「うっひゃぁぁっ、すっごいラブラブしちゃってるぅぅぅ(*>∀<*)」
これからピロートークを楽しもうとした矢先に、飴のように甘く甲高い、うるさいのが来やがった。
「・・・・・・あらいらっしゃい」
「・・・・・・あのさ、呼んだ覚えはないよ、あゆ」
「えぇっ、何でそんなに冷たいのーっ!?Σ(;n;)」
静琉は何事も無いかのように挨拶し、僕は冷たくあしらい、あゆと呼ばれた少女は大げさにショックを受けていた。
「だってお前、今の状態じゃ満足できないよ」
今の彼女は『実体化』しておらず、触れることができないのだ。
「うー、私だけ仲間はずれなんてひどいよぉ〜!(ToT)」
「・・・・・・仲間外れ、イクナイ」
やかましく泣く彼女をみて静琉は僕を批判する目で言ってきた。
「・・・はぁ、悪かったって、あゆ」
うんざりとした気分で僕は上半身を起こし、実体化していないあゆの頭をそっと撫でる動作をした。
あっ、ごめん、触れること出来たんだね。
ちゃんと触れるかどうか確認せずに言ったことを心の中で謝りながらなでなでした。
すると、先ほどまで泣いていたのが一変して満面の笑みを浮かべて来やがった。
「えへへー、なでなできもちいいよー(*´∀`*)」
・・・その笑顔は反則だ。まんざらでもない気持ちになってしまう。
何だかんだ悪くいっても、僕のもう一人の恋人であり、静琉と同じく愛しているのだから。
彼女は癒宮 あゆ。
彼女との関係は中学生までは幼なじみであり、元々は病弱で内気な性格だった。
そしてある日、病状悪化で病死。
人としての人生はそこで終わったはずだった。
だが、彼女の想いが原因なのか、静琉と初めてのセックスをしたその夜に姿を現した。
そう、ゴーストという魔物娘の姿になって。
魔物娘になった彼女の性格は一変して喧しく、そして明るい性格になったのだ。
外見もそれなりに変化し、鳶色の瞳が深海を思わせる青色になり、元々白かった肌が透き通るぐらい白くなり(ゴーストなのですこし透き通ってはいるが)、まな板のようなAカップがたわわと実ったEカップに成長した。
しかし、生前の腰ほどもある黒髪と幼さを残した顔と身体は変わっていなかった。
「―――ねぇ、何難しい顔をしてるの?(・д・?)」
「あっ、いや・・・ふとあの日を思い出してね」
そう、あのときは本当にびっくりしたものだ。
死人からアンデットになって生まれ変わるというのは実はというと珍しいのである。
というのも、魔物という生物上、人間よりも上位の存在であるため数が少なく、アンデット種においても例外ではない。
アンデットになるケースは主に3つ。
一つ目は元からいるアンデット種の魔物娘から襲われて彼女らに変わるケース。
二つ目はすでに死んだ遺体や魂が魔力と結びついて蘇るケース。
そして三つ目はアンデットになった魔物娘が出産し、子供が出来るケースである。
一つ目のケースが主なアンデット種の増え方である。
しかし、今ここにいる日本においては勝手な魔物娘化が法律で禁じられており、その為の監視や対策がしっかりしているため、急激な魔物娘化になる事態はなくなっている。
そして二つ目のケースでは、死んだ本人の「生きたい」「好きな人とずっといたい」という想いの強さと本人及び死んだ場所の魔力の強弱によって決まると言われている。
この要素がよほど強くなければ、アンデットとして蘇ることはないと言うことである。
そのため、彼女のような「アンデットになってでも生きたい」というケースは珍しいわけである。
「ずいぶん間の悪い再会だったなぁって・・・」
「あははー、あなたの匂いがしたから行かずにいられなくてねぇ〜(´p`*)」
「・・・・・・素敵な出会いじゃない
#10084;」
あの頃を思い出して気まずくなる僕と、懐かしむように微笑むあゆと、気にすることなく微笑を浮かべる静琉。
魔物娘の価値観にすっかり定着した彼女は気にしていないようだが、僕にとっては気にしてしまうものだ。
せっかくの再会だというのに、小さい頃から幼なじみとして共にし、当時恋人だった彼女の目の前で、別の恋人との愛の営みを見せてしまったのだ。
浮気とか不倫とかって言うレベルじゃない。
別の見方をすれば寝取られにも見られるのだから、本当に申し訳ない。
「そんな顔しなくてもいいんだよ〜♪だって、今も私のことも愛してくれるんだから(*^∀^*)」
「・・・・・・私も、それでいいと思う」
「ん、まぁ・・・そうだね」
二人にそういわれ、気持ちこそはくすぶるものの、どこか安心した気分になった。
「・・・でもー、静ちゃんだけ激しいのシててずるいなぁ〜(*¬3¬)」
「・・・・・・ご
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