11月中旬『文化祭・午後の部』後編

〜屋外舞台裏〜

「おじさん、本気出しすぎでしょう」

「ん?なにが?いつもやってることやっただけだよ?」

「なにそれ、もはやこわい」

「なんでさ?」

砂糖爆撃の後の休憩中、舞台裏でベルンとフォンがしゃべっていた。
ちなみに女子陣はシェリーの周りに集中し、『いかにあんな旦那を手にいれたか』を聞き出そうとしていた。シェリーが未だ恥ずかしさでオーバーヒート気味で全く話を聞いていなかったが。

「もうこのコンテスト、おじさんたちの優勝決定でいいじゃないですか・・・」

「いやいや、まだ君たちが逆転でき、り競技くらいあるだろう」

「ないと断言できます」

そんな話をしていたとき、舞台裏入り口からロックがヨロヨロと杖をつきながら入ってきた。

「お、おぅ・・・?コンテストはもう、終わった、のか?」

「ろ、ロック!?お前、大丈夫なのかよ!?」

「大丈夫じゃねぇ・・・さっき数年前に死んだじっちゃが手を振ってるのが見えたぜ・・・」

「や、休んだらどうだい?」

「そ、そうはいかねぇ・・・」

ギリリと歯が軋むほど口を噛み締めたロックが、親指を立ててカッコつけた。


「お、女が待ってるのに、寝てるわけには、いかねぇからな・・・(ドヤッ」


「・・・相手がロリでもか?」

「ごぶは」

ベルンの一言に、ロックは血を吐いて倒れた。

「・・・ベルンくん?」

「・・・いや、出来心で・・・」

「出来心で友人殺しちゃダメだよ?」

「すいません」

「…ま、まだ…死んで…ねぇ…よ…」



ちなみに天月は。

「・・・ウラヤマシクナンカナインダカラネ・・・」
『ザラザラザラ・・・』

寸胴鍋に顔を突っ込み、砂糖を吐きながら血涙を流していた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜屋外舞台〜


「皆様!砂糖は吐き終わりましたか〜?これより、後半の部を始めます!!」


こんもりと砂糖が山になったバケツを足元に置いた舞が叫び、観客が拍手を送った。その拍手の中、裏方から暗幕に隠されたボードらしきものが運ばれて来た。

「まずは、得点を見てみましょう!得点は、審査員ひとり0〜5点で採点した合計です!では、どうぞ!」

舞の言葉で暗幕が剥ぎ取られ、得点ボードが姿を表した。


ーーーーーーーーーーー
『得点表:第一審査終了
ロック&フェラン:8点
ネフィア&サリス:10点
ベルン&クラリア:14点
天月&クロエ:15点
フォン&シェリー:15点』
ーーーーーーーーーーー


『えぇ〜〜〜〜〜〜!?』


得点表を見てしばらくして、観客席から不満の声が上がった。

「観客からの声の原因も分かります。休憩を取りすぎて時間が押していますので、今回はそれについてのコメントをお願いしましょう。審査員方々、どうしてフォン&シェリーペアが15点?天月&クロエペアと同点ですが?」

すると、三人の審査員が首をかしげた。

「はて?私は5点入れたが・・・」
「私も5点入れました」
「私もですわ」

インドラン、ファ、チェルシー。
三人が言ったあとに、会場全員の視線が、二人目の男性審査員に向いた。

「・・・あの、リーフ、先生?」

舞が小首を傾げながら尋ねると、リーフは大きくため息をついた。




「・・・0点だ。
独身男の嫉妬の何が悪い?」




一瞬、会場がシーンとなったが、しばらくして響いたのは怒声ではなく、一部男性たちによる歓声だった。


『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

( °∀°)<や、やった!!流石はリーフ先生!
( °Д°)<俺らにできない事をやってのける!
( °ω°)<そこに痺れるッ!!憧れるゥッ!!

『リーフ!リーフ!リーフ!リーフ!』

「・・・何故か男子からの暑い(むさ苦しい)エールを受けてますが、リーフ先生、感想は?」

「・・・うっおとしい」

「ありがとうございました。次からは嫉妬抜きでやってくださいね・・・?」

「善処しよう」

リーフの生返事に舞は一抹の不安を感じながら、コンテストを進めることにした。

「それではっ!次に移りましょう!次の審査は・・・これです!」

舞が翼をはためかせると、先ほどの審査名部分の板の文字がくるりとまわった。



『力を合わせて!ぶっとばせ!
第二審査、タッグバトル!』



「こちらもルールは簡単!会場に用意されたゴーレム(戦闘用・♂)に対し、カップルで闘ってください!制限時間は3ターン!大事なのはどれだけ息があっているか!チームワークがいいほど得点が変わります!それでは、先ほどと同じ順番で始めていきます!」

舞が言ってる間に、舞台の床から2mほどの緑色のゴーレムがせり上がってきた。

『ガシィン!』(足音)

「ゴーレムの準備もできたようです!」

『ぐぽ
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