痩せたいんです!

ある朝

ホルスタウロスのハツネは、ふがっ、と中途半端な呼吸のせいで起床した

金色に輝く瞳を半眼に開き、見慣れない天井を見据える

すっぽんぽんの極上ボディを揺らし、むっくり上半身を起こした

見回すと、ちょっと立ち寄った『休憩所』の一室であることを思い出す

(あ、寝ちゃったんだ…)

ふあぁ、とあくびをして、茶色いセミロングヘアーを手櫛でちょいちょいすいてから、傍らに眠る少年を見下ろす

人間の○学生男子である彼…ヒロタカはハツネの交際相手…恋人である

年齢のわりに持ってるモノが素晴らしく、昨晩だって七回戦も…

ムラッ

(思い出したら、えっちしたくなってきちゃった…)

ほんの一ヶ月前まで生娘だった自分はどこへやら

初体験から毎週末、ヒロタカとデートしてはえっちをしている

回数の基準なんて知らないが、多いんじゃないかと自覚してはいる

だが、愛する人との蜜月の心地よさは、一度味わえば半ば中毒になるのは致し方ない

とかなんとか、自分に言い訳して、昨日は八回戦直前に気絶するように寝てしまったヒロタカの体を揺する

「ひー君、起きてー」

ひー君、とはハツネが考えたヒロタカのあだ名である

「朝だよー」

揺する、揺する

しかし、ヒロタカはむにゃむにゃ言うだけで、一向に覚醒する気配はない

これにはハツネも頬を膨らます

と、ヒロタカの股間を見やる

あら、朝の生理現象中

自己主張の強い棒が、布団の下で起立している

これを見逃さぬハツネではない

「…疲れてるみたいだし、ひー君は寝てていいかな」

疲労の要因がなんか言った後、布団をめくった

勃起した男根が現れると、すかさず握った

真横で座ったまま、しごいてやる

熱を持ったそれは、数時間前に激務を終えたとは思えない鉄人ぶりを見せている

ハツネの手は、仕事先の牧場の野良仕事のおかげで少し力が強い

きゅっきゅ、と適度に強く握ったり、緩めたり、と緩急をつけてやると、ぷくぅ、と一回り大きくなった

直後、激しく跳ね上がった男根から、真っ白な液が飛び散る

濃くて粘りけの強い精液は、一本の筋を作るように射出され、さながらうどんのようだ

「ひー君のっていつも同じくらい濃ゆいよね…ぜつりん、ってゆーのかな?」

かもしれない

手にかかった精液を舐めとり、さて次は、と体勢を変える

うんうん唸っているヒロタカのことなどお構いなしに、お尻を彼の頭の方へ向け、口は目標の棒へロックオン

寝起きで四つん這いは苦しいので、下敷きにしているヒロタカに体重を預ける

さあ、二回目の快楽へレッツゴー、という時に

その言葉がヒロタカの口から出た

「重い…」

ぴた

しゃぶろうと思った口が、体が止まった

一時停止

なおもヒロタカはむにゃむにゃ

今のは寝言、寝言なのだ

だから嘘ではないのだ

ハツネは一時停止したまま

ずーん、と落ち込んだ


────────────


その日の夜

ハツネを含む、牧場で働くホルスタウロス達四人がシェアしている一軒家のリビングに、住人全員が集まっていた

各々、ソファーやチェアに座り、中央のテーブルにはおつまみが色々ある

「デブ、って言われたのか?」

年長さんのホルスタウロスが電子タバコをくわえている

「言われてないですぅ…えぐぅ…」

一方のハツネは涙が止まらない

一日で一年分くらい泣いた

「じゃあいーんじゃねーの、ヒロタカボウヤはポチャ専なんだろ」

「そーゆーんじゃなくて、そーゆーんじゃなくてぇぇえうぅぅぅ…」

「泣き止めよ」

年長さんの後頭部に漫画汗が垂れる

「でも、先輩どころじゃなくて、ホルスタウロスは全員お肉が付きやすい体質ですからね」

一番年下の後輩ちゃんがウーロン茶を煽る

「美味しくなるしね〜」

ハツネと同期の子がさらりと恐ろしいことを言う

「カルビとかの話じゃなくて、ほら、テレビでも出てるじゃないですか、ホルスタウロスのグラビアアイドル」

たしかに、魔界との交流が盛んになってから、魔物の芸能…人?も増えてきた

中でも、ホルスタウロスやサキュバスは官能的な肉体をしているとかで、よくモデルさんなど、テレビや雑誌に出る仕事をしている

「あぁいう子だって、バスト大きいけど、ウエスト60以下はないですよ、ヒップだってバストとイコールくらいですし」

「うぐうぅぅぅ…」

「だから泣き止めってんのに」

どうやらホントにそーゆーんじゃないらしい

詳しく聞いてみると

「あのですね、ひっく、あのですね、ホテル出た後、牧場に行くバスのバス停に行く前に行ったご飯屋さんに行ったらぁ…」

「あ、ごめん、待って待って、わかんない、どこ行ったって?」

「バス乗る前にご飯食べに行ったそうです」


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