「初めてなんだから優しくしてくれ、な……?」
ロズの腕の中で抱かれる彼女の頭はそう言うとにへらと口元を崩し笑った。今までの凛とした表情ではなく、蕩け、だらけた頬は紛れもなく雌の表情をしている。
女、ではない。雌だ。この顔は蹂躙され、ただ犯し犯されることのみを望んでいる。ロズはそう直感した。
「……魔物相手は多少無理しても大丈夫……なのか?」
「ひどいなロズは。いくら魔物とは言え私は女でもあるんだぞ」
『私のおまんこにロズのぶっといのが……ああ想像するだけで濡れてきちゃう。というか濡れてる』
「……あのな、漏れてるぞ」
彼女の断面から漏れ出る煙を吸うと、不思議なことに彼女の本音が鮮明に聞こえてくる。
その旨を伝えると、彼女は多少恥ずかしがる仕草はすれど、隠すことはしなかった。むしろ、それ以上に自らの本音を伝えようと煙を放出させロズの周囲を覆い尽くしている。
今までの彼女とは打って変わって、非常に強気な行動だ。
もしかしたらこれが彼女の本来の性格なのかもしれない、とロズは内心期待しながら煙を吸い込んでいた。
「ふふ、ロズになら私の本音、聞かれてもいい……」
『私を抱いて。愛して。離さないで』
カティアはその出生、生い立ちゆえに自らの存在を包み隠しながら生きていた。もし自分の存在が周りに知られてしまったら、またあの日の続きの様に自らに関わる者全てを奪われてしまうのではないか、と危惧していたのだ。
自らを隠し、影のように生き、本音を言える相手すらいない孤独。そうすることによってはじめて安心が生まれ眠ることができる。それがどんなに恐ろしいことだろうか。
そういった毎日を送っていた彼女にとって、ロズという存在はもはや”ただ大事な人”と説明できないほどの立ち位置になっていた。
側にいるだけで心が落ち着き、身を委ねることができる。それだけで彼女は全てが報われた気がしていた。
「ん……ぁ」
背中に抱き着いていたカティアの胴体をロズは振りほどくと、今度は位置が逆転しロズがカティアの胴体を押し倒している構図へとなる。
ロズの心臓は激しく脈打ち、体中を流れる血液は必要最低限生命維持できるよう各臓器に送られ、残りのすべてはロズの股間に一極集中しているようだ。自らの陰茎が製錬鉄の様に熱くなり、硬化しているのが下着の中で実感できる。
その光景を見たカティアの頭部は押し倒された胴体の側で転がりながら顔と体を火照らせていた。ロズとは真逆に、カティアの心臓はピクリとも動いていない。しかし体中を流れる純粋な不死の魔力が体内を発熱させ、まるで生きている生娘のように身体を興奮させていた。
今ここにいるのは死にながらにして生きているカティアであるということを証明している。
「……まずいな」
「ん?なにかあったか」
「……いや、お前の身体を押し倒してみたら、こう、なんというか。あらぬことをな」
彼女の身体は整っていた。末恐ろしいぐらい整いすぎている。
胸は型崩れしない程度の美乳、肉付きの良い二の腕と太腿はそれだけで精液の製造が捗ってしまうのではないかといえるほど官能じみており、くびれた腰は芸術的なまでの曲線美を描いている。薄地の囚人服から浮き出るわずかな腹筋の凹凸は思わず指でなぞってしまいたいという衝動に駆られてしまうものだ。
そして巨躯なロズが掴むにはまさに丁度いいサイズである骨盤はこれだけで子を産みやすいというカティアの主張がありありと突きつけられていた。
彼女はここまで魔性な肉体をしていただろうか。
ロズは半ば微笑しながら自分の中に問いかける。そして彼は同時に最も彼らしくない思考を自らの内側に抱いていることにも気が付いた。
「……俺の好みを全て正確に押さえてるとは……やはり魔物は恐ろしいものだ」
「私が、ロズのために、ロズだけの女になるために望んだんだ。ロズだけが私を使っていいの」
「……ここまで綺麗に整いすぎてると……逆に、崩したくなってしまう」
「几帳面なロズにしては珍しいことを考えるね。でも……」
『私のお腹を膨らませて、ロズと私の結晶を創りたい。そういう意味では肉体を崩すというのは間違ってないんだよなぁ
#9829;』
「……お前の本音はトコトン……いや、もういいか」
「ロズ
#9829;」
『ロズぅ
#9829;』
ロズがそう言い終えるかどうかというときだろうか、直後転がっていた彼女の頭部がロズの眼前にふわりと跳んできてロズの視界を遮った。その次の瞬間、ロズの唇に生暖かい感触が触れられることになる。それはカティアも同じことだった。
互いに目を瞑り、己の欲望のままに舌と唇を動かして相手を貪っている。そのキスは傍から見れればひどく不器用で乱暴なものに見えることだろう。しかし今の二
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