幼馴染の胸を揉む話

今日も学校は終わった。僕は一人帰路につく。変化のない日々であるが退屈ではない。身の丈に合わないことをしたら人間絶対後悔するからだ。物事が変化しまくりの日々だったら僕は風邪で一週間寝込んでいる事だろう。
「あ、文人君」
「ど、どうも」
彼女は幼馴染の琴音さん。ホルスタウロスだ。幼馴染と言っても互いに互いを意識する関係ではない。家は近いが隣同士でもない。学校で挨拶を交わすだけだ。
「文人君。お願いがあるのですよ」
「何を忘れてきたのですか?でも帰りだし借り物の話しじゃないですよね」
琴音さんは僕に度々文房具を借りにくる。曰く「よく忘れちゃう」のだそう。僕は薄情ではないので貸す。それだけの関係だ。学校の級友やら僕の家族やらが「僕に気がある」だなんて言ってくるのだがそんなことはない。第一僕は男として面白みがない。僕が女子だったら絶対自分と付き合わない。琴音さんは美人で巨乳でかわいい。釣り合うはずがない。
「あ、あの…」
目の前には悩んでいる幼馴染。年頃の女の子の悩みと言ったらあれしかないだろう。
「好きな男にラブレターを渡したいけど勇気が出ないとか?」
「そんな事じゃありませんよ!」
否定されてしまった。こうなれば僕はお手上げだ。少々黙っていると、
「あ、人が一杯いるところでする話じゃないですね。とりあえず一緒に帰りません?」
と提案してきた。断る理由はないのだが久しぶりに一緒に帰るのも恥ずかしい。しかし琴音さんの悩みも聞きたい。これじゃあ生殺しじゃないか。仕方がないので、
「あ、はい。悩みも早く聞きたいですし」
と返しておいた。そしたらいつも甘い幼馴染の声は余計甘くなり、「早く帰りましょう」と笑みを浮かべた。

帰り道。暑い中琴音さんは笑みを絶やさなかった。
「久しぶりですねえ〜二人で一緒に帰るだなんて。昔はよく一緒にいたじゃないですか〜」
語尾が伸びきった琴音さんは僕の方を向いて笑いかけてくる。僕に気があるとしか思えない仕草に困惑する。改めて自分に言い聞かせる。彼女が僕の事を好きなわけないのだ。
「こういうのもいいですね〜恋人と一緒にいるみたいで」
そう言うと琴音さんは顔を赤らめた。かわいい…のだが本心は何処へやら…
しばらく僕が悩んでいたので返答を待っていた琴音さんが
「顔が楽しそうじゃないですね〜やっぱり私と一緒なのはつまらないですか?」
つまらないと言うよりは恥ずかしい。それに琴音さんが僕のような人間と一緒にいると彼女にとっても都合が悪いだろう。
「そういう事じゃなくてですね。やっぱり恋人同士じゃないと恥ずかしいじゃないですか。君も僕と一緒にいる噂が立ったら迷惑でしょう?」
「迷惑じゃありませんよ!あの時も今も貴方はそうやって独りよがりで!」
語気を強める幼馴染。ちなみにあの時と言うのは僕が琴音さんと一緒に学校に通うのを止めた時の事の話しだ。あの時も彼女は感情的になってたのだが僕が説得して応じてくれたのだった。今できる事も当然説得しかない。
「君の為を思って言っているのです。君なら素晴らしい人と家庭を築けると僕は思いますよ?」
「あの時も今も文人君は同じですね…でもまあいいや」
再び顔を赤らめる。僕は息をのむ。
「それで…お願いの事なんですけどね…?」
琴音さんは余計甘い声でそう言う。言い終わるとモジモジし始める。僕は口を開こうとする。
「で…」
「私のおっぱいを揉んで…ほしいなと思いまして」
「ええっ!?」
大声を出してしまった。何なんだろう。目の前にいる幼馴染は斜め上の言葉を口に発した。僕の口から思わず笑みがこぼれる。
「からかってるんでしょう?僕を」
「からかってなんかいません!」
大声を出す僕に琴音さんも大声で応酬する。幸い人が近くにいないから安心なのだが、そんな事を呑気に言う場面ではない。状況を読み込めない僕はとりあえず訳を聞く。
「ここ数日母乳の出が出悪くなっちゃって、それで対処法を探していたんですよ〜そしたら一番の対処法が男の人におっぱいを揉んでもらうことみたいなんです〜」
「でも僕に頼むんですか?他にも…」
「頼める男の人が文人君しかいないからですよ〜私のコミュニティは小さいですからね〜」
「そんな自慢気に言われても…」
「とにかくですね!文人君も男の子だから悪くない話だと思うんですよ〜」
「でも僕恋人じゃないですし…」
「じゃあとりあえず私の家に来てください!それから恋人になるなり妥協点を探すなりしましょう!男の人と話すだけでも効果があるかもしれませんし!」
興奮する琴音さんを見ると断るのも悪い気がしてきた。彼女の家に行ってからやっぱり無理だと言って帰ればいいだけの話しだ。僕の家に遅くなると断りを入れてから琴音さんの家に行く。道中の彼女はやけにウキウキしていた…理由を尋ねたら「お母さんとお父さんがいないから
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