呪法と術具に関しての見解

 「な、なんなんだここは!?」

 「おや?ミラか。」

 「エルフィール!ここはどこなんだ?」

 「ここは全能図書館『イデア』、知識が集約された場所だ。」

 「知識が?」

 「ああ、ここで知ることの出来ない知識はないというほどの知識が本として納めてある。」

 「それは凄いがなぜ私はここにいるんだ?」

 「アグノスの大森林で呪法について説明し切れてなかったんでこの場を借りて説明しようと思ってな。で、一人でやるのは寂しいから来てもらった。」

 「それだけの理由でここへ?」

 「そうだな、物語本編とは関係ないし。あっちへ帰れば記憶はなくなる。気楽にやってくれ。」

 「気楽にって・・・。」

 エルフィールは近くにあった椅子へ座り、隣の席へミラを座るように促す。

 「まあまあ、飲みものでも用意しようか。」

 「気を使わなくていいぞ。」

 「話が長くなるからあった方がいいと思うぞ?二人分入れてくるから待っててくれ。」

 そういって立ちあがると奥へと消えていき、しばらく経つと両手に紅い色の飲み物をもって帰ってきた。

 「さて、紅茶をいれてきた。砂糖は自分で入れてくれ。」

 「紅茶?砂糖?」

 「ミラは初めてか。木の葉を蒸して揉んで完全発酵させたものを煎じて飲む飲み物さ。砂糖は糖分、甘みを含んだ調味料だな。そのまま飲むと少し苦みや渋みがあるから砂糖で甘くするんだ。」

 「そうか、どれぐらい入れればいい?」

 「この匙2から3杯がいいんじゃないかな?」

 ミラは容器から砂糖を掬うと3杯ほどカップに入れてかき混ぜ、恐る恐る口をつける。

 「甘くていい匂いだな。」

 「きにいったみたいだな。じゃ、始めるか。」

 「分かった。」

 紅茶啜りながらミラはエルフィールの語りを聴き始めた。

 呪法とは、呪術と法術を合わせた言い方を示すんだ。
 
 呪術は己の体内に秘める力を使用し自分達がいる世界とは違う所。

 別の場所であったり、並行世界から力を引き出して使用するもので。

 法術は己の体内に秘める力を自分達がいる世界の使用する対象の力と混ぜ合わせて使用するものを指す。

 「エルフィール、己の体内に秘める力ってなんなの?」

 「おっと、そうだな。」

 己の中に秘める力、魔力や聖力、精気、闘気や生命力など誰でも持っているものの事。
 つまり、生物の身体を構成してる目に見えない力を利用するんだ。

 また、一般的に法術より呪術の方が会得や使用は難しいとされている。

 なぜならば別の空間や並行世界から力を引き出すということは莫大な量の力を消費するので並の力の持ち主では呪術が発動される前に気絶してしまう。

 「許容量を超えたら発動できないってことか。それで許容量を上げる事はできるのか?」

 「できるのはできるが。」

 力の許容量の増大を図るには様々な方法があり瞑想をして少しずつ上げる方法もあれば、厳しい環境に己を置いて修行をし鍛えて上げる方法もある。

 昨今では服用すれば許容量が上がる薬などが販売されているが、急激に自分の身体に見合わない力を入れてしまうと暴発や暴走をして身体を壊しかねないので注意をしないといけない。

 次はちょっと方向を変えて、術具についてに移ろうか。

 呪法では必ず術具が必要になる。

 呪術では己の力で他の力を引き出すための開閉機としての役割を果たし、法術では対象の力を己の力と混ぜ合わせたものを貯蔵する容器なるんだ。

 「注意点があるな。」

 「注意点?」

 呪術を使う場合であれば関係ないが、法術を使う場合一つの対象に対して術具が一ついる形となる。

 これの説明は後にしようか。

 「さて、紅茶を飲み干したからおかわりをいれてくるか。ミラもいるか?」

 「頼む。」

 エルフィールは立ちあがるとまた奥へと姿を消し。

 しばらくして紅茶を両手に椅子へと戻っていく。

 「ほい、ミラ。」

 「ありがとう。」

 「続きを話していこうか。」

 「頼む。・・・砂糖入れ過ぎた。甘い。」

 「おいおい・・・。」

 呆れたながらもエルフィールは語るのを再開していく。

 「慣れると甘いのもいいな。」

 「・・・。」

 今まで呪法とは何なのか、それを使用するための力。術具の話をしてきたが次は呪法の使用、発動について話そう。

 その前に基本的な事を、属性についてだな。

 呪法として使える基本は四属もしくは五属の属性となっている。

 火・水・風・土。
 そして無。


 氷や電気などといったものもあるが属性同士を合わせることで再現可能だからな。

 無論、呪法としてそのまま使用、発動することは可能だ。

 呪法としての知識はそれが広まってると考えてくれればいい。
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