服や鎧があちこちズタボロになった、これまた美しい美少女が両手両足に枷をつけられ、Xの字で壁に拘束されていた。
「ごきげんよう。私の執事ごときにボロボロされた愚かなダンピール。ご気分はいかが?」
「・・・執事さんに対して感謝の念もないのかしら」
拘束されているというのに、ダンピールは余裕のある不敵な笑みを浮かべてキュリーに言った。
「こいつは私の下僕。私の身を守るのは義務以外の何物でもないわ。」
「人間を見下して当たり前のように言うな!」
その瞬間、微笑んでいたアトラスの目が険しいものになり、ダンピールの口を塞ぐように小顔の鼻から下を掴んだ。
「むぐっ!?」
「キュリー様に無礼な口をきくな小娘。度が過ぎると、私が貴様の息の根を止めるぞ」
その目にはありありと殺意がにじみ出ており、ダンピールの少女に僅かながら恐怖を感じさせた。
「やめろ、アトラス。誰が勝手に手を出していいと言った」
静かなキュリーの声にハッとしたアトラスがサッとダンピールから手を離した。
「申し訳ありません、キュリー様。つい、頭に血が上ってしまいまして・・・」
「己が感情くらい制せ。この愚鈍が」
「以後、気をつけます」
キュリーが見下した視線と罵倒をアトラスに送るのを、少女は歯を食いしばって見ていた。
「第一、今壊してしまっては、楽しくないではないか」
「・・・W楽しむW?」
ダンピールの少女が眉を歪めると、キュリーはニヤリと犬歯を見せつけて言った。
「人を想い、吸血鬼を嫌う半人半魔の小娘を、このキュリー・D・イルミナスが、二度と吸血鬼に逆らえぬ牝下僕に貶めてやろう、と思っているのだ。それに伴い、少しは楽しませてもらおうと思ってな・・・フフフフフフ・・・」
キュリーの妖しい笑いは、ダンピールの恐怖を掻き立てた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「キュリー様、準備が整いました」
一度部屋を出たアトラスは、カートに様々な瓶や小道具を乗せて来た。
「よし・・・始めろ」
「はい、わかりました」
キュリーに言われると、アトラスはひとつの瓶の蓋を開け、ボウル状の容れ物に中身をあけていった。
「な、なにをする気だ・・・」
ダンピールが尋ねると、キュリーはニヤニヤしながら言った。
「貴様が一番分かっているだろうが、貴様らダンピールは吸血鬼の血を引きながら、聖水やニンニク、太陽の光に対して耐性がある。それは…認めたくはないが…人間の血が強いからだ。しかしそれは、貴様らが人間寄りの体質を持っているということだ。ならば、それを利用して調教してやろう」
そこまでキュリーが言った時、無言で待機していたアトラスが、なみなみと注がれた黄色い粘液を入れたボウルと一本の絵筆を持ってダンピールに近づいた。
「ちょっと失礼」
そう一言ことわったアトラスは、ダンピールの服を掴み、胸が露出するようにソレを破り捨てた。
『びぃりりりっ!』
「きゃっ!?」
「・・・ほう、そんな生娘のような声を上げられるのか」
キュリーがニヤつきながら言うと、ダンピールがキュリーの目を睨み返した。
『べちょっ』
「ひゃんっ!?」
その時、ダンピールの胸、乳輪周りをねちゃりとした感触と冷たさが襲った。
「な、なに・・・なにを塗ってるの?」
「なに、じきに分かりますよ」
アトラスは黄色い粘液を絵筆に染み込ませ、ダンピールの乳輪を主に、乳首には余り触れないように塗りたくる。すると、ダンピールの身体
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想