遊び その3 ボタンを押して君を見つけて

 「狐火ちゃーん。どこかな〜。」

 彼女を探して家の中を歩き回り、狐火ちゃんが居そうな場所を見ていくがどこにも見当たらない。
 外ではしとしとと雨が降っていていくら魔物娘が頑丈で病気に強くても自ら濡れに出るなんてことはないだろう。
 そう思い居間や台所、寝室と移動しているのだが気配すら感じられないのだ。
 なぜこんな状態になっているのかというと、ここのところ長雨で外に出ることが出来ずに室内で出来る遊びをやっていた。
 お手玉から始まり、双六、トランプやテレビゲーム。映画鑑賞からセックスまで。
 色々とやっていて今しているのがかくれんぼ。
 鬼が隠れた人を見つけるだけのシンプルなものなのだが・・・。
 正直甘かった。
 妖力の塊である彼女は実体をもっていても物質をすり抜けていけることを忘れていたのだ。
 30数えた後に動き出したまではいいのだが見つからずに彼此10分程家の中を行ったり来たりしている。
 小さい頃自分が隠れた場所を手がかりにお風呂場、押入れ、物置にベッドの下と定番の場所を探し。
 軒下やテラス、果ては天井裏まで見ているが一向に見つからない。

 「まさかここまで隠れるのが上手いなんて・・・。」

 予想外の事態に陥り、お手上げ状態のこちらは切り札を取り出すことにした。
 それは小さなスイッチの付いた四角い塊。
 ONとOFFの文字が書かれており、今はOFFになっている。

 「余り使いたくはないけど・・・。仕方ないね。」

 言葉とは裏腹に口端と頬肉は若干上がり、その表情を鏡で見ると自分はとても輝いて見えるだろう。
 もしもの時用に狐火ちゃんに仕込んでおいたものの電源を入れて少し放置しておく。
 あれは家の中全体をカバーしているのでそうそう遠くに行かない限り大丈夫のはずなのだが。

 耳を澄ませてみるが例のブツから聞こえる振動音は届いてこない。
 となると現在の台所からまだ遠いところに居るようだ。
 そう考えるとおもむろにスイッチを一旦切って別の場所へと移動を始める。

 ¨なぜ電源を一々切るのかって?¨

 ¨決まってるじゃないか。魔力で半永久的に動き続けるから電源の心配はないけど何時くるかわからない刺激に怯えて悶えて声を洩らさないように口を塞ぐ彼女の姿を想像してご覧よ。¨

 ¨たまらないでしょ?¨

 ¨ドS?¨

 ¨フヒヒ サーセン(笑)¨

 足音をわざと立てながら次は居間へとやってきた。
 先程と同じようにスイッチを入れて暫く待っているが反応はなく静かなもんだ。

 「・・・。ここでもないな。どこなのかなぁ〜。」

 どうやら空振りらしいがあまり気落ちはしていない。
 むしろこいつを使えることに心が浮き浮きしている。
 それでもやっぱり当てが外れたのは悔しいのでONとOFFを緩急をつけて切り替え、八つ当たりをするとそのまま次の部屋へと向かっていった。

 廊下へと出て戸を閉めると寝室から何か物音が聞こえてくる。
 探したはずなのにと思いつつ、そちらへと足を進めて中へと入っていく。
 だが、部屋の中には誰もおらず、荒れた形跡もない。
 不思議に思い確認の為に手元のスイッチの電源を入れてると・・・。

 「んんぅ・・・。んぐぅ・・・。」

 くぐもったような喘ぎ声が漏れ、振動音も微かだが耳へと入ってくる。
 どうやらここにいるらしい。
 一旦OFF状態にして探す素振りをしながら寝室を歩き回りわざとらしく布団をめくったりベッドを下を覗き込んだりしていき。
 床を軋ませながらゆっくりと焦燥感を呷っていく。

 「ふうぅん・・・。むぅ・・・。んぅ・・・。」

 不定期に電源の入れ切りをして刺激を与えつつ、彼女の中にある見つかりたくないという気持ちを高め。

 「どこかなぁ〜。ここかな〜?」

 違う場所を音を立てて探し、クローゼットの戸や物置の戸を開けて追い詰めている感じを演出しつつ。
 一つ、一つと調べてるふりをして狐火ちゃんへと近づいていき。
 あと少しというところまで近付いた時点で電源を入れっぱなしにした。
 静かで、外で降っている雨とたまに通過する車の音の中に振動音と可愛いくぐもった声が合わさってくる。

 「んんんっ!?んぅ!んむぅ!!むぅ!」

 連続で動き続ける例のブツことローター。
 休み無しで与えられる刺激は全身に電流が走るようできついものがあるだろう。
 股から愛液を洩らして七転八倒してながら健気で必死に身体に染み込んでいく快楽に耐えている狐火ちゃん。

 「ふぐぅ!!あぐぅ!ううぅ!むぐぅぅぅ!!」

 何かを噛んで声が漏れないようにしているのだろうけど・・・。
 可愛い媚声が聞こえてるよ♪

 「あれ〜。見つからないなぁ〜。」

 そう言いつつローターのスイッチをOFFにして準備を始め
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