ベルンが引いたのは、緑色のくじだった。そこには小さく『ミミル』と書かれていた。
「・・・あ、ミミル先生だ」
「あ、決まりました?それじゃ、書類を書いて、ミミル先生の研究室に行ってくださいね〜」
手を振るファ先生を背に、ベルンたちは教室を出て行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[ミミルの研究室]
「いらっしゃ〜・・・あれ、私の講義で見る顔が二人もいますね」
ミミルの研究室は植物で埋め尽くされていた。あちこちに植木鉢に植えられた草木やキノコなどが置かれ、ミミルはちょうどそれに水をやっているところだった。
「こんにちわ〜、ミミル先生〜」
「ミルキィさんは一回生に付き添いですか?」
「そうです〜」
「はいはい。成績ちょこっと厳しくなりますけど、いいですね?」
「は〜い」
ミミルに書類が渡され、ミルキィと少し話した後、ミミルがにっこりと笑いながら説明を始めた。
「前衛職だらけのパーティですが、たぶん大丈夫でしょう。向かってもらう場所に魔法を使う魔物や盗賊などは出ないでしょうし。
今回向かってもらうのは『鬱天の密林』です。密林地帯で、魔界の侵食があるため、薄暗い地域です。早めにテントを張るようにした方がいいですよ。
目的は『植物採集』、特に『魔界産の植物』があれば採取してください。普通の植物でもいいです。ただ、採った場所をしっかり明記するように。どれくらい魔界の瘴気が植物に影響してるかを知りたいので・・・マッピング技能を持ってる人がいると楽ですね」
瞬間、ベルンを除いた全員がベルンを見た。対するベルンは、軽くため息を吐いた。
「そんなめんどくさがっちゃダメですよ?これも大事なことですから。
簡単にですが、注意するべきことがみっつあります。
ひとつ、不用意に植物を口にしないこと。もちろん、食事のために植物を使うでしょうが、気をつけてくださいね?魔界植物が少なくないはずですから。
ふたつ、夜の行動は控えること。密林地帯ですから、足を取られやすく、さらに暗くて地形が見にくいです。もしかしたら崖をまっさかさま・・・なんて笑えません。
みっつ。実は、魔界獣がいる恐れがあります。勝てないわけではないですが、無駄に戦う必要はありません。対峙しても、あまり刺激しないように。
・・・以上ですね。まぁ、基本楽な冒険のはずです。それじゃ、頑張ってください♪」
ミミルがょぅじょの可愛らしい微笑みを浮かべ、ベルンたちは一礼してから部屋を去った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[転移門前]
さて、各自用意を終えてから転移門前で集合という形で解散し、それからしばらく経ったのだが。
「・・・遅い」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[サティア]
[所持品]
武器:アイアンナックル(物理ダメージ+2)
防具:アイアンベスト(物理ダメージー3)
道具:魔力回復薬(5つ)、非常食
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
サティアが不機嫌に呟いた。
それに続き、クラリアが心配そうに言った。
「ベルンくん、なにかあったのかしら?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[クラリア]
[所持品]
武器:アイアンナックル(物理ダメージ+2)
防具:アイアンベスト(物理ダメージー3)
道具:体力回復薬(3つ)魔力回復薬(2つ)、錬金術用具一式、非常食
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なんと、リーダーであるベルンがまだ来てないのである。
「兄様・・・厠でしょうか?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[成美]
[所持品]
武器:素槍・壱之刃(物理ダメージ+5)
防具:鎖帷子(物理ダメージー2)、木盾・樫之板(物理ダメージー2、俊敏ー5)
道具:体力回復薬(3つ)、テント用品、非常食
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
成美も心配そうにするが、主にベルンを気にしているのはこの3人だった。
「なぁに、これ〜?花火〜?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ミルキィ]
[所持品]
武器:アイアンナックル(物理ダメージ+2)、踊りの羽衣
防具:軽装服(物理ダメージー1)
道具:体力回復薬(3つ)、非常食
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ラトラが作った爆弾だよ!面白い人が、『もっとたくさん作れ』って言ったから、たくさん作った!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ラトラ]
[所持品]
武器:ダガー*2(物理ダメージ+1)
防具:なし
道具:自家製煙玉(10個)、自家製閃光爆弾(10個)、救急キット、非常食
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「わぁ〜、すご〜い
hearts;」
「えへへ〜♪」
ミルキィとラトラは、のんび
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録