―翌日―
『それでは次の患者さんどうぞ』
「し、失礼します」
『……それではどうぞおかけください』
「…………」
『今日はどのようなご相談で診察にかかりましたか?』
「実は、ある人を探していまして……」
『ある人、とは?』
「いやその、俺……いや僕のクラスにある女子が一人いるんですが……その人が最近不登校になってしまって」
『続けてください』
「それで一応クラス委員だからちょっと気になって、その、最近このメンタルクリニックに出入りしているって噂を聞いたモンですから」
『ああ、貴方自身のご相談ではなかったのですね』
「そうです」
『嘘はいけませんよ、佐竹さん?』
「なっ……!」
『確かに、徳田さんがこのMMクリニックに出入りしているというのは事実です。ですが、だからといってそれを確かめに行動するのはクラス委員である貴方の仕事なのでしょうか?そういうのは徳田さんの保護者であったり学校の先生の仕事であるはずです』
「ぐ……」
『恐らく噂というのも嘘なのでしょう。彼女が当院を出入りしているのは深夜と早朝、人目につかない時間帯です。細心の注意を払って出入りしていました。噂になるわけがありません』
『そう、彼女の動向を観察していた貴方を覗いて』
「せ、精神科医ってのはなんでもお見通しなんスか……」
『貴方の視線、脈拍、挙動、それら全てを総括すればそれくらい朝飯前ですよ。どうして貴方は徳田さんの動向を観察していたんでしょうか』
「クラス委員だから。……それじゃダメなんでしょう?どうせ」
『はい。理由になりません』
「……気になって仕方ないんスよ。アイツが、徳田のことが」
『あら、あらあらまあ♪』
「この前、図書館で本を探してるときに、やったら俺に視線を注いでる人がいるような気がして……ふと見たら、まるで別人のように変わってた徳田で……あんなに綺麗な人初めて見たモンだからつい気になってしまって」
『そこで彼女は何か行動していましたか』
「いや……俺を見つめているだけでした。頬を真っ赤に染めて、潤んだ瞳で見てるだけ。それだけでした」
『そうですか……そうですよねぇ』
「あれから、アイツの視線が頭にこびり付いて一時も離れないんです。先生、徳田、今ここにいるんだろ?……じゃなくて、いるんですよね?」
『ええ、もちろん』
「!!よかった……いきなり不登校になりやがって……心配させやがって」
『貴方は本当に徳田さんのことが気になって気になって仕方がないようですね。彼女の視線が頭にこびり付いている?それは彼女のせいではなくて貴方が、貴方自身が忘れたくないから記憶しているだけなのではありませんか?彼女の熱持った視線に対していやらしいことを期待していたのではありませんか?』
「ち、違う。お、俺はただ徳田の安否が気になるだけだ!です!クラス委員とかじゃなくて……ええと、その……そう、ひとりのクラスメイトとして」
『ふぅ……そろいもそろって嘘つきですね。二人とも。その下半身はどう説明をつけてくれるのでしょうか』
「下半身……エッ、ナッ!?」
『彼女が無事であると確信した今、貴方は安堵と同時にあるひとつの目的を実行したくてしょうがないのでしょう。違いますか?その勃起しているペニスが何よりの証拠です』
「そ、そんな、俺は、いや……」
『彼女の熱視線を浴びて貴方はまんざらでもなかった。あわよくばそのまま彼女を押し倒してしまおうとでも思っていたのではありませんか?ここで嘘をつけばあなたは一生彼女と会うことができなくなってしまいますよ』
「な、それは一体どういうことですか先生!」
『それは己の胸に聞いてみるのが良いでしょう。どうなのですか。貴女は徳田さんの安否を確認したかっただけなのでしょうか、それとも安否を確認した上で更なる深みへと足を踏み入れたいのでしょうか』
「俺は…………俺は……」
『このまま迷うようでしたらもう診察は終わりましたのでお帰りいただいて結構です。それとももし、彼女の真意を知りたいというのならば私の後をついてこればよろしいかと。それを決定するのは貴方自信です』
「……う、ぐ……」
『徳田さんの裸体、見たくありませんか?貴方が最も好みとするスタイルに変化してますよぉ』
「やめ……」
『健全たる高校男児ならば、同級生の胸にむしゃぶりつきたいとは思いませんか?シルクのように滑らからな素肌と、しっとりと染みついて離れない粘液が貴方を絡め取ります』
「そ、それは……いい、やマズい……」
『種付け、セックス、着床、徳田さんを貴方色に染め上げたいとは思いませんか?さぞ気持ちの良いことでしょう。貴方だけの、世界でたった一つの貴方だけの……』
「……はーっ、はぁ……徳田、中
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