さて、始めましてというべきかしら?
恥めまして…って、一瞬誤字りそうになったわ。
まあよし。
さて、始めましてというべきかしら?
まあ、殆どの人は私のことを知らないわよね。
じゃあ自己紹介からする事にしましょうか。
私はレーネ。
サキュバスの、レーネ・レイン・ソムウ=メアン
ものっそい面倒な名前だから、覚えないでちょうだい。
正直、いきなりフルネームで呼ばれたら驚きのあまり頬をつねって夢でないことを確認したくなるわ。
だから呼び名は、レーネとしなさい。……ああ、さんづけ様づけはご自由に
ああ、そうそう。
一応始めてじゃないヒトもいるのかしらね。
なら、誤解がないように早い内にことわっておきましょう。
【例えば、こんな幸せな夜】で出ていたのは、この私。
改めてよろしく、とお願いさせてもらうわ?
ええ、そうそう。お願いよ、お願い。
実をいうと、今日はちょっと相談に乗って欲しいのよ。
まあ聞いてちょうだいな、昨日のことなんだけどね?
……ああぁんもう、あの子ったら可愛すぎよ。何なに何なの、あのオドオドした態度に上目づかいで伺うみたいに見つめて「お願いがあるんですけど……」なんてそんなの反則よう!もうなに、私を悶死させようっていうの?なんなの、死ぬの。ああ、私死んじゃうわ。死因はキュン死もしくは鼻血の出しすぎによる出血死ね。ああ、でもでもこの子の前ではやっぱりクールなイメージを持っていたいもの鼻血なんてキャラじゃないわ、我慢よ。我慢しなさい我慢するのよ私。そう、Kool…じゃない、Coolになりなさい……素数を数えればこれくらいどうって事もないわ。1、2、3、5……あら、1は違うわねって、なになに「屋敷の使用人仲魔と一緒に怖い話をして、それで怖くて一人じゃ眠れない」ですって?ええ、分かったわ!それで今夜は一緒のベッドで眠りたいって?モチロンいいですとも!!月のお兄さまも真っ青なレベルで同意してあげるわ!ただぁし、今夜眠れるとは夢にも思わないことねヒャッハーーー、もう我慢できね
「よーし、こら。おいこら。まずは黙れや。 それファイヤー!!」
……むぅ、ヒドイじゃない、いきなり燃やすなんて。羽の先っぽが焦げちゃうわ?
親友にそんな折檻受けちゃうなんて、痛すぎて悲しくて泣いちゃうわあ……よよよ。
「アホ言っとらんで早よう戻ってこんかい阿呆。
来てそうそうにノロケを聞かせおってからに……なんじゃ、アレか?あてつけか?
そうだとか言いおったらタダじゃすまさんぞ?ん?」
やあねぇ……冗談よ、冗談。
だからそんな、極範囲獄炎魔法とかそんな感じの魔術式をしまって頂戴な?
そんなもの開いたら、この辺り一帯向こう百年ペンペン草一本生えないわ。
分かった。分かったわ。ちゃんと本題を言うから。ほら、機嫌直してよ〜
「……はあ。変わらんのお主」
バフォちゃんもね〜
「バフォちゃん言うな。
しかしあれじゃな……その、『電波なセリフを平坦な声でまくし立てる』癖はホントに止めとけ。
ただでさえ、お主の表情の変化は恐ろしく分かりづらいんじゃから。正直、わしでも引くわ」
むぅ……手厳しいわね。
私としては分かりやすいよう精一杯の感情を乗せて喋ってるつもりで
「寝言は寝て言え。
とりあえず『その子』とやらから、レーネさんて何考えてるのか正直よく分からないんですよね……などと、ぼやかれんようになってからじゃな」
…そんな事言ってたの?
「言っとったな。この間来た時と、ついさっきと。
茶ぁ出しに来た時に世間話してやったら、ポロっと……ああ、おい。泣くな」
な、泣いてなんかないわよ……
ほら、今日は暑いもの。汗か何かと見間違えてるんだわ。
ええそうよ。そうに違いないわね。はい、この話はここまで!
「へいへい。それで、汗っかきのレーネさんや。
なんぞ、相談があるとか言うとらんかったか?
わしにまだ何も聞いてこんのだが、こいつは今日のところは茶だけ飲んで帰っていいということかいの?」
ぐっ……分かったわ、話を戻すわね。
そう。それで、そんなわけでこの間あの子と一緒に寝たのよ。
ああ、スリープの意味じゃなくて、セックスの方で。
けどまあその時に、その……ごにょごにょ
「結局ハグラカシて言うて無いではないか。
ああ……しかしまあ、何となく分かった」
ほんと?
さっすが、親友。
貴女が親友で本当によかったわ
「わしはよく後悔するがな。 まあ、ようはアレじゃろ?
またぞろ無茶な事やって、バカとか嫌いとか何とか言われたろ、お主」
グサッ
「おい、擬音を自分で言って倒れる奴がおるか。
大方また無茶な要求だのアブノーマルだのハードプレイだので、やたらとハシャギ過ぎたのが原因かの」
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