・・・弊害…発生…
・・・対抗…魔力…不足…
・・・『拘束』…継続…不可能…
・・・危険…危険…危険…
・・・宿主…魂…沈モk…
・・・………………………
・・・『ギャハッ』・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[女子寮『アルラウネ寮』]
[アルラウネ寮、308]
「・・・・・・」
308号室のベランダで、サティアがぼーっとしていた。
ベーゼはというと、一人で大浴場に行ってしまった。サティアに何度声をかけてもぼーっとしていたからだ。
(・・・媚薬付きとは言え、ベルンに抱かれたのよね。私・・・)
媚薬の効果か、処女の痛みどころか、出血さえなかったサティアは、今、思い出してそれを実感していた。
「・・・うへへへ
hearts;」
だからと言って涎を垂らしながら妄想するのは如何なものか。
さて、そうしていた時、ふとサティアが下に視線を落とした。
「・・・あれ?」
ベランダの下。一階の庭に、一人の影が見えたからだ。
「・・・・・・・・・」
ベルンだった。周りをキョロキョロ見渡し、女子寮の庭をウロウロしていた。
(ベルン!?なんでこんなとこに!?)
すでに時間は門限の8時を過ぎていた。こんな時間に男子が女子寮にいれば、規則破りが露見する。ただでさえグレー状態のベルンを、見過ごすわけにはいかなかった。
「ベルン!アンタ、なにしてんのよ!?」
あまり大きな声は出せなかったが、できるだけベルンに聞こえるようにサティアが叫んだ。それが聞こえたようで、ベルンが上を向いた。
その瞬間、サティアにゾワリと悪寒が走った。
「・・・う?」
『何故か』はわからない。が、『何に』悪寒を感じたかは、サティアはわかった。
ベルンの笑い方だった。
ベルンはサティアを見た瞬間、笑ったのだ。
にんまりと、口角を吊り上げ、まるで、口裂け女のように。
『・・・ダンッ!』
次の瞬間、地面を蹴る音が聞こえ。
「きゃっ!?」
「・・・よォ、サティア。会いたかったぜ」
サティアのベランダの手すりに、ベルンがヤンキー座りをしていた。
「あ、アンタ、今・・・跳んだの?」
「おォ、そうだが?」
「ここ・・・3階よ?」
「そうだな、結構高いなァ」
ベルンはニヤニヤ笑いながら下を見てそう言った。口角を限界にまで引き上げた笑い顔は、間近で見たサティアにさらなる不気味さを感じさせた。
「・・・なんだよサティア?どうして後ずさるんだよ?」
ニヤニヤ笑うベルンから、サティアは距離を取った。
「・・・アンタ、何者よ?」
「ン?変なこと聞くな?俺だよ、ベルンに決まってるじゃんか」
「・・・ベルンはそんな笑い方しないわ」
「いっつも同じ笑い方しかしない人間がいるかよ?」
ベルンがニヤニヤ笑いながら近づく。そもそもそんなに広くないベランダだ。すぐサティアは後ろに下がれなくなる。
「・・・なら、恐怖症はどうしたの?」
「ン?」
「アンタ、高所恐怖症だったじゃない」
その言葉に、ベルンはバツが悪そうな顔をして「・・・あー、あー」と言った。
「ンーとな、えっと・・・治った」
「治った?」
「そう。治った。この前、洞窟の中に転がり落ちたじゃんか。あれがきっかけで治った。いや。ウソじゃねぇんだぜ?」
「・・・ふーん。そう。『木登りが得意だった』ベルンが高所恐怖症だったなんてね」
「・・・ア?」
瞬間、ベルンが首を傾げた。
そう、ベルンが高所恐怖症だったというのは、サティアの吐いた嘘だった。
「『固まれ』」
瞬間、サティアがベルンの目を睨み、ベルンが動きを止めた。
「ベルンじゃないなら好都合。このまま寮長さんに突き出させてもらうわ。もうしばらく固まってなさい、不審者のヘンタイ」
そう言って、サティアは背中を向け、部屋に入ろうとした。
「・・・非道いじゃねぇか。俺を騙そうとするなんて」
背後からの声に、サティアが振り返る。
突如、サティアの首に手がかかり、そのままベランダ側に戻されたかと思うと、押し出されて、ベランダの手すりから身体を半分近く乗り出す形になった。
「なっ、あ、ぐ・・・」
『なに!?』と言う間もなく、サティアの首を掴む手に力が込められ、サティアの喉が締まる。もちろん、サティアの首を掴んでいるのは、ベルンだった。
「ギャハハハハハ!石化魔法なんて効かねェよ、バーカ!つかこっちが大人しくしてりゃァ小細工かましやがって!もうちょい話を聞いてりゃ、優しく襲ってやったのによォ!」
ベルンの顔は笑っていたが、言葉の端々に怒りがにじみ出ていた。
サティアは首にかかった腕を掴み、引き剥がそうとするが・・・
(つ、強い
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