五日目、午前(金曜日、冒険講習準備)


[ガーゴイル寮 312]


・・・ん・・・もう、朝か・・・

「・・・ありゃ?ロック?」

・・・なんだ、メシにでも行ったのかな・・・

「・・・もうちょい、寝るかな・・・」

俺はもう一度布団を被った・・・



『バタンッ!!!』



「ベルン君!怪我は大丈夫ですか!?」(クラリア)
「ベルン!!野盗に襲われたんですって!?」(サティア)
「ベルンく〜ん。お見舞いに来たよ〜」(ミルキィ)

・・・なんか三人も来たよ、オイ・・・

「いや、もう大丈夫だけど・・・」

「本当に?やせ我慢なんかしないでいいんですよ?」

「ちょっと!一体どういうことなのよ!?ロックから聞いたけど、ちんぷんかんぷんだったんだけど!?」

・・・あぁ、ロックがしゃべったのか・・・

「・・・あれ?ロックは?」

「鍵を渡してくれたらね〜、エリカちゃんとおしゃべりしてたよ〜」

・・・さっそくナンパかい・・・アイツらしいや・・・

「とりあえず、もう大丈夫だからよ。クラリアも、サティアも、ミルキィせんぱ・・・」

「じ〜〜〜・・・」(ミルキィ)

・・・はぁ・・・

「・・・ミルキィお姉さんも心配しなくていいですよ」

「そうなんですか・・・」

「全く、心配させないでよね」

「よかった〜♪」

・・・3、2、1。



『・・・お姉さん!!?』(クラリア、サティア)



ですよねー・・・そういう反応になりますよねー・・・

「あ、あの?失礼ですが、貴女は一体ベルン君とどういう関係なのですか?」

「うん〜?私?私、ミルキィ。ベルンくんのお姉さん代りなの〜」

「お、お姉さんがわり!?べ、ベルン!?どどど、どういうことよ!?」

「いや、なんつーか・・・色んな事情が絡んでてな・・・話せば長いような・・・短いような・・・」

・・・一応は怪我人なのに、この後質問攻めにあったり、庇おうとしたミルキィさんが俺を抱きしめて顔が谷間に埋まって息ができなくなったりした・・・なにしに来たんだこいつらは・・・


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[もふもふ亭]

・・・その後、みんなと別れて食堂に来たんだが・・・

「・・・何があった、ロック」


「ゆひはなへんはいにほこほこにはれは」
(ユキハナ先輩方にボコボコにされた)


ロックの顔は原型を留めてないくらいにボッコボコだった。

「なにをしたんだよ・・・」

「みるひぃはんのおむねはすはらひいっへはらひをひらら、『みるひぃをせいへひなめれみるら!』っれ・・・」
(ミルキィさんのお胸は素晴らしいって話をしたら、『ミルキィを性的な目で見るな!』って・・・)

「・・・バーカ」

それしか言えなかった。

「あ、ベルンさん!」

「・・・」

ん・・・あ、ナナに・・・シルクまでいやがる。

「あの、大丈夫ですか?」

「あぁ、もう平気だ」

「ごめんなさい・・・私がベルンさんの邪魔を・・・」

「しょうがねぇって。あの状況じゃ、前衛としては俺しかいなかったし、男が女を庇うのは当たり前だし」

「ベルンさん・・・」

一応、ナナを突き飛ばしたとこまでは覚えてる。あの時はあぁするしかなかったしな。

「・・・ちょっと、これ」

「ん?・・・なんだこれ?」

シルクが小さな小瓶を渡してきた。
・・・毒じゃねぇだろうな・・・

「・・・傷薬よ。元気そうだけど、一応渡しとくわ」

「あ・・・そうか。サンキュ」

「それと・・・その・・・あ、ありがとう・・・」

・・・ん?なんか言ったか?

「・・・ふんっ!行くよ、ナナ!」

「あ、シルク!待ってよ!あの、本当にありがとうございました!」

「おぅ・・・またな」

何故か顔を赤らめたシルクとナナが行くのを、俺は手をゆっくり振りながら見送った。

「・・・お前、俺のいないところでまたフラグを立てやがって・・・」

「お前はお前で回復早いな・・・」

あと、フラグってなんだ。意味わからん。


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[1ーA]


「みなさんお久しぶりでーす!あ、魔法使い専攻の方は昨日会いましたねー・・・宿題やってますか〜?」


『ぎくぅっ!』


一部の奴らが震え上がる。あ、地味に厳しいのか?ファ先生の授業?

「・・・さてさてみなさーん?今日はみなさん、初の冒険講習です!ちゃんと要項は読んできましたねー?まぁ、一応説明するためにみなさんを集めたんですがねー。

冒険講習では、みなさんにパーティーを組んでもらって、文字通り冒険をしてもらいます!要は実践演習ですねー。毎週ここで講習内容の説明をしますので、ちゃんと来てくださいね!

ちなみにパーティーは相手の了承さえあれば学年関係なく作っていいですよー。まぁ、そんな上回生とパイプ持って
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