〜屋外舞台裏〜
「おじさん、本気出しすぎでしょう」
「ん?なにが?いつもやってることやっただけだよ?」
「なにそれ、もはやこわい」
「なんでさ?」
砂糖爆撃の後の休憩中、舞台裏でベルンとフォンがしゃべっていた。
ちなみに女子陣はシェリーの周りに集中し、『いかにあんな旦那を手にいれたか』を聞き出そうとしていた。シェリーが未だ恥ずかしさでオーバーヒート気味で全く話を聞いていなかったが。
「もうこのコンテスト、おじさんたちの優勝決定でいいじゃないですか・・・」
「いやいや、まだ君たちが逆転でき、り競技くらいあるだろう」
「ないと断言できます」
そんな話をしていたとき、舞台裏入り口からロックがヨロヨロと杖をつきながら入ってきた。
「お、おぅ・・・?コンテストはもう、終わった、のか?」
「ろ、ロック!?お前、大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫じゃねぇ・・・さっき数年前に死んだじっちゃが手を振ってるのが見えたぜ・・・」
「や、休んだらどうだい?」
「そ、そうはいかねぇ・・・」
ギリリと歯が軋むほど口を噛み締めたロックが、親指を立ててカッコつけた。
「お、女が待ってるのに、寝てるわけには、いかねぇからな・・・(ドヤッ」
「・・・相手がロリでもか?」
「ごぶは」
ベルンの一言に、ロックは血を吐いて倒れた。
「・・・ベルンくん?」
「・・・いや、出来心で・・・」
「出来心で友人殺しちゃダメだよ?」
「すいません」
「…ま、まだ…死んで…ねぇ…よ…」
ちなみに天月は。
「・・・ウラヤマシクナンカナインダカラネ・・・」
『ザラザラザラ・・・』
寸胴鍋に顔を突っ込み、砂糖を吐きながら血涙を流していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜屋外舞台〜
「皆様!砂糖は吐き終わりましたか〜?これより、後半の部を始めます!!」
こんもりと砂糖が山になったバケツを足元に置いた舞が叫び、観客が拍手を送った。その拍手の中、裏方から暗幕に隠されたボードらしきものが運ばれて来た。
「まずは、得点を見てみましょう!得点は、審査員ひとり0〜5点で採点した合計です!では、どうぞ!」
舞の言葉で暗幕が剥ぎ取られ、得点ボードが姿を表した。
ーーーーーーーーーーー
『得点表:第一審査終了
ロック&フェラン:8点
ネフィア&サリス:10点
ベルン&クラリア:14点
天月&クロエ:15点
フォン&シェリー:15点』
ーーーーーーーーーーー
『えぇ〜〜〜〜〜〜!?』
得点表を見てしばらくして、観客席から不満の声が上がった。
「観客からの声の原因も分かります。休憩を取りすぎて時間が押していますので、今回はそれについてのコメントをお願いしましょう。審査員方々、どうしてフォン&シェリーペアが15点?天月&クロエペアと同点ですが?」
すると、三人の審査員が首をかしげた。
「はて?私は5点入れたが・・・」
「私も5点入れました」
「私もですわ」
インドラン、ファ、チェルシー。
三人が言ったあとに、会場全員の視線が、二人目の男性審査員に向いた。
「・・・あの、リーフ、先生?」
舞が小首を傾げながら尋ねると、リーフは大きくため息をついた。
「・・・0点だ。
独身男の嫉妬の何が悪い?」
一瞬、会場がシーンとなったが、しばらくして響いたのは怒声ではなく、一部男性たちによる歓声だった。
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』
( °∀°)<や、やった!!流石はリーフ先生!
( °Д°)<俺らにできない事をやってのける!
( °ω°)<そこに痺れるッ!!憧れるゥッ!!
『リーフ!リーフ!リーフ!リーフ!』
「・・・何故か男子からの暑い(むさ苦しい)エールを受けてますが、リーフ先生、感想は?」
「・・・うっおとしい」
「ありがとうございました。次からは嫉妬抜きでやってくださいね・・・?」
「善処しよう」
リーフの生返事に舞は一抹の不安を感じながら、コンテストを進めることにした。
「それではっ!次に移りましょう!次の審査は・・・これです!」
舞が翼をはためかせると、先ほどの審査名部分の板の文字がくるりとまわった。
『力を合わせて!ぶっとばせ!
第二審査、タッグバトル!』
「こちらもルールは簡単!会場に用意されたゴーレム(戦闘用・♂)に対し、カップルで闘ってください!制限時間は3ターン!大事なのはどれだけ息があっているか!チームワークがいいほど得点が変わります!それでは、先ほどと同じ順番で始めていきます!」
舞が言ってる間に、舞台の床から2mほどの緑色のゴーレムがせり上がってきた。
『ガシィン!』(足音)
「ゴーレムの準備もできたようです!」
『ぐぽ
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