三日目、午後

[学生購買園]


「いらっさ〜い♪」


飯を食い、3コマ始まりに学生購買園のアカネさんの店に行くと、すでにちゃっかりアカネさんがさっきの笑顔で店にいた。

「あの食堂の雑踏の中、よく抜けれましたね」

「従業員用の入り口使わしてもろてん。さ、なにするん?」

もう買ってもらえることが確定しているからか、アカネさんは上機嫌だった。

「えーと・・・俺、職業がリーベルなんすけど、リボルバーのマトモなオススメはありますか?」

「そんな強調せんでもオススメするわ。てか、賊徒かいな。うち、あんさんはガンナーかなとか思ってたわ」

「そりゃなんで」

「ひとつ、さっきリボルバー見てたから。
ふたつ、人間の男は戦士職業好きやから。
みっつ、睨みつけだけで人殺せそう。ヤーさんみたいな目しとるがな」

「ふたつめも大概ですが、みっつめはおかしいでしょ。いい加減怒りますよ・・・?」

「たはは、冗談やて・・・いや、ホンマ冗談やて。本気で睨まんといて。ホンマ怖いて」

・・・ったく・・・人が気にしてることをぐさぐさ突いてきて・・・

「んでな?ウチのオススメは『ヴィンギナー』か『アーミーラック』や。『スリーアイズ』なんかやと反動大きくて狙いつけにくいし、『ミニマムボーイ』は威力小さいし弾の無駄や。限られた選択肢の中で、バンバン弾撃つんが好きなんやったら『ヴィンギナー』、一発当ててデカく行きたいんなら『アーミーラック』や」

「・・・マトモな接客できるんじゃないんですか」

「ぶぅ。失礼やな。ウチはいつでもマトモやで」

・・・おかしいな。フォンおじさんの話ではジパングの人は慎ましく、お淑やかな女性ばかりだと聞いたんだがな・・・
うーん・・・しかし、昨日の実践で、命中率は悪いからな・・・あと、ちょっとした夢があるし・・・

「・・・だったら、ヴィンギナーください。2丁」

「あら?ホンマ?よっしゃ!ちょこっとまけて250Gにしたる!」

「え?マジですか?」

「マジやで。昼飯もウチのおかんの店で食うてくれなからな。こんくらいのサービスせな」

そう言いながら、アカネ先輩は店頭に飾ってあったヴィンギナーを綺麗に拭き、革のホルダーに入れてくれた。

「ほな、これやで。毎度、大きに♪」

「ありがとうございます」

俺は金を支払い、銃を受け取った。

「あ、ついでに防具ありますか?」

「防具?すまんなぁ、ウチは武器しか扱こうてないねん」

ありゃ・・・なら他を探すしかないかな。

「あ、オススメの防具店なら紹介したんで。そこの店は安くてえぇ品扱こうとる」

そう言うアカネさんの指先は、アカネさんの斜め前の店を示していた。

「ありがとうございます。さっそく当たってみます」

「・・・ちょい待ち。値切りできる、えぇ文句教えたる。耳、貸し」

む。そう聞いたら聞くしかない。俺はアカネさんの口元に耳を近づけた。

「・・・うちが『クロアンミツ』って言ってたって、言い」

「・・・くろ?」

『ふぅっ』

うぅおわっ!?

「耳に息吹きかけられると、ぞわっとするやろ?」

「なんで今したんですか!?」

くそ・・・まぁ、とりあえず防具見てみるか・・・

「すいません」

「・・・いらっしゃい」

防具の店にはサイクロプスの女の子がむすっとした表情で座っていた。胸の名札には『マーナ・インスペリアル』と書いてあった。

「・・・あの、防具、見せてくれませんか?」

「・・・勝手に、見ればいい」

・・・おい。接客する気ねぇのか?こっちは見てるけど全く喋ろうとしやがらねぇ。
仕方ない・・・言われた通り、品を見るとしよう・・・


『店舗名:マーナの店』
『盗賊系防具一覧↓』

『レザーベスト
超基本の防具。ただの気休めという話も・・・
値段:50G』

『アイアンベスト
レザーベストのあちこちに鉄板を貼りつけたもの。重い。
値段:100G』

『マジックベスト
レザーベストに対魔法性能を付与したもの。物理には弱い。
値段:100G』

『マジアンベスト
アイアンベストに対魔法性能を付与したもの。一応万能型。
値段:200G』


む・・・武器より高くはないが・・・さっきちょっと買いすぎたな・・・普通の値引き交渉は・・・


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[値引き交渉、難度15]
[話術点 10、失敗・・・]
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「あの・・・」

「・・・値引き、お断り」

・・・ですよねー・・・
くっ。だったらアカネさんから聞いた文句を利用しよう・・・うまく行けばいいが・・・


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[値引き交渉2、難度20]
[アカネの文句を使った]
[無条件成功!]
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「あの・・・」

「・・・なに?」

「あっ
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