「・・・よし」
俺は『ラドラス』。少しは剣の腕に自信がある賞金稼ぎだ。
俺は今、とある山の頂上にいく山路にいる。
目的は簡単。ここの主であるドラゴンを打ち倒すためだ。
最近住み着き、岩を落としてきたり、山を荒らしたりして恐ろしいから退治してくれと麓の村人に言われて来た。
対ドラゴン用装備もアイテムもばっちり。
大量の魔物たちに邪魔されまくったが、なんとか来れた。アイテムでHPもMPも全回復。負ける気はしねぇ。
「待ってやがれ、ドラゴンめ!」
俺は山路を勢いよく駆け上がった!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『てかこれサラダやない!皿だ!』
『なに寒いギャグかましとんねん!』
「あはははは!あはははは!!」
・・・えー?
いや、ちょ、えー???
山路を駆け上がった俺の前では・・・
ひらけた頂上のど真ん中でコタツに入って寝そべりながらクッキー?に手を延ばしつつ、テレビを見てバカ笑いするドラゴンがいた。
・・・えー?
俺さー。扉を開けたら「よく来たな愚かな人間め!」とか言う悪人っぷり全開なやつ出てくると思ったんだけどよー・・・
「あはははは・・・ん?」
「あ」
ドラゴンがこっち向いた。
目をパチクリさせて、俺を見て・・・あ、てれび消した。
「・・・えーと・・・お、お客様か?」
「あー・・・あの、お前を倒しに来た、んだけど・・・」
・・・あ、急に慌てだした。コタツから出てオロオロしてる。
「し、しばらく待っていろ!?十分、いや、五分待っていろ!!」
「あ、あー、おぅ」
ドラゴンは慌てて走って・・・あ、コケた。あ、目元拭きながら走ってって・・・あ、隠し扉なんてあったのか。入ってった。
・・・なんか拍子抜けだなぁ・・・ん?
・・・そういや腹減ってたなぁ・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふはははは!愚かな人間め!我こと『ルドラウド』様が相手をしtあーっ!?私のクッキーーーーッ!?」
「遅ぇよ。14分も待ったじゃねぇか」
俺はコタツに入ってクッキーを食べていた。うん、結構美味い、このクッキー。
ちなみにドラゴンは髪でも梳いてきたのか、サラサラしてるように見えるロングヘア。身体も拭いたのか、先ほどより碧緑の鱗がピカピカしている。
「ま、魔界から取り寄せた高級クッキーを・・・お、お前、どれだけ食べた!?」
「え?あー・・・箱の半分くらい?」
「はんぶんっ!?・・・どうやら死にたいようだなぁ?」
お、やる気だしたか!?くっ、すげぇ気迫だぜ・・・空気がピリピリと張り詰めてきた!
「このルドラウド様の怒りを買って、ただで済むと思うでないぞ!」
「はっ、上等だ。俺の剣のサビにしてやる!」
さぁ、戦闘の始まりだ!
「よし、ゆくぞ!」
「きやがれッ!!!」
『消える飛行機雲〜♪僕たちは見送った〜♪』
・・・は?
「え!?こ、こんなときに!?ちょ、すまん!しばし待て!」
突然、ドラゴンが身体をまさぐり、携帯電話を取り出した。
・・・っておい。今、腰回りから取り出したよな?どうなってんだその鱗。
『ピッ♪』
「あー、もしもし?ルドラウドだが?え?今?いや、暇じゃな・・・なに!?夫を手に入れた!?おぉ、おめでとう!」
・・・おーい?
ちょ、相手に背を向けるなよ!
・・・って言っても、たぶん聞こえないな、アレ。
「ん?リア充爆発しろとか言わないのか?はははは!私だって少しは大人になるわ!で、どんなお方なの?ふんふん、へー・・・」
・・・どっこいしょ。
・・・あー、あったまるわー。
・・・クッキー食べよ。
「・・・ほぉー、お前にぴったりだな!で、出会いは?なーにを恥ずかしがってるんだ!私に報告した時点で言う気満々なんだろうが?さ、さ、聞かせろ聞かせろ♪うん、うん・・・」
モグモグ・・・
マジ美味いな、このクッキー。
魔界から取り寄せた的なこと言ってたが、魔界にも美味いもんあるんだな。
モグモグ・・・
あ、空んなっちゃった。
「・・・なに?サバトを潰しに来た勇者に一目惚れされて?告白された?おぉぉぉっ!!なんてロマンチックな出会いだ!!私もそんな出会いがした・・・ん?あれ?」
・・・満腹になったら眠くなってきたな・・・
・・・あ、やべ、コタツの魔力と重なって、すげぇ眠気が・・・
「あー!!!ちょ、すまん!また今度でいいか!?今、ちょうど山を登ってきたヤツがいるんだ!ちょと撃退する!!え?男だったら襲っちゃえ?ババババ馬鹿なこと言うな!!!////」
・・・ぐー、ぐー・・・
「確かにちょっと好みだけど・・・えぇい、うるさい!それじゃあね!」
『ピッ♪』
「待たせたな!それでは始めyてか寝てるーーーっ!
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