その日の朝は穏やかに始まらなかった。
朝、というにはいささか遅すぎるかもしれない。
目が覚めた時に一番はじめに見た携帯の画面には嫁との2ショットの上に10:25と示されていた。
ありゃ、いつもより遅く起きてしまったなと思う前に、下半身に違和感があった。
「あむっ、ぺろぺろ……ぁ、おはよう、けいくん♪」
見事に剥されて露出している下半身。
その珠袋を丁寧に舐めている嫁。
その隣に見知らぬお姉さんが俺の肉棒を実においしそうに頬張っていた。
「くぷっ、じゅるる・・・あふぁ、おふぁひょう、ふぁなひゃんのふぁれひふぁん♪」
あら、おはよう、さなちゃんのかれしさん、と何とか聞こえたが、声出しながら頬張っているとむず痒く、それにて気持ち良い。
SDにかからなければ、口の中にすぐにぶちまけてたに違いないが、ヒクヒクと痙攣を起こすだけで我慢汁一滴すら出てこない。
「……やっぱり、出てこないね」
半ば悲しそうに、半ばホッとしたように呟く嫁。
どうやらこの姉さんに俺の朝一番の精液―お天道様が見てる前で何をしているんだ貴様らはと言わんばかりに顔を出しているという時間帯だが―を飲まれるのではないかと心配していたらしい。
嫁は俺に関する事全てににえらく執着して、他人にどうこうされる事を嫌い、妬む節があるのだから、友人との付き合いに少々疲れる。
だが、そんな嫉妬して怒る嫁の顔もまた可愛い。
……だがそれはさておいて、これでも出てこないのかと必死な形相でバキュームフェラをするサキュバスのお姉さんは一体誰だろうか?
もしや、このお姉さんが昨夜嫁が言っていた友人なのだろうかって痛い痛いい"たいッッ!!!
吸引力の変わらない掃除機の様に吸われてもなお、俺の肉棒は萎えることなく、むしろ一回り大きくして猛っているが、誰もが見ても痛々しい赤黒い色になって、ビクビクと痛々しく震えていた。
おおぅ、見るに耐えられない光景だ。俺の身体の一部だけど。
「はふぅーっ。ガマン汁一滴も出ないなんて、こりゃかなりの重症みたいねぇ」
嫁以上に残念な表情を浮かばせているサキュバスのお姉さん。
その割にはどこかしらつやつやと顔色がいい気がするのは気のせいか。
「……な、治せないの?シャルミィ」
今にも泣き出しそうに声が震えている。
そんな嫁の言葉から察して、どうやらこのお姉さんの名前はシャルミィと呼ぶみたいだ。
「うーん。重症といっても、治せるのは治せれるんだけどねぇ」
一方のシャルミィと呼ばれたお姉さんは治すのは朝飯前よんと言わんばかりに余裕だ。
その余裕さは別にいいが、俺の方をニマニマしながら横目で見つめている。
なんだ、その私も犯して!と言わんばかりの目つきは。俺には嫁がいるんだぞ、嫁が。
だがしかし、なるほど、容姿を見ればどうも魔界からヤッキキマシタヨーって感じる。
光沢感のある、オレンジ色のセミロングヘアーに真っ黒なねじれた角。健康な小麦色に真っ赤なツリ目。美女を思わせるような端正な顔つきに官能的な唇。
体つきもまさにお姉さん、いや、お姉さまと呼ばれるにふさわしい、長身で出るとこは大きく出て、出ない所は極力出ない、見事なパーフェクトバディ。
メロンと同じぐらいの、嫁よりも大きなおっぱい(嫁も『サハギン』の中ではかなり大きい方だと誇らしげに言っていた)を隠してるとは思えない、挑発的な赤いブラと僅かな面積しか隠していない、これまた赤いパンティを身につけ、それだけでも大抵の男性なら惚れてまうやろと言わんばかりの魅力が溢れている。あっ、ミノタウロスは暴走してしまうか。
だが残念、生憎俺には可愛く愛しいロリィな嫁がいるので、その魅力で魅了しようなんて無理である。
か わ い い は 正 義なのだから。
「……あー、今更ながらドウモオハヨウゴザイマス。シャルミィさん」
起きたばかりだが、空腹感は全く感じない。こんな状況だからなのだろうか。
「あらぁ、さん付けなんてよそよそしいわねぇ。シャルと呼んでもいいのよぉ?♪ それとも…お姉ちゃんと呼びたいのかsう"ぐぅッ!?」
悩ましい体躯をくねらせながら、馴れ馴れしく、しかし色気を含んだ声を出しながら、さり気に抱きつこうとするお姉さんの鳩尾に嫁の尻尾の先端がメキョッという音を立ててめり込んだ。
「……ソンナ事ノ為ニ呼ンダンジャナイヨ?」
死んだ魚のような目で淡々と、しかし部屋の気温が一気に数度下げるほどの冷気と殺気を含ませた声で淡々と言い放った。
……おぉ、こわいこわい。
「アハハッ、冗談よぉ、冗談♪ あぁ、そうそう、アタシは沙奈ちゃんの親友のシャルミィよぉ。今日はヨロシクねぇ♪」
それに対して、慣れきっているのか、穿られた鳩尾をさすりながらニコニコと
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