七日目(前編)

[リクラスト学園、会議室]


「・・・では、君たちの話をまとめてみようか」


会議室に、4人の教師と2人の生徒+αがいた。
2人の生徒、ベルンとロックが椅子に座る真ん前に、三人の教師が座っていた。


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今の状況を説明しよう。

時間は日曜日の昼前。
ベルンたちは冒険講習から帰還後、アクリウム先生に報告した後、加えて、洞窟で起きたことやロックのバルフォスとの契約、加えて、消えた指輪とベルンの右手の紋様(これはこの時初めてメンバー全員が把握した。元々、指輪はまだベルンが持っているものと思われていた)について話した。

話を聞いたアクリウム先生は慌ててこれを校長先生に報告。今回の冒険講習に関係する教師を交えて、会議となった。

教師陣のメンツは、まずアクリウム先生。ベルンたちに課題を課した張本人だ。
次に担任であるファ先生。ベルンたちの課題場所を指定したのは彼女であった。
リーフ先生は生徒会顧問であり、課題場所の管理責任者のため呼ばれた。本来はもうひとりいるのだが、現在遅刻中である。
そして、会議最終決定を見届けるために、校長先生がいた。

生徒側のメンツは、リーダーのベルンと、ロック。さらに、バルフォスが呼ばれていた。
ベルンはリーダーとしての責任、さらに指輪。ロックはバルフォスの契約のために呼び出された。
他のメンバーは、『巻き込まれた者』として、呼び出しはまぬがれていた。

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「君たちの班のメンバー、ベルン・トリニティとサティア・ウィーリィは、アクリウム先生の課題を受け、『始まりの森丘』の森エリア奥地の水源に向かう途中、立ち入り禁止の洞窟に入ってしまった・・・なにか異論は?正直に言いたまえ」

手元にある文面を読み上げたのはリーフ・ライアーだった。彼の厳しい目つきにロックがビクリとするが、逆にベルンはしっかりと目を見て言った。

「先生、ふたつ、言わせてください」

「なんだね」

「俺たちが入ってしまった時、立ち入り禁止の看板は立ってませんでした。あと、俺とサティアは触手に引きずりこまれたんです。確かに、入口に近づいたのは正しいですが、入ろうと思って入ったわけじゃないです」

ベルンはしっかりとした口調で言い切り、露骨ではないが、訝しがるリーフの目を見ていた。

「・・・君たちは看板の存在を確認できなかった。かつ、自主的にではなく、触手に引きずりこまれてしまった。と、言いたいのだな?ベルン・トリニティ」

リーフがベルンの目を見つめ返し、わずかに語尾を強くして、返した。

「・・・はい」

額に汗を一筋垂らし、ベルンは頷いた。

「・・・では続ける。地下に引き入れられたベルンとサティア両名は、地下ダンジョンを散策中、他メンバーと合流し、徘徊するガーディアンを撃破。その際に、ロック・サンドラは『封印球・闇式』に触れ、バフォメット、『バルフォス・L・ローレグトリア』を開放、封印球の副作用により強制契約を結んだ。その後、ガーディアン内部から発見した指輪を装着したベルンは、右手に紋様が現れ、ガーディアンを操作することが可能になった。それによりガーディアンを操作して脱出し、今に至る・・・異論は?」

「・・・ないです」
「・・・ないっす」

ベルンとロックがそう答えた。


「あるぞ。ガーディアンは我が破壊した。此奴らではない」


ロックの隣で、ふんぞりかえったバルフォスが言った。

「・・・バルフォス嬢、ひとつよろしいか?」

「・・・我にメス個体の付属呼称をつけられたことに幾許か怒りを覚えるが・・・なんじゃ?」

「失礼。では言い直そう。バルフォス殿、なぜファ先生が貴方の椅子になっているのかご説明願いたい」


説明を忘れていたが、ファ先生は四つん這いになり、その背中にバルフォスが足を組んで座っていた。

「はぁうぅ〜・・・(TдT)」

「此奴は我の弟子じゃ。我より高位な席に座るなぞ、言語道断じゃ」

「だからと言ってファ先生がそちら側にいるのは困るんですが」

「・・・仕方ないのぅ・・・イープァ。あちら側へゆけ。ただし、『床に正座』、じゃぞ?」

「うぅ、はいぃ・・・(T_T)」

ファ先生はバルフォスが降りたあと、ふらふらとリーフ先生の隣へ行き、床に正座した。対するバルフォスは、本来ファ先生の座る椅子を引きずって行き、ロックの横に座った。

「・・・ファ先生、なにをしてるのですか」

「ごめんなさいリーフ先生・・・でも、逆らえないんです・・・たとえ契約ペナルティで魔力が激下がりしてても、師匠には・・・」

「『我に逆らえば貴様の昔の過去をバラすからな』と言ったよのぅ、イープァ?」

バルフォスがニヤリと笑うと、ファ先生はしくしくと泣
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