(今回も作者視点です)
『始まりの森丘・フィールドB→
→始まりの森丘・フィールドC(草原エリア)』
草原エリアを歩き、さらに奥に進んで行ったベルンたちの目の前には風によってサァッと波打つ草が一面に生えた広い野原があった。野原の左はさっきのフィールドから続く大河が流れ、野原を挟んだ大河の反対には見上げるほどの岩壁が剥き出しになっており、その上はさきの森の続きなのか、たくさんの木々があった。
「この草原、どこまで続いてるんだ?」
「きりがねぇな・・・目的地の源泉って、もしかして森ん中だったのか?」(ロック)
「そうだったとしても、ある程度草原エリアを探索してからにしましょうよ。闇雲に探すよりも、分かりやすい場所から潰して行くのがいいわ」(サティア)
サティアの意見に納得したメンバーは、辺りを探し、何かないかと捜索を開始した。
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[探索、開始。探索難度、15]
[ベルン察知点 11、失敗・・・]
[ロック察知点 5、失敗・・・]
[サティア察知点 17、成功!]
[ベーゼ察知点 15、成功!]
[ラトラ察知点 30、成功!]
[ネフィア察知点 10、失敗・・・]
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「うーん・・・なにもないな・・・」
ベルンが河岸をあちらこちらを探すが、なにも見つからなかった。
「ベルン!ちょっと!こっち来て!」
「ん?どうしたサティア?」
一緒に(と言いつつも、少し離れて)河岸を探索していたサティアがベルンを手招きした。ベルンが向かうと、サティアの足元に、綺麗に骨まで食われた魚の残骸であろうものがあった。骨がバラバラになり、頭などはない。すでに乾いているところから、しばらく放置されたものだと推測できる。
「・・・何かが食った跡、だな」
「これ、グリズリーとかじゃないかしら?」
「グリズリー?」
確かに、齧られた形は野生生物が食べたにしては綺麗すぎた。しかし、魔物であると断定できるほどではなかった。
「・・・でも、可能性はないとは言えないな」
「注意しなきゃね」
「そうだな」
(・・・ベルンを攫われたりしたら困るし・・・)
「・・・なんだよ?ジッとこっち見て?」
「別に。さ、もうちょっと探すわよ」
「? おう?」
首を傾げるベルンは、わずかにサティアの頬が赤かったことに気づかなかった。
そのとき、ベルンの視界外から小さな影が走ってきた。
「いい人ー。いい人ー。こっち来てー」
走って来たのは、ラトラだった。
なにか見つけたのか、目をキラキラ輝かせながら、ベルンの服の袖にしがみついた。
「え?なに?」
「きーてー!」
駆け寄ったラトラがベルンの腕を掴み、ぐいぐいと引っ張って行った。引っ張られるベルン本人は頭に?マークを浮かべながらついていった。
ラトラが連れて来たのは、岩壁だった。小さな岩がたくさん積み上がったような場所にたどり着くと、ぺしぺしとそこを叩いた。
「いい人ー。ここ、ここー」
「お、おい・・・あんまり叩くと、この岩、崩れ落ちるかもしれんぞ」
「それよりここー。風通ってるー」
「・・・風?」
それを聞き、ベルンがゆっくり岩壁に耳を近づけた。
『・・・ヒュォォォ・・・』
ほんとにごくわずかだが、空気が抜けるような音を、ベルンは聞いた。
「なかになんかあるのかなー?」
「うぅむ・・・単純に考えると、洞窟って線が考えられるが・・・」
どうやら、この森丘には洞窟があるかもしれないようだ。
「お〜い!ベルンく〜ん!」
その時、ベーゼが降りて来た。どうやら上空から辺りを見回していたらしい。
「ベーゼ、なにか見つけたか?」
「うん、向こうの方に河に支流があるよ。岩壁やら森の木が邪魔で先はわかんないけど、遡っていけば、水源につくんじゃないかい?」
ベーゼが指した方角は、ベルンたちが次に向かうフィールドの方だった。
「ふむ・・・じゃあ、とりあえず適当に探索して、そっちに向かうか。あ、向こうにいるサティア呼んできてくれ」
「ほいほーい」
ベーゼが手を上げて返事をした時、ちょうどロックとネフィアがとぼとぼとベルンに寄って来た。
「ふたりとも、どうだった?」
「ダメだ。なぁんにも見つかんなんなかったぜ・・・」
「僕もです・・・申し訳ありません・・・」
「気にすんなよ。他の奴らがいろいろ見つけてくれたし、そろそろ移動しようぜ」
そうベルンが言って、笑いかけた瞬間。
「見つけました!ご主人様ぁ〜っ
#9829;」
岩壁の上から誰かが叫び、パラパラと石が転がる音とともに岩壁から飛び降りた。
「え?う、うぉわっ!?」
素早く反応したベルンがとっさに飛び退き、落ちてきた魔物娘
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