「着きましたよ。ここが我がモン娘ランドの絶叫スポット。ダークエリアです」
樹里さんの声で辺りを見回す、黒と赤をベースにした色が至る所に塗られていて正にダーク感が溢れていた。しかもアチラコチラからと叫び声が聞こえてくる。
「このエリアは前代の頃、つまりは私たちが魔物であった頃のイメージをモデルとして作られたんですよ」
「・・・だろうね。なんか出店に不謹慎なメニューが連なってるし、なに目玉の甘煮って!!」
「あぁ、あれは目玉に見せたゴマ団子をおしるこに入れたんです。食べてみますか?美味しいですよ」
彼女の薦めではあったが遠慮させていただいた。・・・だからってそんな悲しそうな顔しなくても良いのに。
気を持ち直して俺たちはダークエリアにあるアトラクション回りを行った。しかし、彼女のような下半身動物タイプやスライムの不形状タイプには合わないみたいで殆どの乗り物は俺ひとりで乗った。
「ふえぇぇぇ、高いところは苦手って言っていたのにどうして乗せられているの?」
「いよっしゃぁ、こういった絶叫系が高揚するんだ。おまえもビビッておしっこ漏らすなよ」
俺以外はカップルで乗っていたらしく、様々な方向から声が聞こえてくる。俺はすぐにでもこの場から離れたかった。
「お疲れ様です。面白かったですか?」
「え、まぁ。相手が居なくて楽しさ半分って言いますか、なんというか」
「まぁ、それは仕方ないですよ。それじゃあ、このエリアの最大アトラクションに行きましょうか。そこだったら私も入れますし、一緒に楽しめますよ」
そう言うと樹里さんは俺の腕を掴んですぐさまその場を離れた。向かった先は大きな古ぼけた屋敷で外装が見たままで聞かなくても解る。
「これが、ダークエリア最大アトラクション『闇の饗宴場』です」
彼女が聞いてないの胸を張って説明をしてくれた。どうやらこのエリアに来る彼女居ない男性はまずはこのお化け屋敷に入っていくらしい。何故なのかは中に入れば解ると言う。
「いらっしゃいませぇ。まず入る前にどちらに入るか決めて頂きます。そしたらこの花をお持ちいただいて入場となります」
管理の人の話を聞くとどうやら洋式と和式のどちらかを選び、選んだ方に入ってお好みのお化け(モン娘)に花を渡して恋人になろうという事らしい。俺達は洋式の方を選んで扉の中に入っていった。
「入ってすぐに墓地とはまた凝っているな」
「洋風ですからね、墓石の種類にも工夫してますよ。あ、あれ見てください」
彼女が指さす方向になにかが蠢いていた。仕方ないので聞き耳もたててみる。
「ゾンビちゃんの膣内気持ち良いよ。僕が墓標の傍を通ったときに襲ってきたんだ。そんなにお腹が空いていたんだね」
「あ
#10084;あはぁ、うがぁぁ
#10084;」
「そうか、解ったよ。僕の精子、たくさん出すからね」
「うごおぉぉぉぉ
#10084;
#10084;
#10084;」
「グールちゃんもやっぱりお腹空いたの」
「んぷ、らって美味しそうな匂いがするんだもん、欲望には逆らえないわ
#10084;」
「そうだね、それじゃあ思いっきり食べて良いよ」
「あらそう?だったら、いただきまーす
#10084;」
なんかいきなりエロ行為してる人が居るんですが、樹里さんに聞いてみるとあの2人はこの屋敷の担当員らしくあれがこのランドでは当たり前らしい。そうして二組を後にした俺達は先へと進んだ。
そしてその先々もこういった脅かしみたいな奇襲がありそれを俺らは見届けていた。例を挙げるなら長い通路に並ぶ甲冑に襲われそうになるも前に居たメガネ君が甲冑の首をもぎ取りそのまま甲冑に抱えられてゴールに向かっていったり、大広間ではアンディット上位種とのダンスパーティを模した合コンなんてやっているし、鬱蒼とした夜の森にはワーバットの子達が数人で1人の男性にやられていた。
そんなこんでやっとゴールに辿り着いた時は後ろからは艶めかしい声しか響いて来なかった。
「洋式でいい人が見つからなかったら、もう一回入って和式の方を選ぶ人も居るみたいですよ」
・・・・そういう彼女のフラグを回収するために俺は再び列に並ぶことにした。
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