彼の眼に映るのは・・・(超長文注意)


・・・だれか、ないてる?

・・・あれ?うわ、可愛い娘がいる。

・・・友達になれるかな?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕は跳ね起きた。
・・・聞こえない。料理の音が。

「・・・シェリー?」

震える声で、彼女を呼ぶ。
・・・匂わない。料理の匂いが。

慌ててベットから出た。
ズダンッ、と音を立てて盛大にコケる。
構わない。壁をつたってリビングに急ぐ。

「シェリー!シェリー!?」

リビングに出た。
何も聞こえない。
何も匂わない。

誰も、いない・・・?

「ッ・・・!!?」

なんで!?
なんでだ!?

シェリーが来ないのは、昨日だけのはずだっ!


ぞくっ・・・


まただ。
昨日の朝感じた、あの不愉快な感覚。
昨日より強く感じる。
これが二回目じゃない。
これは、どこで感じた・・・?

どこだ?

いつだ?

なにがあった・・・





「!!!」





ーーーこの子だけは助けて!私はどうなってもいいから!






そうだ・・・この感覚は・・・





ーーーフォンのお父さんが、戦死なされた!?





母さんや父さんが死んだ時と、同じ感覚だ・・・



ぞくっ・・・



「ッ!」

急げ!
急げ急げ急げ!

まだ、まだ間に合うかもしれない!

探せ!
探せ探せ探せ!

もう、服を着替えるのもうっとおしい!

僕は、杖を片手に、家を飛び出した。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カランカラン♪

「いらっしゃ・・・」

動きが止まった。雨の中、店に入ってきたのは、メリッサだった。

「・・・・・・今日、手伝いをする日、だから・・・」

「バーカ、無理すんな」

昨日のこいつはひどかった。


雨ん中帰ってきた。
家に帰って終始無言。
母さんがあんなメリッサ初めて見たからすげぇオロオロしてた。


俺が頭をなでてやって、「つらいなら泣け、バカ」と言ってやっても、「なんもないよ、兄貴」と言っていた。
夜、部屋ん中からすすり泣く声がずっと響いてた。

事情は予想できる。



あの野郎、メリッサをフりやがったんだ。



母さんも俺も寝れなくなった。母さんは俺に相談を持ちかけるまで心配してた。
なにも言わないまま、泣き疲れて寝てしまったメリッサを、わざとほうっておいて仕事に来たのによ・・・
さらにムカつくのは・・・

「あの野郎、まだ来やがらねぇ・・・」

フォンが来ねぇ。連絡はない。
来ても何も文句を言わずいつも通りでいようと思ってたが、こりゃ頭にきたぜ・・・

「・・・メリッサ、店番かわれ」

「え?どうして?」

俺は立ち上がって、傘を取った。



「ちょっと頭を冷やしてくる」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兄貴が出て行った。私は、黙って、カウンターに座る。

「・・・・・・」

昨日の事を、思い出す。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「フォンにぃ、私を、もらって・・・」

フォンにぃは、私を、抱きしめてくれた。








そして。








そっと、肩を押して、離した。


「・・・え?」

「・・・・・・」


・・・これは、なに?
いや、わかってた。
でも、わかりたくなかった。


「フォン、にぃ?なん、で?」

「ごめん、メリッサ」


なんで、謝るの、フォンにぃ。
それってまるで・・・


・・・断った、みたいじゃない・・・



「なんで、なんで!?」



声が涙声になる。
頭がぐわんぐわんする。
心が、痛かった。



「私、なにかダメなこと、した!?フォンにぃの迷惑なこと、した!?」

「・・・いや、やってない。それどころか、もう満足なほど、色々してくれたよ」

「だったら!」

耐えきれず、もう一度抱きついた。

「これからずっとやらせてよ!フォンにぃの役に立たせてよ!世話をさせるのが申し訳ないと思ってるの?私がフォンにぃを哀れだと思ってやってると勘違いしてるの!?」

「・・・・・・」

なんで黙ってるの、フォンにぃ!?

「そんなワケないじゃない!私とフォンにぃの仲だよ?ずっと前から、ずっと一緒に、ずっといたじゃない!」

「違う・・・」

「なにが違うのよ、フォンにぃ!?」





「君は、僕にもらわれたら、不幸になる」





・・・え?

「聞いてくれ、メリッサ。落ち着いて、少しの間、僕の話を聞いてくれ」

・・・また、引き離される。
・・・でも、私は動かなかった。

フォンにぃの雰囲気が、変わったから。

「・・・一日中、今日は一緒に歩いて、ご飯食べて、最後に、告白してくれて。君は、一日、今日一日を、すべて僕に捧げてくれた・・・」

フォンにぃは、私の肩を掴んだままだった。
でも、その手
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